【あらすじ】
最終決戦!!「高層マンションに108個の爆弾が!!」白塗り男・久遠が仕掛ける最凶最悪の爆破事件が!
マスコミの注目が集まる中、出頭した久遠(安藤政信)!取り調べをする樋口(唐沢寿明)とひかり(真木よう子)に久遠は人生の秘密を語り出す。明かされるその“物語”とは!?久遠に心酔する片桐(中川大輔)が、久遠の逃亡を手助けし……。やがて久遠が待つ恐怖の舞台へと導かれる樋口たち。最後の悪夢が幕を開ける……!
『感想』
2021夏ドラ最後を飾るボイスⅡ最終話。今クール一番の期待していた作品をどうまとめるのかと思ってみていました。一言でいうと、素晴らしかった!とくに安藤政信さんの演技が圧巻でした‼。
なぜ白塗り野郎が安藤政信さんではなければならなかったのか、それはこんなに複雑な感情を細やかに、そして妖しく演じられる俳優さんはそういないと思う。とくに、樋口班長の言葉にとめどない涙があふれ続けるなか、憑き物が落ちたようなピュアな表情に変わり、それが父親を頼る少年のようでもあり、目が離せませんでした。凄ッ∑(o゚д゚oノ)ノ
前作伊勢谷さんの迫真のサイコモンスターに続く安藤政信さんのサイコモンスター、キャラ作り、服装、ダンス、ストーリー、重なって前作に続き見応えありました。偏差値高いサイコパスの鬱屈したリベンジ。まさにサイコパスの王道。ジャストマッチングの安藤政信さんでした。久遠は、悲しい出生のもと父親を知らずに育ったわけだし、父親が欲しかったのかもしれない。父親の話でつなげたかったのでしょうが、樋口を父親だっていうのは、ちょっと無理があったようなきが(;^_^A…。唐沢寿明さんと安藤政信さんの年齢がもっと離れていたら違和感も少なかったかもしれません。とにもかくにも名優二人だけの究極の2人芝居、この作品のクライマックスを飾るのにふさわしい名場面でした。そして樋口班長も橘室長も通常勤務に戻り、いつものように緊急通報を受けて…、という終わり方。よかったとおもいます♪
それに最後の大樹くんとパパのシーンはもうね涙なしではみられない。最初、パパの話を聞いてる大樹くんの目が死んでて、この場面ここで終るかと思ったら、それで最後はねパパ!ってねしてやられました゚( ゚இ‸இ゚+)゚。
あと最後のボタンを押した女性は捜査一課長が犯人はわからずじまいと言っていたので、続編「ボイスⅢ」があるとしたら、また出てくるかも!?
原作の韓国ドラマは「ボイスⅣ」まであるらしいので、続編の可能性はありますね(筆者の希望的妄想)。あとは唐沢寿明さんの体力次第・・・かな😅
3ヶ月間、土曜の夜にスリルと驚き、そして感動を与えてくれた俳優さん、スタッフのみなさん、ありがとうございました┏〇ペコッ。スペシャルでもいいので、また浜の狂犬と室長、子犬(幽霊)に会わせてくださいませワン🐶!
■総括■
前作カチカチ野郎はいわゆるサディストだが、今回の白塗り野郎は「サイコ(ヒッチコック)」のノーマン・ベイツ的なトラウマ系サイコパス。ただ謎解きとしても面白いが、性善説と性悪説の戦いと言うか、正義と悪とはまた違ったレイヤーでの対比が面白いドラマだった。「人生は選択の繰り返し」。ことあるごとにそう繰り返してきた久遠だが、振り返れば彼は、何かを選択したこと・させたことがあっただろうかと見終わってふと思った。「どうせ人間は○○だ」という先入観で相手の選択を先読みし、心の奥でくすぶる憎しみをコントロールする、それが久遠のやり方だった。最終回でもそうだった。不特定多数の人間に爆弾のキースイッチを送りつける手口も同じ。「誰もが心に憎しみを抱いているはず」「自分だけの罪にならないのであれば、気軽にスイッチを押すはず」、そんな先入観が見える。結果、久遠が想像するより遥かに多くの人間に良心があったわけで、久遠にとって、樋口班長は読めない相手だったと思う。「憎い相手は殺す」という、久遠にとって当たり前の方程式に当てはまらない男。だから試してみたかったのかもしれない。どれだけ強がろうとも、一皮むけば人間はみな同じはずだと・・・。けど極限の状態で樋口班長が語った言葉に、久遠は明らかに動揺し、混乱していた。母親と引き離された、忘れることのできない“あの瞬間”、久遠にかけるべきだったという言葉が、樋口班長から語られる。心がほどけるかのように、久遠の瞳に涙が溢れ、こぼれていく。あのとき、その言葉をかけていたら「久遠京介」は生まれなかったかもしれない、違う未来があったのかもしれない。憎しみに囚われ棒に振った久遠の人生、大切な者を傷付けられ失った樋口の今ーー互いの遅すぎる後悔が交差していた。久遠が“選択”した最期。「俺以外にお前は殺させない」確かな執念の一方で、樋口班長が信じた「母親が注いだ愛情」、それが久遠を突き動かしたのかもしれないとも思う。たが、元はといえば久遠が招いた事態であり、命を投げ出すことは決して美徳ではない。けれど久遠は最期に、投げやりになったのでも、あてつけや計算でもなく、ただそこにいる罪なきものの命を救おうとしたのだと思いたい。久遠が絡んだ一連の事件で、多くの人が傷付き、悲しき犯罪者が生まれた。もう戻らない命もある。悲しみや憎しみは連鎖し、いずれ第2、第3の久遠が生まれるかもしれない。それでも樋口班長らECUは、目の前にいる人々が救いを求めるかぎり、その声が聞こえるかぎり、警察官としてやるべきことを全力でやりぬく。正義とは何か、善悪とは何かに安易な答えを出さない結末にこそ、「ボイス」が投げかけるメッセージを感じた。物語や描写の残虐性に賛否両論あったとは思うがあえてそこに挑んだ唐沢寿明酸をはじめとする俳優さん・脚本家さんたち制作スッタフの覚悟と本気をかんじることができた。
~完~