映画「ジャッカルズ」は2017年に公開されたアメリカ映画です。
1980年代に実際に起きた事件を元に作られたスリラー映画という触れ込み。
(残念ながら、元ネタが詳しくわからない)
映画「ジャッカルズ」は、あのソリッドシチュエーションスリラー映画「ソウ」シリーズの編集を長らく手がけてきたケヴィン・グルタート監督の作品です。
(ソリッドシチュエーションスリラー映画とは、登場人物が未知の空間に閉じ込められたり、意図しない状況に立たされ、それをどう打開していくか?を描いた映画のことです。お化けやゾンビが出て来ないのも特長です)
監督のケヴィン・グルタートは映画「ソウ6」で長編映画監督デビュー。
(映画「ソウ6」は長い「ソウ」シリーズの中では、まあまあの出来です。それより、あの佳作スリラー映画「パーフェクト・トラップ」(2012)の編集もケヴィン・グルタートは手がけています。もしかして、凄い人なのかも。
ほら、映画「パーフェクト・トラップ」と言えば、知る人ぞ知る。こちらも佳作スリラー映画「ワナオトコ」(2009)の続編ですよ。何、どちらも見てない?見なさい?見るべき、見ましょう!)
出演は、デビッド・クローネンバーグ監督の映画「クラッシュ」(1996年)のデボラ・カーラ・アンガーが母親キャシー役を。
(セクシーでした)
ウェズリー・スナイプスのバンパイア・アクション映画「ブレイド」のスティーヴン・ドーフがカルト対策専門家ジミー役を演じています。
(ほんとにこの人はいい人に見える)
この映画「ジャッカルズ」は2018年1月に”未体験ゾーンの映画たち2018”の中で、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開されました。
”未体験ゾーンの映画たち2018”は
日本で劇場公開されていない注目作や新作を集めた映画の特集上映です。
映画「ジャッカルズ」の上映時間は86分。
(時間は、スリラー映画としては丁度良しのような気がするはずなのに…長い!)
では、映画「ジャッカルズ」のあらすじをご紹介します。
映画「ジャッカルズ」あらすじ
1983年、アメリカ。
パウエル一家はカルト宗教教団に入信してしまった息子ジャスティンを取り戻すため、母親のキャシー、父親のアンドリュー、そして、ジャスティンの兄のキャンベル、ジャスティンの恋人サマンサの4人で、カルト教団対策の専門家であるジミーを雇い、ジャスティンを教団から強制的に拉致する。
彼らはジャスティンを人里離れた山荘に監禁し、洗脳を解くための治療を開始するものの、ジャスティンは自分の名は”タナトス”と名乗り、家族の度重なる説得にもまったく耳を貸さない。
その夜、動物の仮面を被った狂気のカルト宗教集団“ジャッカルズ”が山荘を包囲。
ジミーはカルト宗教集団”ジャッカルズ"を甘く見ていたことを後悔する。
”ジャッカルズ”はゆっくりと屋内への攻撃を開始する。
パウエル一家は必死に力を合わせて戦うが、カルト宗教集団”ジャッカルズ”に次第に追い詰められていく。
孤立無援の恐怖の夜は更けてゆく。
そして…
”あなたの目撃する史上最悪のバッド・エンド”
が謳い文句のこの映画「ジャッカルズ」です。
さすがに、ここでは結末は申し上げられません。
(強いて言えば、サマンサとジャスティンの間には幼い赤ん坊がいます)
映画「ジャッカルズ」はカルト宗教VSフツーの家族という面白くなりそう図式は成功しているのか?
残念ながら成功していない。
”実際にあった事件を基に”という約束事が実は物語の奥行きを狭めている気がしてならない。
(設定がやや近い2011年公開のスリラー映画「サプライズ」には、遠く及ばない)
カルト集団がよくわからない。
(不気味さを全面に出したつもりなんだろう。ジョン・カーペンター監督のカルト映画「要塞警察」(1976)を意識してるのかもしれないけど)
パパは強いのはいい。
(カルト専門家もっと、がんばれー)
人間の遠吠えはどうなんだ?
(筆者はやや興ざめ)
カルト宗教の狐マスクの女性信者をもう少しフィーチャーしてもいい。
(あるいは、カルト教組)
ブランコ越しの逆光なんか、ワクワクさせられるのに。
なにはともあれ、映画「ジャッカルズ」は色々、細かいところで惜しい。
”痒いところに手が届かない”
そんな映画。
お時間あれば。