【第121話あらすじ】「なつよ、新しい命を迎えよ(121)」 なつ(広瀬すず)は、妊娠したことを報告するため風車プロダクションを訪れる。咲太郎(岡田将生)や光子(比嘉愛未)、蘭子(鈴木杏樹)達はなつの妊娠を喜ぶ。そして、なつは電話で十勝の柴田家にも報告し、富士子(松嶋菜々子)に嬉しさの反面、初めて母となる不安を漏らす。数か月後、テレビ漫画づくりの激務の中、なつのお腹はどんどん大きくなっていた。そんななつの所へあの人が帰ってきて…。 (Yahoo!テレビより引用) |
昭和42年(1967)年――母さんは、がんばるぞ。そう誓い、なつは風車プロダクションへ。
そこには、髪型を変えてスーツ姿になった、光子が机に向かっておりました。皆さんは出払っているそうです。光子に妊娠を告げると、クールに受け流そうとしてそうできず、喜び始めます。
この妊娠への反応が、それぞれの性格の違いが見えてなかなかおもしろい。変顔絶叫はいらんからね。なつは、来年5月から6月にかけて生まれると言います。
「コーヒー飲む? 飲んでいいのかしら? ジュースならいいわよね!」
光子の、こういう気遣いもいいですね。
カフェインは摂取上限がありますから。レッドブル系は絶対にダメですよ。
光子は、咲太郎もきっと喜ぶと言います。
夫の呼び方は、咲ちゃんか。いいですねぇ。光子が年上ということはあるのでしょう。
北海道に知らせたか?と問われ、なつは会社の待遇を決めてからだと言います。そういう意識が彼女にはあると。
仕事が続けられることになったから、みんなにやっと知らせることができる。
なつはそう言い切ります。
ここで、ドヤドヤと咲太郎一行が帰ってきます。咲太郎は結婚後もルパンスーツだ。そこは変わらない。
蘭子はちょっと落ち着いた格好になっており、松井と島貫の芸人コンビもおります。
しかも酒瓶持参ときた。
「なっちゃんも飲もうぜ〜」
そう誘われ、笑顔で断るなつ。
旦那を気にしてんのか?と言われますが、そうではないとピシャリ。仕事かと誤解する松井です。
こういう会話も細かいのです。
なつの年代の女性ならば、外で飲酒は夫の目を気にしてできなくてもおかしくはありません。
当然、妊婦はダメだもんね。
咲太郎は、関東プロダクションの新作アニメ『バケモノくん』に自分の声優四人を起用させたと胸を張っています。
※モデルは『怪物くん』かな?
そろそろ、このアニメも始まるんでしょうね。
ここで、一気にお前のところのテレビ漫画も頑張れと畳み掛ける咲太郎に、なつは妊娠を告げます。 光子は、それを言いたくて待っていたと微笑みます。
「えっ子供? 子供ってほんとうか? ほんとうに生まれてくるのか? そうか、できたか! やったな、やったな、なつ!」
「おめでとう!」
プロダクション事務所内が、おめでたいムードに包まれます。
妊娠は、ドラマの定番ではあります。
こんなにあたたかい場面は久々に見たような気がする。
それは周囲のおかげもあるんだろうな。
カフェインを避ける光子。
イッキュウさんが働いていないと知りつつも、そこを突っ込んで不安にさせない周囲。
無責任な妊娠だなんて、誰も言わないのです。
そういうことが、大事なんだと思いました。
なつはここで、北海道に電話します。
「母さん……」
「どうしたの、なつ?」
「どうしよう。今すごく、母さんに会いたい……少し怖いんだけど、私も母さんになるの」
「えっ、なつ!」
富士子はここで、感極まった顔で受話器を握りしめます。
この顔がほんとうに素晴らしくて、朝ドラアベンジャーズとして、納得の演技がそこにはあります。
そしてやっと、なつはイッキュウさんとの食卓へ。
イッキュウさんは、義母さんのそばにいられたら安心だろうと気遣います。そういう気遣いはできる。
なつは、北海道は遠いし、ここで頑張るしかないと言い切ります。
これも不思議といえば、そうですよね。妊婦の母親が、出産を手伝うことが当然とされていますが、そうできない状況だってあるでしょうに。ナゼ、そういうことをふまえずに暗黙の了解とされているのだろう。なつには養母がおりますが、彼女以外の戦災孤児には母親がいないほうが当然です。
なつはここで、作監(=作画監督)を頼まれたと言います。
「子育てしながら、やらなくちゃいけなくなったってこと?」
「私がやりたいの!」
「うん、なら仕方ないじゃないか、やるしかないだろ」
「いいの?」
「僕が働けといったんだ。家で子育てするのは、女だけじゃない。二人で子育てしよう」
イッキュウさんはきっぱりとそう言い切ります。
仕事より子育てを大事にしろとは言わない。
そういうところが彼にはある。
現実を軽く超えそうな、そんなキャラクター像ではあります。
モデルの像も実はこの点で超えちゃっていると。神っちの場合も、そうか。
数ヶ月後――。なつはすっかりお腹が大きくなっています。荒井の席に作画を持っていくと、彼は動かんでいいと気遣います。
なつは、むしろじっとしている方がよくないって。
このへんもよく考えています。
お腹を蹴ってくる。蹴られると急かされているみたいとなつは言います。
荒井も、こう来ました。
「ハハッ、ええ子やな」
あの派手でなんか怖い荒井が、ニッコニコ!
妊婦が職場にいることのメリットを感じた気がします。私も荒井みたいなことを、職場で言いたいなぁ~
妊婦なり赤ん坊を遠ざけると、社会はギスギスするし、思いやりもあたたかみもなくなると思うんだな。これは女性だけの問題ではなくて、社会そのものの問題でしょう。
なつが休憩をしていると、下山がやって来ます。
彼は長編映画が終わって、ほっとしているところ。なつは、映画は終わりが見えていいと言います。
「なっちゃんも、終わり見えてきた?」
下山はそう妊娠のことを言います。
「終わりじゃなくて、始まりです」
なつはきっぱりそう否定します。
結婚や出産がハッピーエンドというストーリーはありますが、確かにスタートですよね。なつは、茜と明子が元気かどうか尋ねるのでした。
ここで、下山はこう切り出します。
「なっちゃんは知ってる? あの人が戻って来ていることを」
あの人……あの人か。
そう、マコさんですよ!
帰宅したなつは、イッキュウさんに報告しています。
「えっ、マコさんが? 日本に?」
「アニメに!」
ドドドドドド……この気配は。
チャイムが鳴って、ガラリと戸が開きます。
【ジャーン、ジャーン、ジャーン!】
「お久しぶり」
げーっ、マコさん!
話してたところにやって来る。😲
「ほんとうにマコさん? 教えてくださいよー」
なつの反応がいいなぁ。
確かにマコは唐突だ。電話もしない、ハガキもない、人づてに連絡するわけでもない。順番がちょっとおかしい。夕見子と近いところがあるもんね。
マコは本物だと言い切り、なつは変わっていない、変わらないと安堵しています。
マコって、愛想笑いをニコニコするわけでもないし、むすっとしていることの方が多い気がするし、声もいつもハスキーなんですよね。
なつは、イッキュウさんとちょうど話していたと言います。このあと、イッキュウさんの食事をマコが味わう流れに。作るお煮しめが実は美味しい、そんなマコさん。頬張って、納得しております。
「おいしい!」
あの不器用なイッキュウさんなのに、この味とは! そう驚いています。
イッキュウさんはそういう人なんだ。
不器用だけれど、時間と手間をかけると美味しくできる。指は切るけど。
マコは味わいながら、漫画映画と同じだと言い切ります。
「漫画映画では切るのが指ではなくて、自分の首だったけど……」
「ははっ、あはははは!」
イッキュウさんはこうだし。ある意味納得するけどさぁ。
ここでマコは、『神をつかんだ少年クリフ』に感動したとしみじみと言います。
ひねくれているようで、相手の才能や芸術性は素直に認めるのがマコさん。
「またやりたいと思った……」
「えっ、うれしい!」
なつとイッキュウさんもここで大喜び。
そして彼女は単刀直入に切り出します。
「それでイッキュウさんを誘いに来た! またアニメを作る気ない?」
来たぞ、なんだかすごいことが来た!
カラスをデモのようにしろと言われ、イライラしていたあのマコさんが、満を持してイッキュウさんを誘いに来たぞ。
『なつよ、この再会が波乱を呼ぶことになりそうだ――。』
父ナレがそう告げる中、次回へ!