ユチョンとのラブシーンで話題!全米が注目する”ミナリ”の女優 ハン・イェリ

 

 

世界から注目を浴びている映画『ミナリ』で、ハリウッド進出を果たした女優のハン・イェリ。伝統舞踊家から女優へと転身した彼女は、持ち前の個性と豊かな表現力で観客を魅了し続けている。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

 

深い余韻を残す説得力のある演技、観客を魅了し続ける演技で、韓国映画界を支えてきた女優のハン・イェリ。

 

1984年12月生まれで現在36歳(日本年齢)の彼女は、韓国でも有名な演劇や舞踏のエリートが集結する韓国芸術総合学校 伝統芸術院の出身で、元々は伝統舞踊家だった。


在学中に映像院の舞踊指導を手伝って映画界に足を踏み入れた彼女は、2008年に『キリンとアフリカ(原題)』という作品を通じてミジャンセン短編映画祭で演技賞を受賞し、その名を知られるようになる。

 

ハン・イェリは伝統舞踊ダンサー出身の女優

伝統舞踊ダンサー出身の女優、ハン・イェリ(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

 

 

日本でハン・イェリの名が広まったのは、2014年に公開された、ポン・ジュノ監督が制作としてかかわった映画『海にかかる霧』だろう。本作で主演を務めたのは歌手で俳優のパク・ユチョンで、ハン・イェリはその相手役を演じている。劇中、2人がラブシーンを披露したことも当時多くの話題を集めていた。


また、時代劇ドラマファンに高い人気を誇るSBS『六龍が飛ぶ』にも出演していることから、ハン・イェリは日本で実力派俳優として周知されている。

 

すっきりとした顔立ちで、クールビューティー、アジアンビューティーと称されるビジュアルからか、これまで北朝鮮や*朝鮮族関連の役が多く、”北朝鮮専門俳優”とも呼ばれている。

 

*朝鮮族‥中国の国籍を所有し、中国戸籍法に基づく戸籍上の民族欄に”朝鮮”と登記されている中国の少数民族のこと。朝鮮語を使う。現在70万人ほどの朝鮮族が韓国で居住している。

 

そのスタートは独立映画『青い川は流れろ(原題)』という作品を撮るため、*延吉市(えんきつし)で4カ月ほど撮影し方言を覚えたことだったが、その後『ハナ ~奇跡の46日間~』、『ザ・スパイ シークレット・ライズ』、『海にかかる霧』などの作品を通して、似ていながらも違うディテールを持った演技を披露することに。特に『海にかかる霧』で演じたホンメ役は、ハン・イェリがいかに演技の上手い俳優なのかが分かる。

 

*延吉市‥中華人民共和国吉林省延辺朝鮮族自治州に位置する県級市。

 

『海にかかる霧』のハン・イェリ

『海にかかる霧』のハン・イェリ(画像出典:『海にかかる霧』)

 

 

そのような優れた演技力を持ったハン・イェリが、『第93回アカデミー賞』の作品賞、監督賞、主演男優賞をはじめとした6つの候補に選ばれ、世界中から熱い視線が集まっている映画『ミナリ』でハリウッド進出を果たした。

 

『ミナリ』は、アメリカンドリームを夢見る移民者たちの生活を描いた作品だ。
劇中、韓国系アメリカ人俳優のスティーヴン・ユァンとハン・イェリがそれぞれの位置で家族のために最善を尽くす夫婦に扮し、祖母を演じたユン・ヨジョンは物語の中盤に登場して、ストーリーに活力を吹き込んだ。


名優たちがそれぞれの持ち味を生かしたことに加え、華やかではないが見れば見るほど意味のある背景を映像に収め、世界観にしっかりと入り込める作品に仕上がっている。

 

『ミナリ』のハン・イェリ

『ミナリ』のハン・イェリ(画像出典:『ミナリ』)

 

これまで似たような素材を盛り込んだ作品とは一線を画していると評価されており、なかでもハン・イェリの安定した演技が作品のテーマを際立たせるとともに、男の夢の話では終わらず、人間模様を描くストーリーに落ち着きを添えていると称されている。

 

ハン・イェリの個性と持ち味が最大限に生かされた作品とも称される映画『ミナリ』は、日本にて3月19日より劇場公開予定だ。