【第101話あらすじ】「なつよ、テレビ漫画の幕開けだ101)」 事から帰ったなつ(広瀬すず)は、風車に来ていたレミ子(藤本沙紀)から、雪次郎(山田裕貴)が舞台の千秋楽のお祝いに、蘭子(鈴木杏樹)の自宅に招かれたことを知らされる。それを聞いた亜矢美(山口智子)は、過去の経験から、雪次郎の恋と役者人生の両面を心配する。その頃、雪次郎は、蘭子への思いや劇団が分裂してからの出来事を打ち明けていた。その話を黙って聞いていた蘭子は、雪次郎に思いもよらない言葉をかけ…。 (Yahoo!テレビより引用) |
昭和38年(1963)年――覚悟してここまで来た・・・雪次郎のただならぬ様子。
蘭子はワイングラスを置き、静かにこう言います。
「そう……」
蘭子を前にして、雪次郎は「虻田の乱」の顛末を語りはじめました。
新しい演劇を作ると言うけれど、即座に断った。僕の夢は蘭子さんと共演すること。そう切々と訴えるのです。新しい演劇を、蘭子さんと作りたい。蘭子さんとこれからも赤い星座を盛り上げていく。
「蘭子さんを、絶対裏切りません!」
そう言われると、蘭子は何かが吹っ切れたように高笑いをして、ワイングラスを置きます。
「あなたやっぱり、勘違いしてるわ」
蘭子は呼び出した本当の理由を語ります。それはダメ出しのため。雪次郎の芝居は最低最悪で、下手すぎて舞台上で笑いそうになった。そう小馬鹿にするような口調で語るのです。
「気持ち悪いったらありゃしない!」
その新しい仲間のところに行けばいい。そう突き放すのです。
「アマチュアはアマチュアらしくやりなさい。早く出てってちょうだい! 出てって!」
そう告げられて、雪次郎はその場を立ち去るしかありません。
蘭子の横顔が映し出されます。しばらく立ったままであった彼女は、糸が切れたように椅子に座り込みます。そして震える手で、ワインを飲み干すのでした。
わななく声で歌う蘭子。後ろ姿。顔を見せないのに、苦しい気持ちが伝わってきます。
カメラワークや演出を含めて、演技、抑えたBGMに至るまで、ハイレベルだったと思います
女優の顔をこれみよがしにアップで映し、演じる側はワンワンと泣き叫び、がなりたてるようなBGMが流れる――そういう涙をカツアゲするような、陳腐な演出ではなく、横顔と後ろ姿、震える手と声で動揺を見せた鈴木杏樹さんを筆頭に、見事な場面です
傷ついた心を抱えて雪次郎は、風車に悄然としてたどり着きます。
「えっ、こんな早く!」
「雪次郎君……」
レミ子となつ、亜矢美が驚きます。まぁ、翌朝に戻ってきてもおかしくない状況っちゃそうですもんね。
「お酒ください」
雪次郎はそう告げ、酒をあおりだすのです。
いいのかな?
とよ、雪之助と続く、酒に弱い上に荒れる家系では……。
何も言わず、手酌であおる雪次郎を、なつとレミ子は見守るしかありません。
翌朝、風車の夜が明けます。カウンターでは、雪次郎となつが突っ伏して毛布をかけられていました。目の覚めた雪次郎は、なつに声をかけます。
「つきあってくれてありがとう」
「水飲む?」
なつがそう語りかけると、雪次郎は言葉を絞り出します。
「蘭子さんを傷つけてしまったんだ……」
なつは驚きます。視聴者もそうでしょう。傷つけられたのは、むしろ雪次郎ではないのかと。
雪次郎は語り出します。愛の告白、虻田の乱について語ったこと。
出番が短いにも関わらず、ここまで事態を引っ掻き回す虻田とは一体……恐るべき謎の男ヒェー(゚ロ゚ノ)ノ
ともに稽古をしていた仲間から、「力を買っている」と告げられたこと。
あの言葉に、実は悩んだのです。
「本当に嬉しかった。正直、心動いた。やってみたかったのさ、みんなと……そういうところを蘭子さんに見抜かれた。怒られながらそう思った。なまら怒られた。アマチュアはアマチュアらしくって」
【なまら】と北海道弁を交えつつ、そう語る雪次郎。
あのスカした高山すら、カッコつけたセリフにすっと北海道弁が混じっていた本作。指導が細かいなぁ。
いやいや、それだけじゃないのです。
雪次郎は洞察力や思考力があり、優しく思いやりがあるのでしょう。
だからこそ、あれだけ突き放した蘭子ではなく、自分自身の弱いところが許せないのです。いい奴だ(´∀`)bグッ!!
「したけど、蘭子さんが好きなのも、ずっと一緒に芝居したかったのも、本当なんだわ。これからも……」
「蘭子さんに言えば?」
「もう遅い。気持ち悪い、下手くそすぎて使えねえとはっきり言われた。もう一緒にはできねえ」
そう語る雪次郎。もう何も言えない。
辛すぎるぞ
「それは嘘なんじゃないかな?」
と、ここで亜矢美がナイスカットインをします。
聞いていたのか、ということはさておき、彼女なりにただならぬ様子を察したのでしょう。
「そっちの劇団に行かせるために、嘘をついたのよ」
「俺もそんな気がするな」
咲太郎も入ってきます。まぁ、こいつが聞いていたことについては、もういいか💧。
人の情けについてはよくわかっていますからね。
二人の見解はこうです。
蘭子は、雪次郎を認めた。独立しても芝居をしていけると確信したのだと。
「その方がいいよって、精一杯の、愛情でそうしたんじゃないかな」
亜矢美はそう言います。そしてなつにどう思うのかと振るのです。
しかし、なつにはわかりません。
これは人生経験もあるのでしょうが、北海道出身者ということも影響しているかもしれない。
本音を言わないと心までしばれるからねぇ。( ゚д゚)ウム
時に、ぶつかりあうようなヤリトリに発展もするけど、それでこそ道産子だべな。
こういう道産子は、言外の意味がわからないのかもしれません。
あの蘭子の横顔、震える手、歌声、後ろ姿。
亜矢美の見解が正しいのでしょう。
ただ、わかってきたことはあります。蘭子は、自分と一緒にいたら不幸になるからと、雪次郎を突き放したのではないかと。
蘭子の人生は、舞台――そのために、雪次郎を犠牲にできない。
雪次郎はそのあと、風車から朝の新宿へと出て行きます。
なつは尋ねます。
「これからどうすんのさ?」
「わかんねえ。わかんねえけど、もう一度正直な気持ちを考えてみる」
「何があっても、私たちはお互いに応援し合う仲間だからね!」
なつはそう励まします。おおっ、いい仲間だな。
ここで雪次郎はこう言い出します。
「なっちゃん。俺、気がついたんだけど。なっちゃんも気がついているかもしれないけど。亜矢美さんは咲太郎が好きなんじゃないかな?」
一体どうしたのさ。そう突っ込みたい雪次郎です。それはあなたの趣味なんじゃないの?
「亜矢美さんはあんなに魅力的なのに……」
「変なこと言わないでよ!」
「じゃあな」
こうして別れていきます。
それからもなつの、テレビ漫画への挑戦は続きます。
出社し、茜と作画のことを語り合いつつ描くなつ。
そこへ奴がズカズカとやって来ます。
【ジャーン、ジャーン、ジャーン!】
げえっ、坂場!
手にしているのは、狼少年サムの原画です。
「ここはこれでいいのでしょうか? 何に対して怒っているのですか?」
なつはその迫力にちょっとたじろぎつつ、こう答えます。
「自分と相手」
「両方、そうなんです!」
ここから先、坂場のマシンガントークがガーッと始まります。
父ナレはここで、こう語るのです。
『なつよ、きみは正直に、だれかにその気持ちを伝える日が来るのかーー』
夕見子と高山といい、この雪次郎と蘭子といい。本作における脇役恋愛事情は、なつ本人の人生に反映や影響があるはず。
この先、何があるのでしょう・・・
ラストでちらっと出てきた坂場ですが、今朝もなかなかすごかった!
父ナレも重なりますし、実はこのマシンガントークはカットできると言えば、そうです。
けれど喋るという設定はあるし、中川大志さんは一気呵成に喋り続ける。これがものすごく重要で、中川さんは役の適性をうまくつかんで、反映させていると感じます(p゚∀゚q)おぉ♪。
「質問を質問で返すなあーっ!」
というジョジョルールも割と破ります。😅
ここだって、なつの「両方」を引き出さずにガーッと指示を出してもよいはず。
相手が自分にとっても腑に落ちるような、そんな反射を引き出して、そこから一気呵成に自分の思考回路を展開する。聞き取れるようにはするけれど、そういう独特の喋り方をしなければいけないから、坂場の役作りはかなり大変だと思いますフレーッ!(o゚∀゚o)尸 フレーッ!