【あらすじ】
小暮しのぶ」として潜伏すること50年…。突如、国土交通副大臣・宮越肇(大谷亮平)の汚職疑惑の真相を明らかにすると宣言し、宮越が乗った飛行機でハイジャック事件を起こした活動家・大國塔子(桃井かおり)。しかし、塔子が宮越の第一秘書・東修ニ(今井朋彦)のアタッシェケースに忍ばせ、機内に持ち込んだという爆弾を確かめた「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」の取調官・真壁有希子(天海祐希)は、爆弾が偽物だと確信。塔子の身柄を拘束した警視庁が「爆弾は処理中に爆発した」と発表したことに疑念を覚え、本物の爆弾は“汚職の証拠”だったのでは…とにらんでいた。
このハイジャック事件には間違いなく裏がある――。そう考えた有希子は、自ら塔子を取り調べようと奮起。だが、すでに取り調べは公安が担当することになっていた。しかも、警察の上層部が“爆弾”の隠蔽に一枚噛んでいるとするならば、有希子は間違いなく邪魔な目撃者だ。案の定、刑事部長・北斗偉(池田成志)は有希子に辞表を書かせることを交換条件に渋々、キントリによる取り調べを1時間だけ許可したのだが…。
その矢先、本物の小暮しのぶ(円城寺あや)が遺体で見つかった。しかも遺体の傍らには、塔子がハイジャック決行前に切ったおさげ髪の束が…! しのぶ殺害の容疑で塔子の逮捕状を別途請求し、取り調べ時間を延ばそうと画策する有希子。だが、北斗は頑として許可しない。
そんな中、ハイジャック事件で命を落とした東の息子・奨太(石田星空)がキントリを訪れ、父が飛行機に乗る直前に郵送してきたという筆箱を差し出す。中にはなんと、誰も想像すらしなかった“事件の骨組み”を示唆する重要な証拠品が入っていた! しかもこの証拠品、捜査を進展させるどころか、逆に有希子らの頭を混乱させ…!?
だが、時間は待ってはくれない。1時間という、あまりにも短い制限時間内に、“塔子の真の目的”と“事件の全体像”を明らかにすべく、不退転の覚悟で立ち向かっていく有希子。しかし、相手は50年前に7分間の名演説で名を馳せた、口の立つ女だ。当然のごとく、取り調べは壮絶を極め…!
『感想』
桃井かおりさんVS天海祐希さんが圧巻でした。桃井さんの怪演は大迫力でしたね。今回はこのシーンに尽きます。いやぁ、期待を裏切らない展開ずっと集中して見ていられる満足感。役者の立ち位置がハッキリしていて、分かりやすい。桃井かおりさん、長らく日本のトップに君臨している俳優さんだけあって時代に取り残された元テロリストの哀愁を出していらっしゃった‼すごいよぉ(*>д<)/(´ω`◎)ゞ
伝説の演説、無血の7分間で一躍有名になり、たくさんの信奉者がいた大國塔子。しかしそれは過去のこと。頼れる身寄りもなく彼女は孤独。おそらく大國塔子の周りに残ったのは、直接手助けをしてくれていた小暮しのぶ、ただひとりだったのだろう。大國塔子はカリスマだった。政治に牙を剥き、堂々と自説を展開し、人々の心を掴み、信奉者に囲まれた。常に前を向き突き進んできたように見えたが、最も過去にとらわれていたのも彼女だったのかもしれない。最後に残った小暮しのぶという支援者が離れていってしまうと悟ると、我慢ならなかった。気がついたら殺してしまっていた絶望と、ついに本当にひとりになってしまった空虚。「すぐに私もいくから」という言葉に、大國塔子の諦めと無念も感じられた😢
キントリは吉川愛さん等、犯人役が目立つ回ほどおもしろい。そういう意味でもこの1、2話は桜井かおりさんの独壇場だったと思う。取り調べ室での天海祐希さんとの対決は、殺人は認めたものの今後の展開に関わる時限爆弾を残して終えた。桃井さんの完勝と言ってもいい立ち回り、脚本もす面白いが、桃井かおりさんの演技力が飛び抜けていて他の俳優陣を食い散らかす勢いだった♪。
ラストシーンで刑務所内で大國塔子に出された食事。北斗刑事部長が指示して毒入りの食事だったものが、真壁が差し入れしたドーナツと取り替えて(?)、大國塔子は命拾いすることになるのかな(間違っているかもしれないけど)。大臣の「死んでくれればいいのに」という言葉が気になります。さぁ急事案対応取調班解散まで…あと80日。ハイジャック事件の真相を追いながら1話完結的に別の事件を解明していく展開になるようですね・・・たぶんね😅