ちょっと前の話だが、3月の終わり頃にTBSで「世界ウルルン滞在記」の特番を放送していた。何と10年振りのspecialだと言う。もう徳光さんと相田翔子の顔を毎週拝めなくなってからとっくに10年以上経っていたのかと、時間が過ぎるのがあまりにも早いのに改めてビックリした。

 

朝ドラ「ひよっこ」に製薬会社の御曹司役で出演していた竹内涼真がミャンマーでイルカと一緒に川で漁をしていた。高床式の木造で壁がないむき出しの家に泊まり、ほっぺたに日焼け止めのタナカを塗ってもらい、ミャンマーの民族衣装ロンジー(男性用スカート)を穿いていた。若手俳優が怪しい国に行って慣れない事にchallengeする、ウルルンでよく見た光景だった。重たい投網を投げてもなかなか上手に広がらないし、イルカとtimingが合わなければ川魚も獲れない。でも最終日にようやく追い込み漁が成功してホッとする。

 

この番組は何度見ても引き込まれる。若手のchallengeが常に成功する訳でもなく、失敗する事もある。でも若者が努力するプロセスはそれはそれで訴えるものがあるのだ。最近のTBSだと「クレージー・ジャーニー」がヒットしているけど、ウルルンは誰でも体験できそうな素人感というか卑近な感じが良い。

 

未だ見ぬ国やド田舎に行けるのも羨ましかった。で、それについ感化されてそういう怪しい国に出掛けていたのを想い出した。

 

直接ウルルンに影響されて出掛けたのは、中国の福建省(客家の土楼)とマリ(西アフリカ)だ。客家の円楼はきっと私が訪れたのと同じ処、西アフリカはマリより情報量の少ないブルキナファソだった。いずれも名もなき若手俳優が送り込まれていた。だったら素人の自分だって行けるでしょ、と安易に考えて現地に飛んだ。蔵前仁一の旅行人から「客家土楼」とか言うcompactな案内本が出版されていたのもその少し後だった。ちょっと脱線したけど、この辺の旅の事はまた稿を改めて書いておきたい。

 

番組の後半では、極東ロシアの極寒の地にドラマ「この世界の片隅で」で主演していた頼りなさげな若手女優が訪れていた。彼女も朝ドラ「ひよっこ」で主人公・有村架純がラジオ工場かどこかに勤めていた時の同僚工員として出演していたような気がする。が、ちょうどその辺りでスーッと眠ってしまった……