日本にもA321P2F登場!JALグループとヤマトが共同で空の物流網構築

 


ヤマトホールディングス向けA321P2F
 

日本航空(JAL)とヤマトホールディングスは、2024年4月から首都圏から北海道、九州、沖縄地域を結ぶ長距離輸送の貨物専用機(フレイター)を運航開始すると発表しました。

 

羽田と成田の首都圏空港と、新千歳・北九州・那覇空港間を結びます。使用する機材は、エアバスA321ceo型の旅客機をフレイターに改修した「A321P2F」で、3機導入予定です。JALグループで唯一、A320ファミリーを保有するジェットスター・ジャパンが運航を担当します。

 

ヤマトグループが機体を導入し、JALグループが運航します。これにより、長距離輸送で利用されているトラック、鉄道、フェリー、旅客機の床下貨物スペースに加え、貨物専用機を新たに活用し、安定的な輸送力の確保、サービス品質の維持・向上につなげます。両社はフレイター導入で、輸送手段の拡大と輸送スピード向上でネットワーク全体を効率化をはかります。

 

さらに、距離に応じた最適な幹線輸送のポートフォリオ構築、今後の新たな需要や労働力不足への対応、自然災害など緊急時の輸送チャネルを構築。地方発の輸送市場の形成、国内・海外への輸送の流れを構築するなど新たなビジネスチャンスの創出にも取り組みます。

 

JALは、2010年12月に経営再建のため貨物専用機を全て退役させ、貨物専用機の運航を終了しています。今回の運航はグループ会社のジェットスター・ジャパンですが、JALグループとして貨物専用機の運航を再開するのは、約13年ぶりです。

 

■A321P2Fとはどんな飛行機?

A321P2Fは、旅客機として使用された中古機を貨物専用機に改修し、最大28トンの貨物を搭載・輸送する機種です。世界初のA321P2Fは2020年2月にシンガポールで初飛行、営業飛行は2020年10月にカンタス航空が運航しています。

 

ニュース画像 1枚目:カンタス航空運航、世界初のA321P2F

カンタス航空運航、世界初のA321P2F

 

 

旅客機から貨物専用機への改修作業では、旅客機の胴体を一部変更し、140インチのメインデッキ・カーゴ・ドアを装着、客席が設置されていたメインデッキは客室部分を撤去、床面の補強と貨物コンテナを搭載できる仕様へ変更、主脚部分も強化されます。乗員と貨物の間を保護する剛性のある仕切りが設置されるほか、フライトデッキも改修が加えられます。

 

改修後は、旅客機では座席が設置されていたメインデッキに14個、その下に位置するロワーデッキに10個、計24個のコンテナを搭載できるようになります。28トン搭載時の航続距離は4,260キロメートル(km)ほどで、JALとヤマトが計画する路線のうち、成田/那覇間で1,600kmを十分にカバーできる能力があります。

 

ニュース画像 2枚目:A321P2Fのメインデッキ

A321P2Fのメインデッキ