【第106話あらすじ】「なつよ、どうするプロポーズ(106)

坂場(中川大志)の思い描くイメージの要求が高過ぎて、長編映画の制作がなかなか進まない。締め切りが迫る中、坂場と折り合いが悪くなっていた仲(井浦新)が、なつ(広瀬すず)にキャラクターの入ったカット袋を託す。なつから、その動画用紙を見せられた坂場は、仲に対して抱いていた思いが誤りだったことに気づき、仲に力を貸して欲しいと頼む。帰りに風車に寄ったなつと坂場は、二人の関係を亜矢美(山口智子)に気づかれ…。

Yahoo!テレビより引用)

昭和40年(1965)年――なつは家に帰り、仲から差し出された封筒の中身を見ています。

そこにあったのは、キアラのデザイン案でした。これが言葉にできないような絵。

 儚いようで、憂いを帯びているようで、強さもあるようで。そしてちょっと、なつ自身にも似ているような……

 

そして、長編映画班の会議が始まります。主人公・クリフと死神のキャラクターデザインは決定。

そう坂場が告げると、次にキアラのデザイン進捗を、なつに尋ねます。

「描けませんでした……ある絵を見て、それ以上のものは描けないと……」

「ある絵?」

坂場が興味津々の顔になります。

「これです」

なつが、仲のキアラ案を差し出すと、坂場は取り憑かれたようにジッと見入っています。

「これは誰の絵ですか?」

「仲さんです。仲さんが、託してくれました」

仲は、こう言って差し出してきたのです。

「参考になればいいと思って……気に入らなければ無視していいから」

仲はこういう性格ですよね。咲太郎みたいな、アッパーな任せておけオーラは出ない。

マコのように気が強いわけでもない。人格者なのです。そのせいか、誤解されるけれども、信念の人なのです。井浦新さんが演じるべき役であり、演じて本当によかった役でもあると思う(・∀・)ウン!!

坂場は興奮して、こう言い切るのでした。

「私は今やっと、キアラに出会いました! ずっとこれを待っていました」

茜と堀内も納得感を見せていますが、一番濃いのが神地です。

「キアラに一目で恋をした」

こいつも傍若無人ですが、どこか偉そうで、キザ。

「この俺に惚れさせるなんてよぉ〜」

そんな謎の上から目線すら、うっすらあります。

ダンディという感じですかラブラブ

モデルのことを踏まえても、役作りに納得感があるんです。

セリフがそこまで多くないのに、ここまで存在感を出してくる染谷将太さんもさすがとしか言いようがない😊

なつは訴えます。

「悔しいと言いながら、仲さんだけが、キアラの魂を描いたんです」

下山もしみじみと言います。仲はイッキュウさんを嫌っていない。陰ながら応援していたのだと。

「仲さんほど、自分が自分を超えたいと思っているアニメーターはいません。同じアニメーターとして、心から仲さんを尊敬します!」

なつがそう告げると、坂場も何か思うところはあるようです。

そして坂場は、清々しいほどにズカズカと、仲に向かって行きます。

何かにぶつからないか、つまづいて転ばないか、心配になってくるほどで、仲の周囲だって驚くでしょう(m ̄〃)ぷぷっ!

「仲さん、お願いします! 仲さんの力を貸してください! この作品を完成させるには、どうしても、仲さんの力が必要なんです! どうしても、キアラを描いてください! 仲さんしか描けません!」

仲は驚き、なつが提出したと悟っています。

ここも坂場特有の動きで、直線的にいきなり仲に突進して、頭を下げるわけでもないのです。

経緯を説明するでもなく、単刀直入に唐突に言い出します。

しかも、背筋を丸めるわけでもなく、ピンとさせたまま立ちっぱなし。その横を見ると、なつと下山は頭を下げて、お願いのポーズを取っている。

神地、坂場がやっと話が煮詰まってきたところで、気がついたように頭を下げるのです。

仲も、感無量の表情です。

よかったね、仲さんが寛大でチョキ

「わかったよ、ありがとう。採用してもらって、うれしいよ」

ここでやっと、坂場はこう来ました。

「生意気言って、すみませんでした!」

 頭を下げて、心の底から申し訳ないと言います。

そんな彼を受け入れ、ポンポンと気遣う仲がもう、聖人君子のようでちょっとウルウルしてしまう。

このハードルを乗り越えて、映画制作はピッチをあげて進み始めます。

キアラが結婚条件となる長編映画製作を止めていたと考えれば、仲が【仲人】かもしれません。

しかし、そうは上手くいかないもので……。

 

坂場はなつを風車まで送って来ていました。

「送ってくれてありがとう」

坂場は、仲の一件についてお礼を言います。なつあってこそ、打ち解けられたのです。

仲にきっちり謝ったことは偉い。坂場にそう告げるなつ。

 指導者状態です。これぞある意味、正解なのかも。その分析は後述するとして、なつが偉そうだとか、上から目線だとか、そういうことでもありませんね。

「映画を完成させたい一心で」

そうポロリと言ってしまう坂場は、本当にどうかと思います。そこは素直に、人間として謝罪したかった、でいいでしょうに。まぁ、坂場なのでいいんですけど。

なつは、キアラのデザインで坂場をぎゃふんと言わせたかったと少し悔しがります。

しかし坂場は思わぬ返答をする。

「いつでも言ってる。きみにはぎゃふんと言わされっぱなしだ」

「それはお互いさま」

店内に入ると、亜矢美が喜びます。

おでん屋なんて客が来たらいつでもいい、開店だと言い出すのです。

そこで坂場が、咲太郎に挨拶をしたいと言い出すのですが、なつがそんなことはいいと止めると、こう来ました。

「普通の挨拶だから」

勘の鋭い亜矢美がビビビッとキャッチしますキラキラ

「普通じゃない挨拶もあるってこと? そういうこと!」

「普通じゃない挨拶も、させてもらおうと」

そう坂場も言い出します。

きたきたきたきたきたーーーーっ!

 亜矢美には、二人がどういう間柄なのかわかってしまいます。

「一番に知るなんてもったいないわ、咲太郎を呼ぶっ!」

しかし電話に向かう亜矢美を、なつが止めます。

「普通の挨拶だから!」

普通じゃない挨拶は、長編映画を作り終えてからだ、とも説明します。

来年春に完成だと知ると、心の底から春を待つ顔になる亜矢美。

 待ち遠しい! 本人たちより嬉しそうにも見えますね。

「黙っている自信がない〜!」

そうウキウキとはしゃぐ亜矢美が歌い始めます。そして乾杯。

「幸せなら手を叩こう! かんぱーい!」

この一連の場面における、亜矢美底抜けの笑顔と嬉しそうな言動、しぐさが本当に素敵でして。

亜矢美の凄絶な悲恋をふまえますと、彼女は誰かの恋を見て自分の傷を癒しているのだと思わされます。

坂場も喜びを見せ、映画ができたら普通でない挨拶をすると誓います。

ようやく、まともな結婚前の流れになったなぁ😅

 昨日はなんだったのやら。順番が逆なのか?

しかし、なつは不安そうです。戦災孤児という身の上が、相手の親にとってマイナスにならないか。千遥のこともあるわけです。あの辛い話は、なつとの対比としても機能してると思う。

そんなことでゴタゴタ言う親ではないと。それは想像つきます。のびのびと育てた結果がこう来た。

ところが家庭環境は想像以上のインテリ一家でした。

ちょっといろいろある咲太郎も、これではプレッシャーを感じかねないと心配しますし、なつも驚いています。

なつはそういうところは、知らなかったんですね。

モモッチは調べていましたがタラー

 

いざキャラが決まっても、映画制作は遅れます。坂場はダメ出しの厳しさ、スケジュール進行の遅さに特に反省していなかった!

下山には、アクションをごまかすなと迫っています。

「そうかなぁ〜?」

これは下山が、こう受け流せるからなんとかなっているのであって、キレるタイプなら荒れていますよ。まぁ、そこはなんとかなりまして。

 

昭和41年(1966年)。『神をつかんだ少年クリフ』がいよいよ公開されます。

春の予定が、夏の7月なのはよいことなのか、そうでないのか。

 大杉社長が渋い顔をしていそうですね。

もちろん映画がヒットすれば問題ないワケですが……。

スクリーンを見つめるなつ。

観客席は空席ばかり。

の少ない観客も、居眠りをしております。

つまりこれは、不入りッッッッ!!

父ナレも、思わずこう言うしかありません。

『なつよ、大変だこりゃーー。』

 

対比として『アナと雪の女王』のことを・・・

あれはけっして、あのレリゴー♪ だけでは終わらないんですよね。

エルサは力の解放、ありのままに生きることを選んでウキウキワクワクしていたわけですが。それでは終わらなくて、社会性への適応を学ぶ必要がありました。

エルサの場合、力の暴走で大迷惑をかけた前提があるわけです。

坂場と神地もその傾向があります。才能はある。けれども、言動の順番が違いますし、攻撃性も結構あるんです。

暴れることで、なつは疲れ切っていました。

エルサほど見ていてわかりやすいものではありませんが、アナが必要なんですね。

エルサだって、あの能力でスケートリンクだの雪だるまを作るのは、もったいないといえばそうです。

ただし、一歩間違えるとエルサはこうなりかねません。

今回、ものの見事に映画は失敗します。

これも制御失敗の教訓なのでしょう。

あれはエルサのせいで、ガチガチになったアレンデールなのかも。

再チャレンジすること。それも大事!フレーッ!(oo)尸 フレーッ!