次期エアフォース・ワンVC-25B、デザインは現行機踏襲 27年納入

 

米空軍は現地時間3月10日、次期大統領専用機VC-25Bの外観デザインを発表した。現行機VC-25Aのものをほぼ踏襲したデザインになった。大統領搭乗時のコールサインから「エアフォース・ワン」とも呼ばれ、空軍も「次期エアフォース・ワンのカラーリングデザイン」として発表した。初号機が2027年、2号機が2028年に引き渡される見通し。

 

次期大統領専用機VC-25Bのイメージ(米空軍提供)

 

 

トランプ大統領(当時)を乗せ羽田空港を離陸する大統領専用機VC-25A

エアフォース・ワン19年5月28日 

PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 

 

空軍によると、VC-25Aのデザインを踏襲しつつ、21世紀に向けて近代化したものになったという。バイデン大統領がデザイン選定で決定したという。VC-25BのカラーリングはVC-25Aと主に3つの違いがあり、VC-25Bのライトブルーは、VC-25Aのロビンエッグブルーよりもやや深く、よりモダンなトーンとなった。

また、VC-25Bのエンジン部分は、VC-25Aのロビンエッグブルーとは逆に、コックピットエリアから濃いブルーを採用した。

 

VC-25Aの外観の特徴である鏡面仕上げの金属部分は、VC-25Bのベースとなる747-8Iの素材の関係で同じデザインにできなかったという。
 

外観のデザイン以外では、電力増強、通信システム、医療施設、大統領の執務室、自己防衛システム、自律的な地上作戦機能などの改良を加え、ホワイトハウスと同等の通信機能やセキュリティーを実現する。

 

空軍が以前発表したVC-25Bの赤、白、青のカラーリングは、2019年の時点で好ましいものだったという。しかし、その後の熱研究により、デザインのダークブルーが特定の環境下で熱が加わるため、FAA(米国連邦航空局)の試験を追加する必要があるとの結論に至ったと説明している。

 

VC-25Bは、最後のジャンボ機となった747-8の旅客型747-8Iがベース。2015年に破綻したロシアのトランスアエロ航空が発注したものの、引き渡されずボーイングが保管していた2機を改修し、調達コストを抑えた。現行機VC-25Aは、747-200Bを基に開発され、初号機が1990年8月23日、2号機は同年12月23日に引き渡された。

次期大統領専用機VC-25Bのイメージ(米空軍提供)

 

次期大統領専用機VC-25Bのイメージ(米空軍提供)