◆スカーレット【第57話あらすじ】◆『好きという気持ち』

東京で働く直子(桜庭ななみ)から電報が届く。3通に渡る内容は切実なもので、喜美子(戸田恵梨香)や常治(北村一輝)は気が気でない。家族会議の結果、元・居候の草間(佐藤隆太)に頼んで、直子を連れ戻すことに。その後、喜美子は絵付けをしつつも、湧き上がる陶芸への思いを抑えきれない。八郎を訪ねて陶芸を学ばせてほしいと頼み込む。すると意外な答えが。一方、信作(林遣都)の実家が大がかりな改装中。まさかの商売を…

Yahoo!テレビ]より引用)

昭和34年(1959年)--あか〜ん!

イメージ上の直子が叫ぶ。

「直子……」

喜美子は考える。何があかんのや!何があったんや」

それです。はい、ここの会話は、フィクションでよくあった脳内悪魔と天使みたいな、そういうイメージでいけるかもしれません。

 

喜美子は、ジョーが草間さんに頼むと大事になるから、私が言うと提案している。

何かトラブルがあったら、ジョーは咳払いしつつこう言えるんです。

「えろうすんまへん、うちの喜美子があかんことしてしもて。女の浅知恵ちゅうやつですわ」

うまくいけばこうだ。

「俺もこういうときは草間さんや、そう思てたとこですわ」

失敗=女の浅知恵、女が感情論で男の意見を無視してあかんことしてしもた

成功=女の決断を後押しした男は流石や〜!

男は立てられとったんや!そういう人類の真理に迫る本作は優秀・・・なのか😯

幸いにも、草間宗一郎とはすぐに連絡が取れました。

喜美子は大野雑貨店で電話をして、ジェスチャーをする信作に気づかず電話を切ってしまいます。

「ええ〜、草間さんと話したかったぁあ!」

そう駄々をこねる信作を、母の陽子が自分で掛けろとたしなめます。

そして飲み物をやわらかい滋賀のことばで出してくるのです。

「きみちゃん、これ飲んでみぃさ」

喜美子はハキハキと、草間が蒲田まで行くと告げます。陽子は草間さんは昔から優しいと同意。

信作は、柔道は厳しかったと言い、それはあんたが弱かったからと返されるのでした。確かに喜美子と照子の方が強そうではある。

ここで喜美子が口に含んだ飲み物に驚きます。

なんとコーヒーでした。

忠信は大工の棟梁と話をしている。

ドーンとカウンターはここにすると言うと、陽子はこっちだと反論します。玄関は予算の都合上、改装できないようです。

一体どういうことなのか?

喜美子が外に出ると、信作が大野雑貨店を改装してカフェにすると語ります。

駅の近くに大型店ができた。それで商売を圧迫されているのです。

品揃えが違うため、小さな商店への客足は止まってしまった。

そういえば前回、おっちゃんが袋麺を買いに来て、置いていなかったセリフがありましたね。

あのとき、大野夫妻が出かけていたのは改装のことだったのでしょうか。

だからといってカフェは飛躍しすぎ?

信作も困惑しています。

畑違いのことをする。

とはいえ、このへんにおいしい喫茶店はない。目の付け所は悪くないのかも。

信作は滋賀毎報告新聞にもあったと言います。火鉢で潤ってきた信楽は、大きな変革の時を迎えている。そうそう、信作の世代は朝一番に新聞を読まなあかん。それがビジネスマンの嗜みです。

絵付け以外鈍いと言われつつ、喜美子もそれを感じていると同意します。

信作は、お見合い大作戦も信楽を活気付けるためだという方向に持っていくんですね。

 

その夜、絵の練習をしている喜美子に、マツがお礼を言いに来ます。

マツやジョーが行くよりもええ解決法だと感謝しているのです。

喜美子は、草間さんやったら安心できる、直子を任せてくださいと言っていたと伝えます。

ほんまにええ人、頼りになる人や!元はと言えばジョーが闇市で助けたのがキッカケだったんやな……

喜美子は、手が怠けぬように絵を練習しているとマツに説明します。試作品ができたことも嬉しそうに言います。初めてのデザインにマツは喜び、もらえるか、安く買えないのかと聞いてきます。

ここで喜美子は、お父ちゃんが絵付け火鉢なんていらん言うやろと却下します。

ジョー……哀しいなぁ。

ジョーはほんまに哀しい。男の意地と誇りのせいで、荒木荘に電話しても無言、切った後で泣くしかない。マスコットガールの記事も、娘が自ら見せには来ない。娘の火鉢も買えない。

ここで喜美子は切り出します。

朝2時間早く、夕2時間遅く帰って来てもええ?

自分の作品を作る十代田さんから習いたい。

面白そうだし、興味湧いてきた。陶芸を学びたい。修行というか見ていたい。今日もそうしてきた。お願いしてみる。

そう言います。その上で奥深い理由も付け加えます。

 絵付け火鉢がいつまであるかわからん。絵付け以外も学んで考えていこうと思っている。自分の世界を広げたい!

「あかん?」

「あかんことないよ!」

はい、役立つ関西弁の【あかん】用法ですね。

マツはうちで手が掛かるのはお父ちゃんだけと小声で言います。すでに百合子も立派に育ちました。

「身につくまで何年かかるかわからへんし、つくかもわからん」

「感じのええ人!」

喜美子はそう断言するのです。

学ぶことを八郎に聞いたのか? そこはちょっと引っかかりますが……喜美子は変わることを怖がらないし、学び続けることにしたんですね。

あの歳になっても弟子入りする――そんなフカ先生から、変化を恐れない気持ちを受け継いだのです。勉強も大好き。これは幼い頃からそうです。

 

そして翌朝。商品開発室には、セーターを着た八郎がおります。

すっかり秋も深まりましたね。本作は服装や細やかなセリフ、小道具やセットで季節の流れを丁寧に演出します。

八郎は、あのカスから作った人形を見ています。

「これでようやく……」

「生き返った!」

喜美子とのそんな会話を思い出しつつ、顔が緩んできます。

うふふ。微笑みながら手に取って、そっと置くのです。

おっ、それが恋やで、八郎!

ここで戸が開き、その喜美子が来ているのです。

「おはようございます!」

ギョッとする八郎。

嬉しそうじゃない!

なんでや、むしろ困っとる!

喜美子はハキハキと説明します。今日もええですか。今日から毎日見させてもらおうかと思て。図々しいとはわかってる。邪魔せんようにする。

八郎はここでオタオタしてしまう。

「困ります、あきません、あかんのです」

「なんで? なんで?」

「堪忍してください!」

喜美子はこうだ。

「あ、またこんな目してみてきましょうか」

喜美子のギャグは相手へのリラックス効果を狙っているんですね。それでもオタオタしているので、若社長には自分から断ると言うわけです。

「そんなんされたら余計や!」

なにがあかんの? 喜美子はズバリと聞く。

八郎は困惑しつつ返します。

「朝夕、毎日2時間、2人きり。そんなん何て言われるか。周りに知られたら何言われるかわかりませんよ!」

あ、八郎よ。信作から世間の反応を勉強したんやろなぁ。

信作と八郎は初対面で会話が途切れており、どうやって接近したのか気になるところです。

不器用な八郎は、むしろお酒が少し入ったくらいで、一般人レベルになれるのかもしれへんね。そういう酒はよいものです。ジョーは弾けすぎやけども💧

喜美子はここでこうこぼします。がっかり、って。

「いま、がっかり言いましたね!」

「何、怒ってんねん」

「怒っているのはそっちです、がっかりしてんのそっち!」

松下洸平さんの演技がものすごくて、ムッとした顔に見えるのです。

これも難しくて、

 【怒っているようだけれども、自分で自分の感情が把握できなくなっている】

状態だと思います。感情がキャパオーバーしてオロオロする。マスコットガールミッコー記事でもそうなっていました。それで反省はしたけれど、繰り返してしまうと…あちゃ~😅です

喜美子はストレートにぶつけてきました。

信作とはハチと呼び合うのに。いつまでたっても、何回も会うてようさんおしゃべりしてんのに、そうならない。男と女ということ?

八郎は困惑しつつ返します。

「僕にとって川原さんは女や、今までも、これからもずっと! 僕はつきおうてもない人のことを、気軽に名前では呼べません! そういう古臭いところあるんです! 喜美子なんて、呼びとうても呼ばれへん!」

「ほな、つきあったらええやん。喜美子呼んで、付き合ってください」

ピアノが響く中、きみちゃんの豪速球です。

“鳴かぬなら 鳴かせてみせよう 不如帰(ほととぎす)ってわけで、まさかの逆プロポーズに

交際待ったなし!と思いつつ・・次回に続く。