洋画「ファニーゲーム」は1997年5月14日に公開されたオーストリア映画です。
日本公開は2001年10月20日。
上映時間は108分。
カンヌ映画祭上映時、映画監督ヴィム・ヴェンダース、(あの名作「パリ、テキサス」の名監督です。最近では役所広司主演「PERFECT DAYS」でも高い評価を受けています)や批評家、観客の多くが上映が終わる前に席を立ったと言われるいわくつきのサスペンス・スリラー映画です。
しかし、その衝撃からか、洋画「ファニーゲーム」はカンヌ国際映画祭で3冠に輝き、世界的に注目されました。
監督は1942年オーストリア生まれの鬼才ミヒャエル・ハネケ。
(カンヌ国際映画祭に作品が6度出品され、パルム・ドール2回、グランプリ1回、監督賞1回を受賞しています)
映画「ピアニスト 」(2001年)や映画「隠された記憶 」(2005年)などが有名です。
幸せな家族を襲う理不尽な惨劇を描き、ロンドンではビデオの発禁運動まで起こった洋画「ファニーゲーム」のあらすじにまいりましょう。
洋画「ファニーゲーム」あらすじ
ある夏の日のうららかな午後。
ショーバー一家はバカンスを過ごすため、湖の近くの別荘へ、夫のゲオルグ、妻のアナ、息子のショルシ、愛犬のロルフィーと車で向かう。
その途中、隣人でもあるベーリンガーと挨拶をかわすが、なぜかそっけない態度をとられる。
ベーリンガーは白いシャツと白いズボン、白い手袋を身に着けた一風変わった見知らぬ2人組の若い男たちと一緒だった。
別荘に到着し、ゲオルクとショルシは明日のセーリングの準備に、アナは夕食の支度に取りかかる。すると、先ほどの見知らぬ青年の一人がショーバー家を訪れる。
ペーターと名乗るその青年は、「卵を分けてくれないか」とアナに申し出る。
ペータ-は、持たされた卵を何度も割ったり、アナの携帯電話を水の中に落としたりして、アナをイラつかせる。そこへもうひとりの青年、パオルも現れる。
ペーターとパオルの奇妙な言動や行動にアナが家から出ていくように言うと、パオルはゴルフクラブでアナの夫ゲオルグの膝を打ち砕き、ショーバー一家を拘束してしまう。
ペーターとパオルは「明日の朝9時までにあなたたちが生きているか賭けをしよう」と一家に提案する。
一瞬の隙をついて息子ショルシは逃げ出し、隣人のベーリンガーに助けを求めに家に入るが、ベ-リンガー家の人々は、ペーターとパオルにすでに殺されていた。
猟銃を発見したショルシは追って来たパオルに引き金を引く。が、猟銃には弾はなく、ショルシは再び捕らえられる。
家に連れ戻されたショルシは、両親の目の前で猟銃で射殺される…。
映画史上、稀に見る後味に悪い映画と言われた「ファニーゲーム」。
今日はここまでです。
(あとは御覧下さい)
映画「ファニーゲーム」のトラウマ
劇中、ペーターとパオルの質問や答えに惑わされていくゲオルグとアナ。
少年たちは、ただ単に他人の命をもてあそぶゲームを楽しんでいるだけ。
(凄いトラウマになる)
回りに人がいない避暑地の出来事で巻き込まれた”大人たちのあきらめ”が所々、見え隠れするのが筆者のトラウマ。
(いやいや、もっと、もっと戦わないとダメでしょ?大人なんだから)
この映画「ファニーゲーム」は暴力的なシーンが意図的に映されないことや、犯人が映画を鑑賞している観客に、語りかけてくるメタフイクション的な演出なども特徴的です。
(メタフィクションとは登場人物がこれは虚構だと知っていること)
カンヌで不評だった理由はクライマックス直前”最初に子供が殺される”という異常なストーリー展開かもしれません。
(なかなか衝撃的)
この映画「ファニーゲーム」で一番胸糞悪いシーンはペーターとパオルが自分達の過去を出鱈目に語るところ。
(劣悪な環境が”自分のような怪物を作り上げた”という犯罪者後天説へのアンチテーゼかな)
2008年には、ミヒャエル・ハネケ自身がハリウッドリメイクした「ファニーゲーム U.S.A.」が公開されました。
(ストーリーはほぼ、オリジナルと同じです)
(個人的には、ナオミ・ワッツがキレイなので、感情移入しやすいU.S.A.に軍配)
ペーターとパオルの行動や考え方が不気味なこの映画「ファニーゲーム」。
(本当にトラウマ度高し)
この映画「ファニーゲーム」は後味いまひとつだけど、評判は良い作品です。
(トラウマ必死だけど)
お時間あれば。
(心の準備。ここ、大事)