【第103話あらすじ】「なつよ、どうするプロポーズ(103)

洋動画の新年会で、大杉会長からテレビ漫画に力を入れるよう言われるなつ(広瀬すず)と坂場(中川大志)。新年会後、自分が映画から外されたのは、仲から嫌われているからだと言い出す坂場。だが、仲(井浦新)が才能を買っているはずのなつまで、テレビ漫画に異動させたことに疑問を持つ茜(渡辺麻友)。桃代(伊原六花)が、二人が付き合ってると思われているからではと言い出すが、坂場は付き合ってないと否定して…。

Yahoo!テレビより引用)

昭和39年(1964)年――正月です。そろそろ気になるなつの年齢ですが、27歳になりました。

朝ドラの加齢描写には制約があるものです。本作は脇役も含めて、的確なメイクと衣装、それに演出と演技で経過がわかります。

その例外が、亜矢美です。なつに年齢を確認したと会話でわかるのですが……。

「このまま花嫁衣装を着ないつもり?」

「亜矢美さんこそ結婚しないんですか?」

そうなつから逆襲され、亜矢美はこうきっぱりと言い切ります。

「結婚? 忘れた! 歳も」

「いつ忘れたんですか?」

そう突っ込まれつつ、豪快に吹っ飛ばす。それが亜矢美です。かぶき者だから。

年齢不詳――だがそれがいい。

 

なつが晴れ着だった理由は、13日に行われる東洋動画新年会のためでした。

女性だけ晴れ着ってどうよ💧。と、現代ならばそうなりそうですが、そこは昭和ですので。まぁ、普段、私服の男性陣もスーツは着ておりますね。

ここで一瞬、映し出されるおせちの仕事が細かい!

色合いも素材も、昭和のおせちでしょう。

コンビニカタログめいたものだったらがっかりさせられるところですが、今朝もディティールがいいですね。

『きょうの料理』はじめ、資料もスタッフもあるわけですから、できて当然といえばそうですか♪

はい、ここから大杉社長のスピーチです。

「漫画の皆さん! あけましておめでとうございます!」

このスピーチがうまいんですなぁ。

スピーチの内容そのものには全く感動をおぼえませんが、不穏な要素がゴロゴロとあるのです。

分析しましょう。

・漫画のみなさん!

→なつが嫌っていた「作り手への敬意がない」話法です。

・社長は辞めるが、会長になる

→大杉による院政が続きます。会社方針は刷新しない。

・映画よりもそろばんが好き

→芸術性より金儲けが大事。清々しく宣言したァアアアアア!!

そういう理解も適性もないということです。

・神地と坂場の顔

→そろばんと聞いた瞬間に、顔が歪む神地。

 坂場は無表情というか、ちょっと変な顔。

それがいつも通りと言えばそうですが。

・よい鉄道はたくさんの人が利用する。よい車両を作るだけでなく、利用者の多い街を作ろう

→『シムシティ』みたいな話ではあるのですが、これは経営者目線では定番のセオリーです。

・家を建てる。街を作ってこそよい鉄道マン! 子供の喜ぶ街を作れ!

→そこから続く大杉自信満々の理念ですが、坂場と神地にとっては逆効果でつきささった可能性があります。

坂場「いや、僕がなりたいのは鉄道マンでなくて、芸術を作りたいので……」

神地「俺はッ! よい車両を作るエンジニアを目指したいんだッ!」

・新時代は金儲けの時代か? マウンティング思考がそこにはある

→大杉は、新時代到来、テレビ時代の到来だと高らかに告げるわけですが。どうしたって、そこにはマウンティング思考があります。新メディア時代にどんな可能性があるか。

そういうことよりも、映画や芝居といった既存メディアを見返してやるというマウンティング思考が見えます。

坂場も神地も、どうでもいいと思っている。そんな思考です。

「競争じゃない、生きるのは」

先週土曜日の天陽のセリフも、伏線となって生きてきます。

・でも、予算と期日は守ること!

→そしてとどめです。

 坂場と神地にとって、それはもはや切腹しろ宣言に等しい

「今年もよろしく! 乾杯!」

そう上機嫌で締めくくりました。

みんな乾杯して、おせちを食べて、隠し芸を見て、楽しそうではあるのですが、まぁ、不穏ですよね😱

井戸原あたりは納得していますし、仲も平常心のようです。

ただ、神地は露骨に不満そうなんですね。

あそこまで清々しく金儲けを前面に出すな! と。

そこへ大杉が、挨拶にやってきます。

坂場は紹介されてもきょとんとしているというか、平常心です。

坂場のこういう態度。嫌う人も社会でいるはずです。

威厳を感じるとか、遠慮するとか、照れるとか、光栄だと驚くとか、そういうことができません。人間関係の上下をあまり理解していない。

そこを重んじる者から見れば、なめとんのか! と、そうなりかねないのです。

坂場の特殊性は、他の人と比較するとわかります。

露骨におかしいわけではないのですが、微かにおかしい。

他の人は、社長の前ではやはり態度が変わります。

強弱はあれど、愛想笑いをするなり、緊張感が宿る。それが坂場はフラット。目線も合いにくいのです。

 

そしてなつ達は喫茶店に移動しました。

これは完全に謀反の気配ですわ。坂場も、長編に戻れない、もう芸術は作れないと新年早々落ち込んでいます。芸術家の野心あってこそ、作品はよくなるのに、って。

まぁ経営者目線で見ると、こやつらは最低最悪でしょう

うまい料理を出して、乾杯して、気合いを入れることを言ったはず。これ以上、お前たち部下の機嫌をどうやってとれというのか。むしろお前たちがやれ!

そんな風に思われかねません。

茜がここでこう言います。

「経営者目線なのよ」

「さすが茜ちゃん!」

神地がすかさずアピール。

 慌てて堀内が「バカにしているのか!」というのですが、もう遅い。

いつの間にか二人はこうなっています。

「してませんよぉ」

「ねっ

神地よ、あんた……やるじゃない!

距離感の取り方がおかしいものの、そういう予兆はあったものです。

この二人以外は、まだモヤモヤしています。

「ディズニーを目指したのではなく、そろばん……」

そんな無粋な大杉に嘆く坂場。

なつは諦めと怒りが混じった感情です。

「そろばんがわかれば、ここにはいないんだわ」

 

この後なつは晴れ着のまま、風車に帰宅します。

ここではムーランルージュ卒業生の同窓会状態です。

茂木も藤正親分も、なつの晴れ着姿に喜んでいます。

「嫁に行かないとはもったいない」

と、藤正が言えば。

「行く方がもったいない」

と、茂木が返す。ちょっとセクハラぽいといえばそうですが、時代背景からすればこんなところでしょう😓

ここで話題は北海道に戻った雪次郎の事に。

実家に帰ってもったいないと、松井は言います。声優として、訛りもとれ、しかも当たり役まで得たわけですから。

島貫は、だからこそ未練なく辞めてえらいという見解です。茂木は、角筈屋劇場に蘭子と立ってもらいたかったと、才能を惜しんでいます。

なつは、もともとあった菓子屋という夢のために戻ったのだから、残念ではないときっぱり言い切るのです。

このへんも作劇上の巧みさがありまして。茂木と藤正を通して、女性の結婚の価値観がそこにはあります。

なつという美女が誰のものにもならないこと。

それを男目線で、どう考えるか。

そう語られました。

それがなつから、雪次郎の進路を通して答えが出ています。

【本人が決めたことならば、残念ではない。本人の選択次第】

これには、あの夕見子も納得することでしょう。

ここで、松井と島貫は邪推タイムに突入。

 蘭子とのスキャンダルがあったのではないかと言います。まぁ、当たらずとも遠からじってところ。

すると、実は亜矢美もそうだったと、彼らが思い出すわけです。

藤正がここで、しみじみと言い出します。

「あれは美しい悲恋だ……悲恋がムーランルージュのスターにした。新宿で知らねえ者はいない……」

アップになる、亜矢美の名前入りのポスター。

なんだか気になりますね。咲太郎も意味ありげな笑みを浮かべています。

「遠い昔の思い出よ……」

亜矢美が、複雑ながらも粋な笑みを浮かべています。

 

『なつよ、亜矢美の恋、今の君は何を思うのかなーー』

 父ナレがそう締める中、明日へ。

 

亜矢美も気になりますが、今週は謀反を繰り広げそうな坂場&神地が飛ばしていますね。

今日の神地は、持ち前の反抗心がムクムクと明確に見えてきました。ガーン

仲にも容赦なくダメ出しするし。

 動物ばっかりでつまんねえって、『百獣の王子サム』チームの前でそれを言うか! と、なりかねない発言です。

似ているようで違う二人ではないでしょうか( ゚д゚)ウム

この坂場と神地コンビ、そこになつまで参戦した一団は、反抗心を炸裂させることでしょう。

常識を過剰に期待しないこと。

それも、めんどくさいクリエイター相手にはときに必要になるものです。

そこを楽しみにして、これからも見続けようと思います・・・・(*´σ-)エヘヘ