【第104話あらすじ】「なつよ、どうするプロポーズ(104)」 風車では、カスミ(戸田恵子)や茂木社長(リリー・フランキー)達が集まり、亜矢美(山口智子)が、かつてムーランで踊り子だった頃の悲しい恋の話がはじまる。それを聞いていたなつ(広瀬すず)は、今も結婚していない亜矢美の気持ちに思いを巡らせる。年が明け、テレビ漫画の「百獣の王子サム」が大人気となり、ますますアニメーションの仕事に追われるなつ達。そんな中、同僚の茜(渡辺麻友)が結婚することになり…。 (Yahoo!テレビより引用) |
昭和39年(1964)年――亜矢美の悲恋とは・・・周囲はあんな恋はないといい、亜矢美はありきたりなオチだという。
果たしてその結末は?
ムーランルージュで踊っていたころ、亜矢美に伊崎という早稲田の学生が惚れ込みました。
彼は毎日見に来るようになり、そのころの彼女は25歳。
いまいち芽の出ない、パッとしない地味なバックダンサーに過ぎない存在です。
集団で踊るだけ、多くの観客が気付かないような、そんな踊り子でしたれでも、彼は彼女の才能を見出しました。
レビューの台本を執筆して持ち込んだところ、なんと採用され、亜矢美はソロで踊りました。
そして亜矢美はブレイクしたのです。
亜矢美の踊りを再現するかのように、当時のステージ写真がきっちりと入り込む。これも細かい仕事ですね
「シンデレラみたい……」
なつはうっとりとしています。咲太郎が、結婚の約束をしていたと指摘します。
けれど、このシンデレラにはハッピーエンドが待っておりませんでした。
学徒出陣を遂げ、伊崎は戦死――。
出征前、伊崎は観客で立ち上がり、こう叫びました。
「岸川亜矢美、ばんざーーーーーい!!」
その声を残し、彼は戻らぬ人となったのです。
悲しいけど、素敵な話です」
亜矢美に、しみじみとなつは言います。
藤正親分がすすり泣いています。
「戦後の亜矢美は、見てられなかった……痛々しくて……スターだった亜矢美が、生きる気力もなくして……それを救ったのが咲太郎」
闇市で、野良犬みたいな咲太郎を拾ってきた。それが生きる力になって、踊れるようになった。そう語られます。
藤正親分は仁義がありますね。
これは千遥の女将もそうですが、優しいのよ
女を売り物にするという一点は踏み越えていても、道具としてみなしてはいない。そういう仁義があるんですねえ∑d(゚∀゚d)イカス!!
咲太郎は、野良犬はねえよと苦笑しています。
お互い救われたのです。
人を救うことは、自分自身を救うことでもある――本作の底にあるテーマですね。
「はい、おしまい! この話はおしまい! しんみりするから、話したくなかった」
亜矢美はそう照れつつ、こう宣言します。
「歌おう!」
誘われて、カスミが歌い始めるのでした
さてこ亜矢美の悲恋をきいてもうひとりう一人、気になる存在がいませんか?
川村屋のマダムです。
亜矢美や蘭子と同年代で、おそらく未婚。
カスミもこの中に入れていいかな?
彼女らにも悲恋はあるのでしょうか。そして咲太郎も、その恋人に関わっているのでしょうか。
て、気になるなつのお仕事ですが。テレビシリーズのために、演出家やアニメーターも増えています。この説明の間、セカセカと動いている坂場。落ち着きがありません。熱意の表現というよりも、ともかくセカセカしてしまう。
カレンダーがベリベリとめくられ、アニメ開始から一年半が経過したとわかります。
そして茜が、電撃結婚をします。相手は……。
茜の結婚相手は、なんと下山でしたΣ(゚Д゚;エーッ!
な、な、な、なにーっ!!
堀内が静かに敗北を噛みしめている中、神地がものすごい顔になっています。
※なんで結婚するかのう! 茜ちゃんめえええええーーーーーー!!
なんかオーラもすごいものがある。神っち、そういう性格だから茜ちゃんに選ばれなかったんでないかな?
そう突っ込みたくなる、失恋魔王っぷり。
いちいち濃いよ。うまい!
ここで坂場も、独特の変な顔をしています…これも何かの伏線でしょうか
そして開けて、昭和40年(1965年)。
下山は仲と井戸原に呼び出され、長編映画監督に任命されます。
「茜ちゃんをものにしたしたたかさに……いや、冗談だ」
井戸原はそう言ってから、演出家を誰にするか裁量を任せます。
下山は迷いません。
「演出はイッキュウさん! 坂場一久です」
しかし井戸原は却下します。
まぁ、テレビを任されていますからね。
それに、長編漫画映画は観客動員が下落傾向にあります。もう失敗が許されない状況なのです。
ここでの井戸原と仲の反応と、昨日の坂場を思い出してみましょう。
この二人は、坂場を嫌っていません。
悪意でテレビに飛ばしてもいない。
つまり、彼の思い込みは妄想じみたところがあるのです。めんどくせえええええ!
「ならば尚更、イッキュウさんです!」
下山はそう宣言します。そして、その案は通ったようですが……。
そのあと、あの階段にて。
【ジャーン、ジャーン、ジャーン!】
げえっ、坂場!
おなじみの不意打ちですね。
なつが坂場から呼び止められます。
「ちょっと!」
坂場はなつに訴えかけます。下山から長編映画の演出を任されたのだと。
そしてこう来た。
「もちろんきみには、テレビを抜けて来るように」
「会社が言うなら。喜んで」
これも、おかしいのです。
もう、自分の思う通りになつが行動するとなっています。なつは会社の意向をふまえていますが、坂場からは抜け落ちていると。
そして続きは、こうなりました。
「そしてもし、長編映画が成功したら……僕の人生にはきみが必要だということになります」
「は?」
どういうことなの?
しかも、なつにぐいぐい迫って来る。
キスをしたいとか、抱きしめたいとか。そういう狙いはなくて、ただ無意識的に距離感がおかしくて迫る感じですね😱
少女漫画の「壁ドン」あたりと比べてみるとわかります。
壁ドンは、心理的な狙いもあるのでしょう。坂場には、そういうものが一切ない。ドキドキするどころか、気持ち悪いのです。
喋り方も、明らかにおかしい。乙女ゲー予告で、声優さんによるキメキメにイケボと比較しましょう。むしろ、吹き替え事故レベルのたどたどしさすら、感じさせるほど。
演技が下手なわけではなく、わざとこうしていると思えます。
中川さんは下手じゃない。むしろどちゃくそうまいんですよ・・・きっと!
「ぼぼぼぼぼ僕と! 僕と! 結婚してください! 結婚してくれませんか」
父ナレも動揺しています。
『なつよ、出たーー。』
父ですら、ロマンスどころか動揺を感じる。おそろしい朝でした。
なんで、こんなにロマンチックゼロプロポーズなんだよ・・・
はっきり言いましょう。 坂場のプロポーズは、キモいんじゃあああああドッヒャ―――∑(´▽`ノ)ノ―――!!
【半分、青い。】萩尾律にも「顔がいいのにキモい」という心無い声があった
そう何度も指摘していますが、中川大志さんの演技、全体的な演出、脚本は、明らかにそういう方向性にしていると感じます。
「ただしイケメンに限る」という概念を、正面から殴ってぶち壊している。
もちろん、坂場は悪い奴じゃない。マジョリティの思考回路と違うだけで、彼なりに考えています。
【坂場くんはプロポーズする】
◆今までも年数がある。テレビアニメだけでも一年半。その間にデートすらしていないのか? →時間経過と親密度が比例するとは限りません。 ◆じゃあなんでプロポーズしたの? →神地さんの事例から、学習しました。 ・大切な相手と結婚できないと、心理的な打撃を受ける ・そうならないためにも、結婚は最適解である ・神地の理論でいくと、仕事と結婚は別物ではなく、関連性がある ・良い仕事のためにも、良い結婚。それが真理であると納得できました ◆長編映画云々は? →「良い仕事のためにも、良い結婚」という理論を証明してこそ、合理性があります |
て彼は、なつの気持ちをあまり考えられないのです。今までもそうでした。むしろ「良い仕事のためにも、良い結婚」という理屈を証明すれば、相手も納得できると信じています。
自他の区別、距離感がおかしい。ですから、自分が長編をやりたいならなつもそうだと信じ込み、会社の意向を無視して誘っている、と。
そしてなつが坂場から逃走しないのも、慣れの問題もあるのではと考えますが・・ある意味一番厄介な、こういう独特すぎる枠にも朝ドラは取り組むようになったんですね。ますます楽しみです