【第108話あらすじ】「なつよ、どうするプロポーズ(108)」 なつ(広瀬すず)から事情を聞いた咲太郎(岡田将生)は、妹の不憫(ふびん)さに胸が締め付けられる。その時、なつを訪ねて坂場(中川大志)が風車にやってくる。なつに謝罪をしたいという坂場に対し、どうしても許すことができない咲太郎は、帰れと言う。しかし、なつと咲太郎、亜矢美(山口智子)を前に、坂場はこれまで口にしてこなかったなつへの思いを語り出す。なつと結婚させてほしいと懇願する坂場に、兄の咲太郎は…。 (Yahoo!テレビより引用) |
昭和41年(1966)年――殺伐プロポーズとその破談。妹からそれを聞かされ、咲太郎は当然のことながら怒っております。
婚約しておいてそりゃねえだろ!
そう怒る兄に、婚約していたわけではないとなつは言います。
プロポーズらしきものはあった。謎の勝利条件つきで・・・なつはしみじみと、
「つまり約束は守ったんだ……うん、もういい」
という諦めの境地に達しつつあります。が、咲太郎の怒りは鎮まるはずもありません。
「そんな奴と結婚することないッ! 忘れちまえ、こっちから願い下げだ!」
おーい、そんな奴が、今まさに風車へ向かっているぞーい!ヒェー(゚ロ゚ノ)ノ。
「俺に任せろ! 兄ちゃんがもっといい人見つけてやる!」
そう請け負う咲太郎。言動に問題はありますが、さっちゃんの件といい、そこは顔の広さがありますからね😅。
そして、そこに……。
【ジャーン、ジャーン、ジャーン!】
げえっ、坂場!
そんなわけで、またあいつがやって来ました。
そっちから来るんだ。毎回、登場の仕方が不穏だぞ!
「ごめんください、突然すみません」
「何しに来たんだよ!」
「謝りに来ました」
「家族会議で、お前のことは忘れることにした。お前なんか認めねえ!」
咲太郎、そこは武力で押し返そうとします。
それもそうなるわな。咲太郎は、あの一連の流れを振り返り、帰れと繰り返します。
「おっしゃる通りです」
ドヤァめげない・・・坂場。メンタルが強いのか弱いのか、ちょっとわからないところがあります
そしてまた、よくわからん話の切り出し方をしました。
「なつさんは許さなくていいのです。もう一度、話を聞いてもらいたい」
「回りくどいこと言ってんじゃねーよ!」
咲太郎がイラついています。
こういう一般常識に沿ったレスポンスをする咲太郎が、いい味を出しています。
坂場は、咲太郎からいろいろ学ぶことがあるはず。咲太郎には、坂場にはない営業スキルがありそうですもんね。
はい、そうは言っても坂場の話は回りくどくて、かつ長い。要点をまとめろと言わないで、聞いてあげましょう(゚д゚)(。_。)ウン。
坂場は、なつの気持ちを想像して、ずっと一晩考えていたのです。
なつが好きだという自分の気持ちの前に、相手のことを考えようとする。
そして、わかったのです。
なつを失った時の辛い気持ちを。なつ自身の、失いながら生きて来た、そんな人生を。
ぐるぐると考えて、結論に至ったのです。
「あなたの気持ちを考えた。あなたに近づきたくて……それで結局、たどりついた答えは……あなたのことが、心の底から好きだということ。もう遅いかもしれないけれど、心の底からあなたが好きです。心の底から好きです」
「遅くないッ! 生きているんだから、間違ってもいいッ! なっちゃんはへっちゃらだよね!」
亜矢美が、ここで最高のカットインをします。彼女って、本当にこういうセンスがありますよね。からまった縄を一刀両断する爽快感がある。彼女自身の悲恋をも踏まえているからこそ、深いものがあります。
才能だけを愛していると言ってしまった坂場の、そうじゃない気持ちもわかっていた。
ただ不器用なだけだ。ならば私が、事態を解決に導くぜぇ〜!
そういう機転があります。
よかった、ここに咲太郎しかいなかったら危なかったかも。さもなくば、最悪、暴力沙汰よ……。
「お兄さん、どうか許してください! 妹さんを、奥原なつさんを、僕にください! 結婚することを許してください! 奥原なつさんと結婚させてください!」
坂場よ……覚えたこと、メモリに入れていたことを、全部言い出した感があふれています😂。
「バカヤロー! まずはなつの許しを取れ」
咲太郎の軌道修正です。この未来の義兄弟、割と相性はいいと思います。
兄も弟のズレたところをスルーしつつ突っ込めるし、弟も兄のオラつきをスルーできる。
坂場は、再びなつに向かいます。
「もう一緒に漫画映画を作れないかもしれないけど、どうか、結婚してください! あなたの人生を作ります、一生かけて、あなたの人生を作ります!」
「うん、ありがとう……」
「必ず傑作にします!」
合いが入りすぎて、ちょっと暴走気味ですね。でも、いい、がんばれ、坂場、がんばれ!
ここで、咲太郎が最高のツッコミを見せます。
「普通でいいんだよ、普通で。キザったらしいこと言うな……」
坂場が【普通】を理解できていないとか、理解しようとしてズレるとか。咲太郎もゆっくり見守っていきましょう。
「僕と結婚してください!」
「はい、喜んで」
いろいろと回りくどいわ、無駄に文学的だわ、順番がおかしいわ、とは思いますが、ともかくやっと一週間かけてここまでたどり着きました・・・長かったな、よかったな
「なっちゃんを幸せにしてよ」
「幸にしたら絶対許さないからな。覚えとけ」
亜矢美と、咲太郎のちょっと物騒な祝福を受けて、やっと抱き合う二人です。
そして二人から結婚の報告を受けたマダムですが・・・
「よかったねえ、なっちゃん。こんなこともうないかと思ってた……」
「えっ!」
マダムの態度に、なつはちょっとムッとしているようにも思えなくありません。
そういうところがあるんだな。
「なっちゃんを、どうかよろしくお願いします」
マダムがしみじみと坂場に頭を下げていると、野上がサービスのバターカリーを持ってきました。
なつが、咲太郎が反対したと言うと、そんなに遅いのに反対するのかと野上は意外そうではあります。
「だってバカだもん」
マダムが愛をこめて咲太郎をそう呼ぶと、野上はこう来ました。
「そのバカを待ちわびる不憫な人もいるかも……」
なんなんでしょうか、マダムと咲太郎。これも気になるところです
坂場は、バターカリーを見て目がキラキラしています。
「初めてだ!」
よかったね、好奇心旺盛なんだね。常連なのに店の名物をスルーし続けたことに、突っ込むだけ無駄です。彼なりのルールがあって、読書とカレーパンがセットになっていたのでしょう。
思えば、川村屋で坂場と出くわした時、なつは避けようとしていましたっけ。よくここまで到達したなぁ……。
しかし、坂場はバターカリーで頭がいっぱいのようです。彼なりに、新しい味覚を味わいたくて仕方ないのでしょうが。
「たまにはこういう贅沢しようね」
「あっ!」
こぼす、坂場。バターカリーをズボンにこぼす!
ダメなんですね。マルチタスクが苦手なんだな。カリーを味わうことに集中しているのに、【たまに楽しみたい贅沢とは?】という新概念まで加わって混乱しているんだ! そのせいで食事に集中できない
なつよ……結婚生活がんばろうな。頑張って!(`・ー・´)b
はい、次は東洋動画です。
あんな大損害を与えて、最低最悪の辞職をしていて、平然と割りきる坂場はある意味すごいと思います。外部の店で祝ってもらおうという、そういう発想はないんだな😓。なつは留任するとはいえ。
仲や下山は、結婚の報告を受け取って心の底から祝福しています。
挨拶を終えて、運命の階段の踊り場へ。
なつはしみじみと、坂場に振り返ります。
「いろいろあったね……ありえないようなことが、本当のようになったね」
本当にそう思います。普通は美しくてロマンチックなシチュエーションが起こる。そういう意味で使われるとは思うんですけれども。
むしろ坂場との場合、生々しい乱世じみたことが起こりすぎて、どういうことだったのか……。
そして二人は、北海道十勝にやって来ます。
『ああ、なつよーー二人の夢は続くよ。これから、また始まる。』
そう父ナレが、うまく締めくくります。
時に結婚はゴールインと形容されます。
おとぎ話は、結婚してからのことはあまり描かないものです。
それはツッコミどころが満載ではありますよね。
王子が人格破綻者だったらどうするの?
結婚で人の本質は変わるの?
そのことを、最近は突っ込むようになりました。
そうなる前に、結婚相手の問題点を把握した方がいい。
発想の転換です。
なつは坂場に夢を見るどころか、モモッチとは違ってなんかこいつは危険だ……と薄々察知しておりました。
結婚前に問題点を全部洗い出しておく。そういうライフハック感がありましたよね。
本作は
【受け入れること=なんでもいうことを聞く】
だけではなく、教育的指導も大事だと踏み込んできました。
今朝は咲太郎が、いちいち坂場のプロポーズにツッコミを入れまくっておりましたが。
あれが大事です。 褒めて伸ばしすぎると、暴走しておそろしいことになりかねませんので、鋭い指摘は大事です。
そういう意味でも、適材適所感があります‥多分(*´σ-`)エヘヘ