【第88話あらすじ】「なつよ、ワクワクが止まらない(88)

咲太郎(岡田将生)は、劇団を辞めて声優のプロダクションを立ち上げるとなつ(広瀬すず)に宣言する。咲太郎は、所属第1号の蘭子(鈴木杏樹)とともに、雪次郎(山田裕貴)やレミ子(藤本沙紀)に声優という仕事の可能性を語る。季節が巡り、制作の期限が迫ってきた初夏。東洋動画では、短編映画のストーリーがなかなかまとまらず、なつは、麻子(貫地谷しほり)や坂場(中川大志)らとともに生みの苦しみを味わっていて…。

Yahoo!テレビより引用)

昭和34年(1959)年――短編映画『ヘンゼルとグレーテル』の制作、いよいよ始動!

なつは夢中になっています。そんなある晩、風車にはあの劇団員たちが集まっていたのでした。

 

風車にいたのは、蘭子、レミ子、雪次郎の3人です。

なつは赤い星座の打ち上げか?と尋ねますが、こんな地味な打ち上げはないと咲太郎は否定します。

この場には茂木社長もいるのですが、なつは気づくのが遅れます。

やっと気づかれて、ちょっとすねる社長。

 「薄羽蜉蝣(うすばかげろう)かよ……」

今ではあまり使わない、昭和らしいセリフ回しですね。

 

咲太郎が説明にするには、蘭子は声優の仕事が増えているのだとか。

「外画(=外国テレビ映画)」の吹き替え依頼がどんどん来ているそうです。

これからはテレビの時代だ、と。

これはチャンスだと思い、声優プロダクション会社を作ることにしたのでした。

劇団の手伝いをやめて、起業です。

「声だけの俳優、声優! いいだろ!」

結構ショッキングな場面かもしれない。声優なんて当たり前になりつつある。

それが、こうして概念が誕生するところがあると、ハッとさせられるのです。

亜矢美が「いいんだろーかー」と突っ込むところで、咲太郎はこう言い切ります。

「いいんだよ!」

腑に落ちる、かつ楽しい描写でもあります(p゚∀゚q)おぉ♪

声優が敬愛されるまでに、長い歴史がありました。その起点に、本作は取り組むのでしょう。

山寺宏一さんを起用した本作は、そこはぬかりないはずです…多分😅

咲太郎の案では、蘭子が第一号です。

レミ子と雪次郎も、声優として育成するのだとか。だからといって劇団をやめるわけでもありません。

この二人も、研究員から劇団員へ昇格したばかりなのだとか。おめでとうございますヤタ───ヽ(〃∀〃)ノ───♪

 

劇団員にとって、公演だけでは食べていくのが難しいものです。

赤い星座以外の劇団からも集めて、副業として食べていってもらう。そういうシステムにするのだと。

売れない役者を救う!

そんな咲太郎の志は立派なもので、茂木も付け所が良いと褒めています。

これからはテレビの時代ーーそういうトレンドを理解しつつ、劇団員を救うのですから

 

咲太郎の一大決心から少し時間が進み季節は初夏になりました。

しかし、短編のストーリーは決まっていません。もう作画に入らないといけないのに、進捗が遅れています。

「もう限界……結末が見えてこない」

そう嘆くマコの絶望感が、生々しい。

作画ではなくて、映画プロットまでやらされているし。そろそろ新作長編も始まるし。

これは完全に、リーダー坂場のやっちまった感があります。

テキパキと、雑でも作って練習をする。その基点から脱線しまくって、もうプロジェクトが崩壊しそうな状況です。

作画を作るのはいい。とはいえ、上映時間をはみ出してしまったら?

削らねければならない。作画を作りつつ、考えて行けばいいという神地のやり方を、マコは一刀両断します。

「時間と労働力の無駄!」

ここで完全に、目も声音も、何もかも零下に到達しつつある。

そんな貫地谷しほりさんが今朝もすごいのです。

「森なんですよ!」

坂場が空気を読まずに、突然、何かを言い出しました。

魔女に救われたヘンゼルとグレーテル。

そこを狼が追いかけてきて、森の中に迷い込みます。

森とは世界のこと。そこで、子供たちが何を信じられるのか?

生活を、生きていくことを、世界そのものを信じられるようにしなくてはいけない。……すごい発想だ。けれども、だからこそ締め切りギリギリになるんだよ!

森を味方にすること。信じられるようにすること。

その森をどうするか?

ここで茜が、なつにこう言います。

「北海道にも森はあるんでしょ?」

もちろんあるとなつは返します。何気ない言葉のようで、これが無駄ではないのです。

その夜、なつは遅くまで森のスケッチをしていました。

十勝の森。

それを思い浮かべ、イメージを描き続けるのです。

なつは、森の中で絶体絶命であったことを思い出しました。

そこを助けたのが、今では照男の義父である弥市郎です。

あの救出の瞬間はなかったはずですが、夢として再現されます。

そこは夢ですので、坂場にお姫様だっこされる流れにーー机で居眠りしてしまい、うなされているなつ。そこを坂場が気遣ってゆすって起こすのでした。

これが結構厄介だと思うんですけれども……。

信哉にせよ、天陽にせよ、坂場にせよ、少女漫画的ベタな恋が目覚めるシチュエーションをなぞってはいるわけですね。それをあえて踏み外すところが、本作の個性でしょう。

だって、こんなセリフですからね。

 「うなされているので、具合が悪かったのではないかと思い、起こしました」

なつは、こう言います。

「夢で何か思いつきました! 魔法……魔法で一本の木を怪物にするんです」

脳裏に浮かぶのは、木を彫る弥市郎の姿でした。 魂を木の中に込めること。それが彼の彫刻。

木の彫刻が悪魔の狼をやっつける。それはよいとして……。

「その怪物って、何なんですか?」

「魔女の魂が木に宿ったんです」

木を味方につけて、戦う主人公たち。なつは坂場にスケッチを見せます。

「うん、いいと思います。もっと描けますか」

ほれ、坂場は気を遣わんのだ。 休めとか、寝ろとは言わない。困った人ではあります。それでも通じ合うものがあるのか、なつは描き始めます。

なつが描き、坂場がストーリーを作る。それは朝まで続くのでした。

ついに結末が決まった

そしてついに、ラストまでたどり着きました。

木の怪物が悪魔の塔を倒し、瓦礫の中から今まで食べられた子供たちが蘇る。

怪物は塔の跡に座り込み、動かなくなった。

 鳥がやってきて怪物の上にとまる。

ふりそそぐ木漏れ日が、ヘンゼルとグレーテルを包み込むのであったーー

かくして、やっと結末も決まったわけです。神地もおもしろいと大興奮です😆

なつは坂場にお礼を言います。

「ありがとう」

「こちらこそ、ありがとうございます」

坂場の企画を通すところから始まって、ここまで到達して、奥原きょうだいの軌跡が描かれたわけです。

父ナレもここでこう言います。

とんでもない『ヘンゼルとグレーテル』になりそうだ。

グリムさんに怒られないか?

 

坂場はあきらかに天才として設定されてはいるのですが、今回その問題点も見えてきました。

彼は完璧主義者で、常に最善の結果は変わるものだと思っている。思考回路を回して、よいものを求めてさまよっています。

それはよいことです 素晴らしいことです(・∀・)ウン!!

しかし!

世の中には締め切りがあります。

チームメンバーにも経験を積ませなければなりません。

ここはもっと改善できるとか。納得できないとか。もっと練りこみたいという気持ちはわかります。

ただ、拙くても速く(拙速)、前進しなくちゃいけないときがある!!

自分自身の労務管理もお粗末ですので、病気にも倒れかねません。

困ったリーダーではあるのです。サポートがいないと。

なつに、そういうことは期待できそうにありません。

絶望しているマコが、適任かとは思いますが……全く別のマネージャーですかねタラー

『半分、青い。』では、暴走気味の秋風を菱本が支え、病気の検査や治療もさせていました。

スパロウリズムも、あの鈴愛と律だけでは暴走気味ですので、ムードメーカー津曲が加入していましたっけ。

チームの管理は大事です!一人一人、支え合ってこそチームでしょう頑張って!(`・ー・´)b