ステロイドに関してメモをまとめておく。今年になってから海外旅に関するある文章を書き起こしていてふと思い出したので、軽く整理してみた。少し寝かせていたのだが、TBSドラマ「19番目のカルテ」第1話にCRH負荷検査なんて言葉が出てきたこともあり、この辺りで投稿したい。
(1)商品名
プレドニン、ハイドロコートン、ソルコーテフ、クレイトン、リンデロン等いろいろ。最近は「リンデロン」「フルコート」と称した薬を薬局で販売しており、テレビCMまで流れている。厚生省が医療費削減したい気持ちは分かるけど、ホントに大丈夫なんだろうかと考えてしまう。
<塩野義のプレドニン> ※ネットより
(2)特徴
副腎皮質ホルモン(ステロイド)は副腎から分泌されるホルモンなので、本来それが多く分泌される時間帯(朝8時前後)に服用すると良いとか。
胃が弱い人はプレドニンで胃に穴が開いてしまうので、アルサルミンとか胃薬を一緒に処方される事がある。食後服用するのもそのため。
ある程度の期間に亘って服用して外からホルモン投与を続けていると、副腎が分泌機能を怠けることを覚えてしまいホルモン生成機能が委縮(副腎抑制)してしまう惧れがある。そうした検査をかつて受けたような記憶がある。もう詳細は忘れたが、TBSドラマ「19番目のカルテ」でCRH負荷検査って言葉を聞いたものの、こんな言葉だったのか自信はない。
ステロイドの減量ペースは医師の判断によってかなり差があるのがホント。短期服用であればバッサリ切って構わないと言ってくれる医師もいれば、過去においても、1週間単位に5mgずつ刻んで減量するように話す慎重な医師もいる。個々の病気によって対応が違うので軽率な事は言えないが、馴れていない医者、専門外の医者のほうがゆっくりと減量する傾向にある(と思う)。1日おきに服用するパルス療法も聞くが、こちらは経験なし。
易感染性があり風邪などに感染しやすくなるリスクを指摘される。そのため、かつてステロイド薬を服用しているとプレドニン30mg/日を下回るまで減量しないと、症状が治まっても退院できないと告げられたことがある。
(3)どんな病気で服用するか
これはキリがないので割愛する。ただ、今年になって家族が帯状疱疹で苦しみブロック注射を何度か打った。麻酔薬だけを注射していると思っていたのだが、診療明細書をチラッとチェックするとステロイドがここでも登場していた。
(4)私の使用歴
注射、内服、塗布などいろいろある。1つだけ書いておくと……
かつて痛風で足の親指が腫れ上がって3週間(3ヶ月だったかも)くらいびっこ引いていたことがある。一番キツイ時にはちぎれそうな痛みで、それでも友人との呑み会の約束をしていたので痛みを堪えてビールを呑んだ日もあった。
その時に医師から「だったら親指に注射しましょう」と言われて注射伝票を見たら「ケナコルトA」って書かれていて焦る、焦る。「注射を打つ/打たないで治りにどれくらい差があるのか」訊いてみたら「1日くらいかな」と淡泊な答えだったので事情を話してパスした。
あと、プレドニゾロンを点滴の側管から注入すると、お尻の穴がキュッと締まる感じがしたのを思い出す。あれは一体なんだったのだろうか?
(5)薬効
抗炎症、免疫抑制効果。それはホントだろう。ただ、即効性が得られるかどうかは人それぞれであり、少なくとも私は医師から「遅効性」だと云われたことがある。
(6)副作用
自分の経験でいくつか挙げてみる。特に、20代の頃は副作用を意識したことなど全くなかったが、40代になって同量のプレドニンを20日ほど服用した時に、いろいろな副作用に悩まされて焦ったことがある。若い頃と比べて代謝機能が衰えて血中濃度がスッと下がらなくなったためなのかも知れない。副作用が気にならないと言ったらウソになる。でも、まずは困っている炎症を落ち着かせるしかない、そんな気持ちだった。
【20代のころ】
・骨が溶けた!
病棟で蓄尿していると自分の尿袋だけ底の方に垢みたいなものか溜まっていてモヤモヤ。ある日、不審に思って看護婦さんに訊いてみたら、あっさりと「溶けた骨」だと教えてもらいショック。傷ついた。これが骨粗鬆症のリスクの証左と云う事か。
【以下5点はいずれも40代】
・頭蓋内圧亢進
40代で焦った症状。一番キツかった副作用がコレ。難しい言葉なのでシンプルに書くと、頭の中がパンパンに腫れて爆発しそうな状態。頭の表皮がチリチリ痛んでいた記憶がある。もうどうしようもない辛さだった。減量中にもなかなか症状が改善しなくてとにかく我慢だった。
・不眠
これも20代には全く気にならなかった症状。目がカーッと開いてしまい、夜中ずっと眠気が失せてしまった。最初はステロイドのせいだと気づかず、医師に云われてようやく納得した。睡眠薬レンドルミンを処方されたけど、また薬が増えるのがイヤで服用しないでなんとかやり過ごした。
・感情の起伏が激しくなる
短気になって怒りっぽくなることがあった。詳細は割愛。
・即断即決
これも気持ちに変化があった副作用と言える。気が大きくなった感じとでも言うと正しいかも知れない。常にはなかなか物事を決められない性格だが、服用中にパッパッと何でも即決できてしまう自分に気付いてビックリした。
・TVの音がウルサイ
これも上に挙げた症状あれこれと関係しているものだろう。ステロイド服用中はいつもと同じボリュームでTVを視聴することができなくなった。とにかく耳障りでウルサく感じたのだ。当時のTVをいつも12~14くらいのボリュームで見ていたのだがそれだととても辛くて、8に落とすことでようやく快適にTVを視聴できるようになった。まあ副作用で神経過敏になったと言うことだろう。僅か2週間くらいのことだったけど、自分自身で意識しやすい副作用だった。
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あれこれ書いてみたものの、薬の副作用は個々人によって発現するか異なるし、同じ人でも体調や年齢によって常に発現する訳でもない。なので、自分で気に掛けていくしかない。不調の時には症状だけでなく、副作用についても日次メモを残しておくといいかも。私も40代の頃にメモを作って主治医に訊いてみたが、頭蓋内圧亢進などそのほとんどはステロイドによる症状だった。