◆スカーレット【第39話あらすじ】◆『弟子にしてください!』 火鉢の絵付けで一人前になるには、数年の修行が必要で、家族の世話や食堂の仕事で忙しい喜美子(戸田恵梨香)にはとても無理だと判明。喜美子がショックを受けて家に帰ると、大阪で世話になったちや子(水野美紀)が出迎える。ちや子は転職して雑誌記者になったと明かし、仕事ぶりをいきいきと話す姿に喜美子はやりたいことを諦めないといけない自分の境遇に涙が溢れる。一方、常治(北村一輝)は喜美子の見合い話を勝手に進めて… (Yahoo!テレビ]より引用) |
昭和31年(1956年)—絵付けへの道を断念し、帰宅した喜美子。そこにいたのは、ちや子でした。
「そろそろ帰ってくる時間いうから待ってたで」
「ちや子さんや!」
「そうやあ、来たでぇ!」
待ってました!
あの別れから満を持して登場です。
ちや子は、マツから近況を聞いたそうで。丸熊で働いているのか?と話を進めます。
その後ろでは、直子は寝転がりながら本を読んでいます。劇中ではまだ中学生だもんね。いや、それにしてもあかんか。百合子はちゃんと座って、お礼を言ったそうです。二人ともお土産に当時の子供雑誌をもらっています。
この態度が、アカン方の妹とエエ方の妹なんだよなぁ。
「直子、座って読んで」
そうたしなめられ、直子はため息をついてから、座って読み始めます。
面白そうなんもろたと言われ微笑む百合子。マツにもお土産がありました。
大久保さんからのお茶だそうです。
喜美子が喜びます。高いお茶かと聞かれて、そりゃうちよりは高いと返します。
いつも淹れていたあのお茶!大久保さんは立派な方ですし、やりくりと味を両立させつつ、ええお茶を選んだんでしょうねえ。
「お〜ほほほほ! このお茶や! いつもいれてた!」
しみじみと味わう喜美子。味による記憶の継承があるんだよなぁ。
どうして美味しいのか?その理由が映像で描かれていると思うんです。やたらとセリフで連呼すればいいというものでもなく、演技と演出で伝わってくる・・・多分ね😝
ここで喜美子、感極まってしまう。百合子が驚きます。
「どうしたん? お茶がどうしたん? 何? お酒入ってんのちゃう?」
「なに言うてんのん」
これも子供らしい無邪気さではあるのですが、ジョーの酔態を目にしている感があってつらい……。
ちや子は仕事で来たから日帰りで、このあと大阪へ戻るそうです。
デイリー大阪を怒りの撤退後、いくつか出版社を訪ね歩き、今は婦人雑誌の雑誌記者になったそうです。
百合子から記者の仕事について聞かれて、こう答えるちや子。
いろいろと調べて、記事を書いたり原稿を書く人。
そう説明したところで、直子はこれや。
「つまらんな」
「直子!」
これもただの強がりだとわかるまで、ちょっとお待ち下さい😅
「今やってんのはな、琵琶湖、わかる?」
直子が海と言い、そうでなくて湖と訂正される。信楽に来る時に寄ったと喜美子が指摘します。直子も覚えていました。
ここでちや子は、内緒だと前置きしつつこう言います。
「琵琶湖に橋が架かる。歩いて渡るあの橋や!」
「そんなん無理や」
直子はボソッと言う。ちや子は返します。
「無理ちゃう、もう決まってる。あっちからこっち、泳がんでもいける。自由に好きに行ける橋! 日本一の湖に日本一の大橋!」
全員興奮し始めます。あの直子すらこうだ。
「渡ってみたい!」
ドキドキする。ワクワクする。それを伝えるのがちや子の仕事なのです。
そのためには、もっときちんと調べて文章にして、皆さんにお伝えする。そういう仕事なのです。
「琵琶湖大橋渡ってみたい!」
ちや子は大橋と聞きつけたとき、編集長にやらしてほしいと頼み込んだのです。
建設から完成までいつになるかわからん。
それでも夢のある話、夢の大橋! うちにやらせてくれ!と。
しかし、女は食べる方の箸にしとけ――そう言われて相手にされない。
それでもちや子はめげない。ぐっとこらえて、頭下げて、やってみたい、やらしてください言うて。必死に思いついたと食いついて。ようやく任せてもらえることになったのです。
これは短いやり取りですが、働く女性の苦難が凝縮されていると思う。
それでもちや子は生き生きとしております。
「楽しいよぉ〜。前おった新聞社は毎日が締め切り、今は自分で時間を決めてじっくり丁寧にできる。何よりやりたいことやらしてもらえる。楽しくてしゃあない!」
そんなちや子を見ていて、思わず喜美子は泣き出してしまうのです。
「うちもやりたかった……やりたかった〜!」
「どないしてん!」
突然泣き出した喜美子。
そうです。彼女もやりたいことを見つけておりました。
「これや思うてん。新しい仕事や、また新しい道や思うてん。絵付けや! 絵付けやりたかった! やりたかった! せやけどあかん。ものになるのに何年もかかる。そんなんあかん。うちには余裕ないねん、時間も金もないねん、あかんあかん! 終わった話や! 済んだ話や! ほやけど、ほやけど〜……!」
マツも、直子も、百合子も、そしてちや子も。泣き出す喜美子を見守るしかない。
お茶を飲み、また泣く。
「このお茶や!」
また泣く。そんな喜美子です。
この号泣がいいと思うんです。関西弁、アルト、泣く理由は恋愛以外。一人静かに涙を流すわけでなくて、号泣する。周囲にいるのも、きっかけとなるのも、男ではなく女。戸田恵梨香さんがアルトかつ、関西弁ネイティブというところも大きい!
「あかん」
「ほやけど」
と、こういう単語あってこその悲しみなんですよね。透き通ったソプラノでなくて、ボーイッシュで強気にもなるアルトだから出せる魅力もあるし。心の奥底から泣いた喜美子に、皆感極まった顔になっています。
このあと家の外で喜美子はちや子に謝ります。
「すみませんでした」
「ううん、大丈夫?」
「すっきりしました」
「ほんま?」
「思うてたこと吐き出せて。ちや子さんのおかげです」
「よう泣いたもんな」
「泣きました、あはははっ!」
「また次会うた時も泣かしたるわ。きみちゃん泣かすくらい頑張るで!」
「うちは次会うたとき、泣かんで済むようがんばります」
「せや、がんばり」
「ほなさいなら」
手を振って別れる二人でした。
そしてこのあと、ナレーションが容赦なさすぎて吹いた。
“そんなことがあったとは何も知らない人が約1名”
そうナレーションでぶった斬られつつ、あいつが出てきます。
「宝田三郎! 米屋三男坊どない? 宝田三郎! 顔見たない? そうそうお米屋さんや。お米屋さんが三男坊婿に来てくれるって。酒! 酒! ほな買うて来い、オゥちゃんに分けてもらえ。ほんなら先に風呂沸かせ! 喜美子ぉ!」
今朝も清々しいまでに泥酔し、双方向性のある会話ができない。そんなダメぶりを見せつけるジョー。、ここずっと酔態しか見せていないのでは😓
ここで直子が立ち上がり、こう言います。
「……うちが沸かす」
「なんや? この間のこれか?」
何も知らないジョーカスは、ちゃぶ台返しのジェスチャーをする。自分の怒りゆえに、直子が反省したと誤解しとる💧。
「そうかそうか。お父ちゃんの気持ちが伝わって反省したんやな」
何も知らないで、自分のあずかり知らないところでの反省や心理ゆえだったと・・・自己満足してしまう。もしも、家庭内でこのドラマを見て、笑っているのはお父ちゃんだけだったら・・・・怖いかも。
喜美子は直子に、こう声を掛けます。
「早く沸かすやりかたあんねん。教えたる。見とき?」
直子は気になって尋ねます。
「絵付けて何? どんな仕事?」
「忘れた。宿題見てるしあとでな。ほんで、そのほつれたるところも直したる」
話をそらしつつ、こうだ。
そうそう、直子は服がほつれておりました。お姉ちゃんはお見通しで、服のほつれまで気がついてる立派なお姉ちゃんです♪。
「ほんでその酒の瓶な、水入れるわ。底の方に三滴ほど残ってる。水入れて薄めたる。酔うてたらわからへん。酒も水も一緒や」
喜美子はそう言い切ります。酒を水で薄める。古典的とはいえ、流石にばれるんちゃう?
「いや、ばれるで」
「ばれへんばれへん」
直子が戸惑うのに、喜美子は水をざぶざぶと酒瓶に入れてしまいます。
「入れすぎやん」
「はははっ大丈夫や。心配するな」
「これでわからんかったらアホや」
「アホや」
姉妹はそう笑い合います。ものすごく微笑ましくて、楽しい場面です。
ただ、これも残酷だと思うよ。百合子も既に父への冷たい目線を身に付けつつある。姉二人は言うまでもない。『父はアホや。そう』言い合ってケラケラ笑いながら、どうやってごまかして騙すか考えている。このおだてつつ、裏ではバカにしているやん😱
丸熊に照子が卒業式からすっとんで来ました。
絵付けはやめるのかと照子から言われて、喜美子は悟り切った顔です。
工房からは、フカ先生の邪魔にならんよう、弟子たちが出てきます。
「なんで?」
照子がそう言うと、口を押さえる弟子たち。
「しーっ!」
「あれか、産みの苦しみいうやつか」
照子はそう言う。この人は出てくるだけで、マイペースでおもろいなぁ♪
やかんをそっと交換してくると言う喜美子に、照子が再び話しかけます。
「あっ、うち、4月から京都の短大や!」
「知ってる」
「女子寮入るねん!」
「知ってる」
なんだ、知ってんの。そっけないなぁ。そうキューンとしていそうな照子に、喜美子は微笑みつつこう言います。
「京都行く前に、もう1回会うか」
照子といるときの貴美子は不思議だ。乙女ゲー宣伝に出てくるイケメンかっ! そう言いたくなるほど、イケメンスマイルにええアルト。照子はそんな喜美子スマイルにきゅんきゅんしております。
これは恋した顔ですわ。喜美子と話している時の照子はほんまに綺麗でかわいい💛
「貴美子がどうしても言うなら、しゃあないなあ!」
「ほなまた」
照子が浮かれる一方。
喜美子は絵付けへの未練を捨て去ろうとしてるみたいで・・・次回に続く。