【第96話あらすじ】「なつよ、恋の季節が来た (96)」 なつ(広瀬すず)たちの短編映画に、声を吹き込む作業が進められている。声優には咲太郎(岡田将生)の事務所から蘭子(鈴木杏樹)らが担当し、ついに作品が完成する。仕事を終え、束の間の休息として、東洋動画のメンバーでハイキングに行くことに。制作中は何度もぶつかった麻子(貫地谷しほり)や坂場(中川大志)も、一緒になってバレーボールをして笑い合う。そんな中、麻子はメンバーにある思いを打ち明ける。 (Yahoo!テレビより引用) |
昭和34年(1959)年――ついに『ヘンゼルとグレーテル』はアフレコにまでこぎつけました。
レミ子はグレーテル役です。タイトルロールまでたどり着きましたか!
センスと声質があっていたんですねぇ。😊
蘭子は魔女を熱演しています。そこには咲太郎もおります。おっ、仕事は順調っぽいね?
このアフレコがいいんですよね。熱演もわかるし、何よりアニメが面白い。片的に入り込んでくるだけとはいえ、プロットは説明されているわけですから、把握できます。これが面白いんだよなぁ(´∀`)bグッ!!。
「森には悪魔がいるから平和なんだよ〜」
魔女のこんなセリフも奥深い。これは井戸原も引っかかりますよね。
確かに日米安保の隠喩と解釈できなくはないと。
このプロットで、鳥をデモのようにすると言い切った坂場の度胸って……と驚かされます。
鳥のデモは、マコが三日かかった渾身の場面です。マコは目をキラキラとさせて見ています。
子供のような夢中の表情がそこにはあるのです。
なつは、じいちゃんの姿から思い浮かんだ、木の怪物が背中を見せる場面を見ています。
昨日じいちゃん、今日アニメ。なかなか大変な作りだと思います。
マコがデザインをして、神地が裏切るプロットを考え、そんなキャラクターに蘭子が魅力を感じて声を吹き込む。
これぞアニメの精髄ではありませんか!
なつは階段で、坂場にこう尋ねます。
なつが数段上にいる状況です。
「イッキュウさん、仲さんは何か言ってました?」
「いや、何も」
「きっと大丈夫ですね!」
「あなたこそ、大丈夫ですか?」
坂場は階段を登り、こう言ってくるのです。
「これで満足してますか?」
「してません! もっとイッキュウさんと作りたいですよ!」
「それなら私と同じです」
坂場はそう言い切るのでした。
何かを作る――そんな熱気が確かに存在します。
まてあわてるな、これは坂場の罠・・なんちて
短編が終わったあと、メンバーは森の中でバレーボールをしています。
こういう自由な社風を、あまりに現代的だという意見もあるそうですが。
実際に当時のアニメ現場を取材した上で、こういう休憩シーン描写もあるそうです。
大森氏が当時のアニメ現場はじめ、職業関連も調べていることは、細かい時代考証から伝わってきます。小道具や大道具までは彼の裁量だけではないと思いますが。
踏み外した場合は意図的でしょうし、そこは考証の賜物でしょう。
一般的な事務職や警察官として生きられない、そういうクリエイターばかりの職場ならば、ありだと思います。
さて、このバレーボールですが、坂場が圧倒的に下手です。 転ぶわ。頭でトスするわ。ドッジボールの餌食だった学生時代が想像できます( ̄m ̄〃)ぷぷっ!。
「やっぱり僕は抜けます」
そう宣言する坂場に、マコが立ちふさがります。😱 両手を腰に当てて、威圧的な鬼軍曹モードですね。
「やれるまで何度もやる! 何もかも真剣にやらないと身につかない!」
あぅ、それは作画やり直しの鬱憤ばらしでは?ドッヒャ―――∑(´▽`ノ)ノ―――!!
そう突っ込みつつも、とりあえずお昼になります。
なつがおにぎりを彼に差し出すわけです。
ここでも坂場なんですよ。
「それじゃ僕のパンをあげましょう」
うーん、坂場ってばよ、オイ( -ω-)ノ☆(*_ _)バシィッ
思えば坂場は、登場時からずーっと恋愛フラグを立てているわけですが。
視聴者はフラグと認識できても、彼は違います…多分ね😅
待て、あわてるな、これは坂場の罠だ。夕見子と同じく、本人すらその気はないでしょうが、気がつけば周囲を混乱させている。
これぞ【表裏比興】ぉぉぉぉ!
ランチのあと、下山班は森の中を散歩します。
作画の前に来たかったという意見に対して下山は、
「余裕があればね」
と言います。
一方で坂場はこう言うのです。
「作る前に、必ずやりましょう」
これは空気を読めない人間だからこその長所です。下山の顔色をうかがわない。それが大事だと思えば導入を決める。
坂場と神地は人間的に癖が強いんです。同じ職場にいたら、合わない人は辛いでしょう
もちろん彼らには、実力だけではない魅力と長所がある。そのことも伝わってきます。
そんな中マコは森の中で、じっとなにかを見ています。
「何かみつけましたか?」
その問いかけに、マコはこう返すのです。
みつけた。私、結婚するの。やっと白馬の王子様を見つけた」
学生時代から交際していた建築家。
彼が今度イタリアに向かうため、プロポーズされて迷っていたものの、受け入れたのです。
「この作品をやって、やっと区切りがついた」
「それって、アニメーターをやめるってことですか。それはないですよ、マコさん!」
なつが愕然としてそう言います。
「成功させた。私にはこれしかない。そう仕事に満足したから、結婚してもいいと思えた……」
なつは訴えかけます。
「マコさんのようには描けません!」
「私は楽しめない。あなたのようにはまだ……それがどうしてなのか。才能か、迷いか。一度立ち止まって考えたい」
マコははっきりとそう告げるのでした。
ここで坂場がこう言います。
「あなたはいいアニメーターです。少なくとも、日本にはまだあなたのような人はいない」
なんでそんなに冷静なんだ。そう突っ込みたくなりますが、マコはふっと笑います。
「そうやって冷静に言われると、かえって嬉しい」
坂場は美辞麗句、おべんちゃらがないのです。そこは夕見子と同じ。いつでも素直。いつでもまっすぐ。そういう相手からの評価は、一番クリアであてになるものです。
なつは訴えかけます。
「マコさん、また必ず、戻って来てください!」
「また戻りたくなるような、すごい漫画映画を作ってよね、なっちゃん」
マコはそう返すのでした。
下山は、そんなメンバーの姿を忘れないようにスケッチしていました。
父がこう語ります。
『木漏れ日の降り注ぐ平和な森で、なつは新たな誓いを立てる。
「自分は一生、アニメーターを続けていく。」
ああ、なつよ。
これからも好きな仲間たちと思いのままに生きよ。』
と、ここで【完】が出て、終わりそうになります。
『こらこら、終わらせるな。
来週に続けよ――。」
最近の父ナレーションはキレッキレです。
進行にまで突っ込みおった!
今週からやけに弾けてますよね。。゚(゚ノ∀`゚)゚。アヒャヒャ
「なつよ、恋の季節が来た」
そんなサブタイトルからすれば、いよいよなつが恋をするのかと思うわけじゃないですか。
坂場との恋愛フラグは不成立。
そしておにぎりとパンのやりとりで、やっぱりこいつはダメだ感が満載でした。
夕見子はむしろ【抹殺の季節】でした。おいっ!
雪次郎と蘭子の関係は、好きですよ
恋に狂う騎士と女王様ですね。朝ドラなのに濃厚だぁ!
神地と茜は、いい感じじゃないですかね〜。
なんだ、フェイクで誰も結婚しないのかと思っていたら、マコの結婚でしたね。
「結婚か、仕事か? どちらを選んでも、責められるなんてないってことよ……」
そんなマコの心の揺れ、喜怒哀楽を表現しきった貫地谷しほりさん。
お見事でした!表情を見ているだけで、圧倒されました。
ただ、このマコを見ていると、恋の季節はよいものかどうか、悩ましくなるものではあります。
恋の季節は男女双方に訪れるはず。
それなのに、ナゼ、女ばかりがこうも負担が大きいのでしょうか。
男性だって大黒柱になって、妻子を支えるというプレッシャーがあるものです。
それはメンズリブ。
まぁ、そこまで話を広げると混乱しますので、マコやなつを通して描かれた困難につきまして確認しておきますと。
・退職を迫られる
・その結果、夢の断念を迫られる
・人間関係も崩れる。
※「女の友情は脆い」という偏見もあるが、これはライフサイクルの問題でもある
本作における結婚は、なかなか厳しいものがありました。
家族との絶縁を迫られた千遥からして、そうでしたね。
あれは戦災孤児という事情もあるとはいえ、それだけではないでしょう。
マコとなつの関係を通して、それだけではなく女性が直面すると描いたと思えるのです。
何かを捨てねば結婚できない。…本当に?本作はその古き概念に挑戦してたのではないかと今週を見て感じました(・_・D フムフム