◆スカーレット【第26話あらすじ】◆『ときめきは甘く苦く』 喜美子(戸田恵梨香)の直談判の結果、圭介(溝端淳平)が恋するあき子(佐津川愛美)が荒木荘を訪ねてくる。突然の再会に舞い上がる圭介。だが喜美子の気持ちは沈むばかり。圭介はあき子に誘われるがまま外食に出かけて、喜美子は二人を見送る。その夜、ほろ酔いで帰宅した圭介を出迎える喜美子。「喜美ちゃんのおかげや」と感謝されるも、やはり素直に喜べない。喜美子は住人のちや子(水野美紀)から「それが恋や」と指摘され… (Yahoo!テレビ]より引用) |
昭和30年(1955年)—「い・が・く・せ・い」効果でしょうか。
ゴンの飼い主・あき子さんが荒木荘に来ました。
喜美子は困惑しています。それでも恋を応援しなくてはなりません。
「きみちゃん、ありがとう! 頑張ってくるわ。ふぅ〜」
圭介、深呼吸をしています。
それから圭介は、あき子とおしゃべり。
作戦成功やろか?
「そらおかしいわ〜、笑てしまいます!」
「笑うシーンやないねんで」
『大阪ここにあり』の話で盛り上がる二人。
「うわあ〜!」と叫びつつ、端っこにチラリと映った雄太郎の話で大盛り上がりです。お、おう!「うわあ〜!」のセリフが役立ってよかったな。
ここで喜美子はこう声をかけます。
「おはぎありますけど……」
「甘いの苦手やねん」
圭介は、もうあき子の好みを聞いておりました。餡子が嫌いなんだとか。
喜美子が、圭介は好きだと言うと、こう来ました。
「おはぎが好っきゃなんて、子供みたい〜!」
「せっかく作ってくれはるから食べてたっていうか」
圭介よぉ〜、しゃあないけどさぁ……。これは見ていてキッツイわな。
まぁ、八方美人になってもしゃあないけどな😟
「きみちゃん、お茶淹れてくれるかな」
「すみません、気がつかんで」
喜美子はそう言うのです。
しかし、あき子はこうだ。
「コーヒーがええけど……。あっ、すみません、わがまま言うて」
おおーっ、ハイカラなお嬢さんや。
和風の花嫁修行をして、綺麗な着物でおめかししていた照子様ともまたちゃうのよ。
喜美子は用意していないと苦笑します。
「ほな外出ます?」
かくしてお二人さんは、外で食事をすることに。
「はじめてお会いしたとは思えまへん、こんなにええ人なんて」
「どこがええかな」
「ハンバーグ、どうです?」
「そやけど、そんなハイカラなもんは……」
「おいしい洋食屋さん知ってますわ」
あき子さんとハイカラ洋食デートや。
圭介は浮かれています。
「きみちゃん、晩ご飯はいらんわ。今晩、晩ご飯いらんわ! 洋食久しぶりやな〜」
ついでに言えば、初デートやね。
「お好き?」
「好きです!」
ふふっと頭を下げる喜美子ですが、その表情はどこか複雑です。
きみちゃんのおかげと抱きつかれて感謝されたとき。
そして見送って。喜美子の胸中はいかに?
それにしても、あき子は完全にロックオンや。
声もいわゆる「黄色い声」ちゅうやっちゃ。喜美子がええアルトだけに、作り込んだソプラノだとわかりやすい。かわいらしいええ子ではあるんですけれども、作っているとはわかる。これも演技と演出でしょう。魅力的ではありますよ。それは確か。
あき子を見ていて思ったんですけれども。十代後半というのは、かつて結婚適齢期でした。
そういう年頃の女の子は、作ってでもケラケラ笑っていた方が、受けがよかったんだろうなって。
圭介不在の荒木荘です。
さだが、ハンバーグのあいまいなレシピを喜美子に教えています。
ちや子はハンバーグを作るなんて唐突だと驚いています。
ハイカラなものを作ると言い切る喜美子です。大久保は、そういうものは作らなかったとか。
ちや子は「お茶漬けや煮物や魚焼いたもんでええ」と返す。さだもハイカラは外で食べると言う。
ここで帰宅した雄太郎は、お茶漬けをもらうと言い出します。
「えらい大層働いてんな〜」
そう言われる雄太郎。
なんでも昼でも夜でも働いているんだってさ。
そんな雄太郎に、さだがあき子の来訪を告げます。あの五文字効果だと盛り上がるのです。
「いがくせい!」
雄太郎も「こうむいん(公務員)」時代は見合いがよく来たそうです。
本作は、登場人物の価値観に「お見合い」がしっかりインストールされている点だと思うのです。
だからこそ、医者や公務員ならば、人柄や容姿以前に見合い話が来る。ジョーやマツのような夫妻は、見合い以外だとわかるわけです。
それが当たり前なので、駄作にありがちなことにはならない・・・かな😅
荒木荘の面々が盛り上がるのは、金持ちのお嬢様と医学生ならば、釣り合いが取れているという安心感もあるのでしょう。
「圭ちゃん、よかったな」
「ご飯食べに行ったらしいで」
「圭ちゃん、堅いところあるからな。色恋も必要」
せやな。エロエロをこじらせて、悪い遊びをするよりも健全……いや、なんでもありません。
「きみちゃん、漬もんええで」
雄太郎がそう声を掛けますが、喜美子はぼんやりとしています。
ここで三人、何か察知します。
これはあかん――。セリフではなく、三人が顔で「これはあかん」と語っているのが最高です
「テッテテテッテ〜♪」
そう歌い踊り、家路を歩く圭介。
内職のハタキを作る喜美子。圭介は荒木荘に戻ってきます。
玄関で喜美子が出迎えます。
「飲んで来はったんですか」
「ちょっとだけや。正月ぶりやこんなん」
少しどころか、結構飲んだようです。
テッテテテッテ♪
そうダンスホールで踊ってきたそうです。ディスコやない、ダンスホールや。
『カーネーション』でも、糸子はダンスホールのドレスのために奮闘しておりました。ああいうプロではなくて、デートコースですね。
「きみちゃんのおかげや! かわいい妹、おやすみぃ〜。テッテテテッテ♪」
圭介があかん男すぎて、いい。圭介は、昭和の、大阪のおっちゃんになりつつあって、これもすごいことになってきた。
北村一輝さんのジョー不在の荒木荘。
雄太郎はわかるにせよ、圭介までおっちゃん成分を補うとは、参りましたわ。
ここで、その雄太郎です。
「郵便な、郵便な。届かへんよな、こんな時間に。ふーん。きみちゃんもうやすみぃ、もう寝よ。寝よ!」
そうふらり〜とやって来るのです。気になるんやな。
喜美子はここで、郵便受けにある「酒田圭介」の文字を見てしまう。
「お電話よ。お電話が鳴ったような気がしたんやけど、気のせいやなぁ〜」
今度はさだ。
大丈夫かと聞かれて喜美子は、圭介さんなら帰ってきたと説明します。少し、いやだいぶ酔っていたと説明します。
「きみちゃんや! 明日はな、もうゆっくりでええからな、なんなら休んでもいいわ。なあ、もう寝え」
郵便も電話も、嘘やん。嘘をついてまで喜美子を心配する。そんな荒木荘のおもろい人々です😁
そしてちや子の登場です。
「大丈夫?」
「何がです? 皆さんうちのこと……なんでです?」
「いつもと様子が違うから……きみちゃん、わからへんの? 自分の気持ち、えっ、ほんまにわからへんの!」
「恋? うちが圭介さんに、恋?」
姉のようなちや子に問いかけられ、喜美子は戸惑います。
ここで二人は、喜美子の部屋に行き、喜美子はつぶやきます。
「ほな、この胸がズキズキ痛むんは……」
「痛むんか」
「気持ちが沈んでしまうんは……」
「沈むんか」
いちいち突っ込むちや子に、鬱陶しいと思う人もいることでしょう。
これが関西やと思う。そういう真髄があると思う・・・多分😝
喜美子は本音を言います。
おはぎない、コーヒーない。そう言うあき子を、草間流柔道で投げ飛ばしたるどー! そう一瞬思ったって。
うーん、けどええわ。ヒロインの初恋はうれしはずかし、胸がキューン。そういうかわいいイメージを「とやあ〜」でぶっ飛ばすと。
きみちゃんは、幼少期から強かった。信楽でも悪ガキを、ホウキによる凶器攻撃で撃退しましたからね。
無力どころか、武力なヒロイン。ええんちゃう、最高ちゃう。
「なんでこんないけずなこと、思うてしまうんやろ。なんでやうち……」
圭介を見て、内心はこれですからね。
「何浮かれてんねや、このポンコツ!」
ポンコツ、て……。
「せやけど、笑ってる顔見たらよかったやんて思えた。圭介さんが喜んでると、うちうれしい」
「恋や。きみちゃん、それは恋や」
「腹立ったり、喜んだり、今までもない気持ちも。悲しくもなります、寂しい気持ちにもなる。何や気持ちが忙しい。おもろいな……恋ちゅうのはおもろいなあ」
「おもろいか」
「おもろい、おもろいなぁ」
いけずになったり、ポンコツだと思ったり。武力は高いけれども、かわいらしい恋。
気持ちが忙しくなって、それがおもろい。そういう様々なものへの愛が、緋色に燃え上がるのでしょう。喜美子♥圭一の展開がどうなるのかと思いつつ次回に続く。