登頂日: 3/16

装備: アイゼン、ストック、初ピッケル

ルート: 桜平(10:45発)→夏沢鉱泉(11:10着、12:00発)→箕冠山(14:10)→根石岳(14:50)→東天狗岳(15:35)→根石岳山荘(16:35

 

車山高原でスノーシューを愉しんだ翌日は、なんと八ヶ岳で一泊二日の冬山登山教室だった。

と言うのも、冬の天狗岳は2回断念している。何年か前に黒百合ヒュッテからtryしたが中山峠で雪がひどくて撤退した。昨年3月には逆に根石岳から天狗岳に登ろうとしたのだが、根石岳から一旦降りる所で道が判らず撤収したためだ。そんな事を夏沢鉱泉の方と話すと、この教室を紹介された。で、一年振りに同じ南側から東天狗を目指す事となった。

 

桜平まで送迎車に乗り、その途中でシカを目撃。かつて冬の美ヶ原高原に向かう途中で、動けなくなっているシカを見て、小屋の方から「カモシカは雪上を歩けるけどシカの足は細いのでムリ」と聞いていたので大丈夫なものかと心配になった。

<足の細いシカ>

桜平(標高1900m)から歩き始めて、箕冠山(標高2579m)へ登っていく。そこまではいつも通りのアイゼン+ストックだった。箕冠山をちょっと北に歩くと森林限界に出て風が強くなる。ただ去年3月も根石岳には単独行できているし軽い気持ちだった。が、ガイド氏はそこまでfreiendlyな対応だったものの、ちょっと言葉尻が厳しくなった。目出し帽は持参してないの? 帽子もフードも両方必要! 今暑くても森林限界に出るので着る! 確かに、雪山は一歩間違えれば生死に関わるので尤もだ。ピッケルを使うのは初めてだったのでレンタルした。この山頂でストックからピッケルに持ち替えた。

<滝の表面に氷の膜>

<穏やかなシラビソの森>

で、歩き出したのだが、いきなり躓いてしまう。根石岳が見えてさあこれからと言うTimingでコケたのだ。いつも両手のストックに頼りっきりになっているので、体のバランスが上手く保てないのだ。それで焦ってしまう。


しかも、昨年3月より雪が深かった。初めてのピッケルには苦労した。使い方は教えて頂いたものの、なにせストックより短い。滑落しては困るので雪に刺していくのだが、どうしても腰を落とした姿勢になってしまう。で、バランスを崩して足がもつれたり、お尻が痛くなったり。「ふだん大殿筋を使っていないから」ってのが正しいのだろう。

<ピッケル。刺した後が青く見える時もあり>

<根石の向こうに西天狗と東天狗>

冬の根石岳はこれで3回目。初回はスノーシュー、昨年はアイゼン(+ストック)だったが、いつも強風で雪が吹き飛ばされていて土や岩がむき出しになっていた。でも今回は雪に覆われている。しかも雪が降っている。素人には吹雪だったけど、ガイド氏からしたら「風速35mでこんなのはそよ風」って感覚。根石山頂も去年は岩がむき出しだったのに、今回はエビのしっぽが岩にこびり付いていた。

<根石岳peak、標高2603m

※ご参考までに2018.3の根石岳山頂はこんな感じで快晴だった。

<一年前の根石岳peak

寒い、冷たい。登っている時には自然と体が温まってくるのだが、ちょっと休憩すると途端に手の指先が氷のように冷たくなってくる。まあこれはいつもの事だけど、とにかく、もしまかり間違って遭難でもしたら本当にoutなのだ。

 

昨年怖くて降りられなかった地点も、今回はガイド氏の案内とトレースを辿ったお陰で難なく通過できた。ただ、その頃には吹雪で東天狗も西天狗も全く見えず、視界から消えてしまった。だから、本当に今この瞬間の一歩一歩を確実に進むしかない。多分一人だったら今年も撤収していたんだろう。

 

登りは怖さがないので山頂の傍まできた。そこにナイフリッジがあった。積もった雪をガイド氏が崩してくれていたので、そっと通る。そこを渡った所が東天狗岳の山頂なのだ。何も眺望がないけど、確かに夏山で2回ほど登ってきた天狗だった。

<天狗岳peak、標高2640m

下りでは、ガイド氏が雪庇を丁寧に解説してくれる。登りで聞いたらちょっと怖くなったかも知れない。下りだから冷静に写真も撮れる。で、どうにかこの日の小屋・根石岳山荘に到着した。

<看板にも海老のシッポ>

小屋ではガイド氏や小屋番の方(彩雪<氷雪藻>に詳しい)等とゆっくりと酒を呑んで、明日に備えて20:30就寝。

<小屋メシ>