【第118話あらすじ】「なつよ、笑って母になれ(118)」 風車でなつ(広瀬すず)の誕生日と、咲太郎(岡田将生)と光子(比嘉愛未)の結婚を祝う会が行われた。茂木社長(リリー・フランキー)やカスミ(戸田恵子)たち常連客が大勢集まった。そこで亜矢美(山口智子)は新しい店のことを話す。咲太郎は新しい店のことは自分と光子に任せて欲しいと申し出る。それを聞いた亜矢美はある想(おも)いを口にする。その数日後、風車を訪れたなつと咲太郎は…。 (Yahoo!テレビより引用) |
昭和42年(1967)年――戦争は遠くなりつつある、そんな8月15日。
あの夏、戦災孤児だったなつ。彼女は、30歳で新婚生活を送っています。
あの夏、いちばんきれいだったときが戦争だった光子。そんな彼女は、40歳で結婚間近。
あの夏、心の底から愛した相手が戦死していた亜矢美。そんな彼女は、50歳で母親としての人生を終えようとしている。
三人のヒロインが、新しい時代を迎えようとしています。
茂木社長はしみじみとしています。
「なっちゃんがもう30で人妻か〜。そりゃ新宿も変わるわな〜」
ここで、イッキュウさんがガラガラとひっくり返しています。こいつはそういう奴なので、温かい目で見守りましょう。( ゚Д゚ )アラマッ
亜矢美の立ち退きについて、藤正親分は感慨深いものがあるようです。
婚約者が戦死した、花の踊り子。見かねた亜矢美に店を紹介したのは親分でした。
彼にはもう、新しい店を紹介することはできないのだとか。
世代交代ですねぇ。
茂木がゴールデン街を紹介すると言うと、咲太郎は慌てます。光子ら周囲も、咲太郎の気持ちを考えて欲しいと訴えるのです。
咲太郎が怒るというのも面白いんだな。理由が見えてきたぞ。
ゴールデン街が、闇市の跡地だったというのも確かではあるんですけど、この界隈にはもうひとつ、裏の顔がありました。
【青線地帯=非合法売春地帯】です。
咲太郎となつが再会した浅草は【赤線=合法売春地帯】だからまだマシ。
千遥は一流の芸者女将の養女ですので、ランクはさらに上ですね。
千遥=芸者:身売りはしない
咲太郎=花魁その他もろもろの浅草:一応は合法売春地帯
亜矢美=夜鷹……かあちゃーーーーーん! そっちには行くなーーーーーッ!
こうなるんですね😞
なので、俺と光子が用意する!と鼻息荒くなるのは当然っちゃそうなんです。
人間は、過去はわかっても未来はそういうわけにはいかんからね。
屈辱の極みってことでもある。
「それじゃ気兼ねなく……でも断るよ。ゴールデン街で十分! 咲太郎、いい加減大人になりなよ!」
そういうものだ、もともと母親でもないし、とサバサバと言い切る亜矢美。
するとカスミが「言い過ぎだ」とたしなめます。
ここで光子が髪の毛につけている白い花が、とても清楚で、アイクリスクて、まさにプリンセスなんだな。エリーザベトの髪飾りみたいで、比嘉愛未さんにぴったり。光子という名前にもあっていて、輝くように美しい!
「まだなにも、返していない……」
咲太郎は苦しそうにそう絞り出します。
「十分してもらったよ。どこだって住める」
亜矢美はさらりと言います
ここでなつも、こう言い出します。
「一緒に住みましょう!10年お世話になりました、柴田家と同じです。大事な家族です! 落ち着くまででいいから!」
「ありがとう。全く、あんたたちきょうだいってのは、なんでこんなに優しいの」
なつもすごいですが、イッキュウさんも実はすごいんですよね。新婚家庭に、血縁でもない亜矢美を同居させると妻が言い出しても、それもそうだと納得している。なかなかできることじゃないっしょ。
「いい加減もう、私を解放してくださいよ! 私は本当に大丈夫だからね!」
そう強がる亜矢美に、カスミが助け舟を出します。
「ゴールデン街の亜矢美でいい。みんな入り浸るよ!」
そうだそうだ、そうだそうだ!
と、新宿の仲間たちが同意しております。まぁ、一人だけ、ちょっと何か変な人がいますけどね。
「俺が一番似合う……」
ドヤァ、のドヤ顔、茂木社長!
雪次郎の下宿の時もそういうパターンがありますが、引っ越し先を紹介する相手は住所を把握できるってことですよ。
「亜矢美の好きにしろ。俺たちのムーランルージュだ」
最後は藤正親分がきれいにまとめました。
やっぱりここは親分ですね!
亜矢美はしみじみと振り返ります。
「今までやってこれたのも、咲太郎となっちゃんのおかげ。だって本当に楽しかったから!」
気持ちはわかりますよ。なっちゃんという最高のアバターで、リアル着せ替えゲームしてましたもんね🤣
「こっからまた始まるんだ! 私の人生を始めさせてもらうよッ!」
「よっ、がんばれ、亜矢美!」
そう歓声を送られるのです。確かに楽しくなりそう。
行く先はゴールデン街だしね。彼女の人生が楽しみです
そして朝――なつが風車に走ってきます。そこにいたのは、カウンターでうなだれる咲太郎です。
亜矢美は引っ越しちまった。
亜矢美は、咲太郎にも行き先を告げずに消えてしまった……。
ハートと宝を盗んでいくルパンから、まんまと両方を盗む女・峰不二子。
本当にそういう逃げ方をしたーッ!
カスミが奥から出てきました。 彼女にも、どこに行ったのかわからないとのこと。
「勝手すぎる、ひどすぎるだろ!」
何もできない。そう項垂うなだれる咲太郎。 本作随一の問題児がそう言うと、かえって刺さりますよね。😢
ここでカスミがしみじみと言います。心の底から光子との結婚を祝いたいからこそ、こういうことをするんだって。光子さんに嫉妬する姿を見られたくないって。
亜矢美は咲太郎への気持ちを、押し殺して母親を演じてきた。
雪次郎の推察をカスミが裏付けています。
「なっちゃん。俺、気がついたんだけど。なっちゃんも気がついているかもしれないけど。亜矢美さんは咲太郎が好きなんじゃないかな?」
「亜矢美ちゃんだって、弱い女なんだから……ずっと前から、亜矢美はそう思っていた」
そうしみじみと語ります。
『弱き者よ汝の名は女なり』
なんて名言がありますが、あの弱さとは本来、頭でも筋力でも意思でもなく、恋愛の前では弱みが出るって意味ですね。
んで、言うシチュエーションにせよ、こじらせ息子が、再婚した母親を愚痴っているわけです。
あれだけタフな亜矢美でも、愛には弱いってことよ……かぶき者でも、そこは弱いのよ。
カスミは続けます。
「なっちゃんが来て、亜矢美は救われた。本当の家族になれたと思って……だから楽しかった。その気持ちは嘘じゃない」
そうだ。血縁関係は偽りだろうと、気持ちは本物なんだ。
「咲ちゃん、あんたは本当に、亜矢美ちゃんと親子なんだ。純粋でいたいから、亜矢美は去った……」
ここで、亜矢美が最後に聞いていたレコードをかけられます。
『鐘の鳴る丘』でした。
正式名称は『とんがり帽子』。
咲太郎と亜矢美にとって、本物の親子になった思い出の曲です。
「母ちゃん……」
「なんだい、咲太郎」
咲太郎はすすり泣きます。
ここでなつが、置き去りにされた封筒に気がつきます。
中には、咲太郎の描いた家族の絵。
そして短い手紙でした。
「頑張れよ、咲太郎!」
そのころ、亜矢美はどこかへ向かう電車の中で、満足そうな顔を見せているのでした。
父なれがこう締めくくります。
『なつよ、咲太郎よ。亜矢美さんはまだまだこれからだ。
ありがとう、亜矢美さん。またいつの日か、亜矢美さん――。』
亜矢美さん。本当に峰不二子みたいな去り方をしおったΣ(゚Д゚;エーッ!
オシャレして、バッチリ決めて、泣かずに手紙を残して、颯爽と去りおった。
カッコよすぎるだろ〜!!
愛を純粋にしたいから。だから立ち去る。嫉妬はいらない。
これもなかなか深いっちゃそうですよね。
で、ちょっとおもしろいことに気がついちゃったんですけど。
ヒロイン誕生日、そして終戦記念日に、『鐘の鳴る丘』に重要な役割を持たせて流してきた。
これは来年の朝ドラ『エール』ですね?
古関裕而氏のヒットソングだ。
なるほど。福島県立商業高校の応援歌でもある。
来年も、楽しみにしています!