【第149話あらすじ】「なつよ、千遥よ、咲太郎よ(149)」 千遥(清原果耶)からお店を辞めたいと聞いたなつ(広瀬すず)と咲太郎(岡田将生)は、千遥の働く料理屋「杉の子」に向かう。店には、すでに千遥と、千遥の育った置き屋の女将・なほ子(原日出子)が来ていた。そして扉が開き「杉の子」女将の雅子(浅茅陽子)と、千遥の旦那である清二(渡辺大)が入ってくる。一同、向き合う中、千遥は自分の思いをポツリポツリと語り出す。そして、なつは…。 (Yahoo!テレビより引用) |
昭和49年(1974年)――東京は秋でも、十勝はすっかり冬。そんな柴田家では電話が鳴ります。
「はい、はい、はい、はい……」
そう言いながら電話を取る、すっかり昭和のおじいちゃんになっている剛男。背景にはやかんを置いたストーブ。これぞ北海道の冬だべした。
「おお、なつ! 元気かい?」
そんな通話から始まります。なつは千遥のことを話し始めました。柴田家でも、なつと明美経由でその情報は伝わっております。
そのころ、柴田家の女性陣は農場アイスクリームの作戦会議中。
ミルク、いちごミルク、あずきミルク……と、色々ノートに書きつけてあります。
富士子と砂良は、実家に戻っている夕見子に聞きます。
「雪月でも、あずきミルクはあるんでしょ?」
「そこは企業秘密です」
これでこそ夕見子。実家の頼みだろうと、雪月を守ってこそ策士ですからね
そこへ剛男がやってきます。夕見子もいるのかとちょっと意外そう。ここで剛男は、千遥の離婚について語り始めます。これは見逃せないと東京へ向かおうとする剛男。しかし、富士子は容赦がなかった……。
「ハァ? あんたが行ってどうなるのさ?」
この富士子の顔もなかなか強烈です。しかし、剛男は負けられません。
「俺には責任がある!」
おう、剛男さん。いい人なんです。愛もあれば、責任感もある。
そう言われたら富士子も「飛行機代がもったいないしょ!」と止めるわけでもない。
飛行機が飛ぶ音が入りますΣ(゚Д゚;エーッ
そしてなつと咲太郎は、千遥話し合いの席へ。
場所は「杉の子」です。千遥の横には、光山なほ子もおります。なほ子は二人に、複雑な心境を秘めつつ接してきます。
千遥を一方的に養女してしまった。でも、なつも咲太郎もそれを責めません。むしろお礼を言います。
「私を恨んでないんですか?」
なほ子が気になることは、千遥の結婚時に縁切りさせてしまったことです。
それでもなつと咲太郎は、千遥のためを思ってのことだからと理解しています。
「私たちが、一番よくわかります」
戦災孤児の境遇だからこそ、そこは理解しています。やむを得ない嘘を責めることはありません。
それでも、なほ子はしっかり者ですからね。離婚を聞いて、責任を感じています。
「全ては私の嘘……」
「お義母さんのせいじゃない」
そう、なほ子と千遥は言い合うわけですが。
この【全ては私の嘘】って、どこからどこまででしょう?
千遥の出自を語らなかったこと?それとも、清二の愛は嘘だと思いつつも、黙認して縁談を進めたこと?そこは気になります。
そこへ、ガラリと戸を開けて雅子と清二がやって来ました。
雅子の背中に隠れるような、どこか無責任そうな――清二は出てきた瞬間からゲスっぽさを漂わせております。
「千遥さん、これは一体どういうことなんです!」
そんな情けない二男よりも、手強そうなのが雅子。
千遥はそんな義母に圧倒されつつ、生い立ちをぽつぽつと語ります。
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父は戦死。
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母は空襲で死亡。
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家を焼き出され、三人きょうだいで生きていくしかなかった。
戦後まもなくは、上野の地下道に暮らしていた。そんな境遇です。
ここで雅子はこう来ました。
そしてなほ子を咎める目になります。
「浮浪児だったの、あなた!」
迫真の演技で、ほんとうにつらいものがある。なつも北海道の学校で、野良犬扱いをされていましたっけ。
そのあと孤児院に送られて、最年少の5歳だけになんとか連絡できる親戚に引き取られたものの、6歳になって家出してしまった。
としは、千遥にきつく当たっていました。千遥にばかりきつい仕事を押し付け、実の子である幸子とその兄よりも、粗末で少ない食事ばかりを与えていたのです。
千遥は、そんな差別と虐待に耐えかねて、逃げたのではないか。幸子は暗い顔でそう告げます。
「家出……」
そう言う雅子が怖いってば
そういう根性なしなのか――そんな目線すら感じると言いますか。
その家出で、見ず知らずの復員兵が保護して、置屋に売ったと。
なほ子は、育てているうちに千遥がかわいらしくなってしまい、養女にしたのです。
あの頃は、そういうことはたくさんあったのだと。
「つまりそういうことを隠して、うちの嫁になったということですね」
そう詰め寄る雅子。ここでやっと清二がこう言います。
「そんなことどうでもいいだろ」
雅子は知っていたと言うわけです。雅子は知略がかなりのもの。人脈もある。芸者の身元なんてすぐに洗い出せた。置屋に売られたわけありであるくらい、当然知っていたわけです。そこを、隠してどうすると突っ込むわけです。
雅子はすんなりと認めます。自分は反対した。けれども、清二が惚れている。それに、夫・春雄がそんなことは気にするなと一喝したそうです。
彼は千遥を一番可愛がっていました。清二ではないのです。
そんな義父を亡くして、別れる決意をしたのならば、無理もない。雅子にたしなめられつつ、そうサバサバと言い切る清二。だからといって、別にいい奴だとは思いません。
「よく決意したな」
そう語る清二。おい! おいおい、なんだこの無責任男は!
こいつは次の女に移行したいけれども、千遥にそう告げて、自分が悪人として非難されるのが嫌なんですよ。むしろ、あっちからいなくなるならばラッキー!
そういうゲスオーラが出ています。
こんなに短い出番なのに、ありのままにゲスっぷりを見せる清二がすごい。今だって、早く好きな女のところに行きたいな〜と思っていそうで。演技も、その指導も、ハイレベルな本作です…多分ね
「そんなのただの無責任じゃない!」
ここで怒りを隠さなかったのがなつです。
いいぞ、なつ、流石、よく言ってくれた!
咲太郎はたしなめます。彼はなんだかんだで人柄が丸くて、明るくて、営業向きなんでしょうね。雅子は、清二が使い物にならないためか、次の策を出してきます。
「千遥さんは、この店を潰していいんですか」
次は、春雄への罪悪感を使うらしい。
「すみません。養育費もいりません。千夏といられたらいいんです」
千遥は、そんなささやかな望みだけを言う。
でも、雅子相手にそれは通じるかどうか?
「そうはいきません。千夏はかわいい孫。それにどうやって育てていくつもり?」
千遥はすぐに仕事を探すと引き下がり、なつが援軍を出します。
私たち家族がいるって。だからこそ、千遥も決意できたんでしょうね。
だからどうか、千夏を奪わないで欲しい。そう訴えるのです。
「千夏は、ちゃんと育てます!」
ここで、咲太郎も援軍に出動します。
戦死した三きょうだいの父は料理人だった。
浅草の料亭で修行をしていて、そこで女中をしている母と出会い、結ばれたのだと。
ここで、雅子が動揺を見せます。
「ちょっと待って、その浅草の料亭の名前って……!」
なんと、亡夫・春雄も浅草の料亭で修行していたと言います。
「そのころから、あなたとうちの人は、縁があったのかもしれない……」
雅子の態度が変わり始めました。
「あなたたちの気持ちは、よくわかりました。夫婦仲はこちらが悪いことも認めます」
雅子はそう言い切り、清二の気持ちを確認します。
ここは母に逆らえない、そんな清二です。
「千遥さん、思い違いをしていません? あの店は、あなたがいないとやっていけない」
この店の味は、あの人――つまりは春雄が見込んだ料理人である、そんな千遥でなければ出せないもの。この店を続けたい。そんな雅子は、離婚してもこの店を続けて欲しいと千遥に言い切るのです。
「どんな形にせよ、この店はあなたがここで受け継いで。千夏もここがいい」
「いいんですか?」
「引き受けてもらえる?」
雅子はそう千遥に頼み込むのです。
「さすが母さんだ!」
ここで、やっと清二がそう言うのです。
「お前が言うな!」
「そうですね」
そこは雅子が、突っ込みます。
「あー、これですっきりしたわね!」
雅子は気分晴れ晴れといったところです。
皆も、そうなのでした。
一件落着のあと、千遥はこうお礼を言います。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、本当にありがとう」
「よかったね、千遥。千遥はほんとうに、親方に愛されていたんだよ」
なつがしみじみとそう言う横で、咲太郎の推理タイムです。
「その親方とうちの親は、きっと同じ料亭で修行していたんだ! 絶対にそうだよ!」
まぁ、なつも千遥も受け流していますが、これは答えは出ないと思うんですよね。
さて、そのころ。剛男が、全てが決着したあとでいそいそとやってきています。
そんな剛男は、ある少女を見かけます。
「あれ、千夏ちゃん? やっぱり千夏ちゃんか!」
『やっぱり柴田君、心配で来てくれたんだね――』
父ナレが語るなか・・・次回に続く。