【第85話あらすじ】「なつよ、ワクワクが止まらない(85)」 なつ(広瀬すず)が帰省中の柴田家に、北海道大学に通う夕見子(福地桃子)が帰ってきた。さらにはっきりとした物言いになっている夕見子に、富士子(松嶋菜々子)を始め、泰樹(草刈正雄)までもが振り回され、柴田家に賑やかな日常が戻ってくる。夜、なつと夕見子が久しぶりに枕を並べていると、夕見子はなつの童話集を見て、思いも寄らない感想を口にする。なつはそれを聞いて、あることを思いつき…。 (Yahoo!テレビより引用) |
昭和34年(1959)年――次の仕事では、短編アニメの原作を選ばなければならない。
そんな状況の中、千遥が訪れた柴田家へ、兄・咲太郎と共に帰省したなつ。 哀しい戦災孤児きょうだいの運命が描かれた先週でした。
その締めくくりに、煽りに定評のある・夕見子が参上したのです(笑)
年ぶりになつと再会する、夕見子。
ここで咲太郎が挨拶をすると、いきなり煽りました。
「あの泥棒の咲太郎!」
「夕見子、失礼だべ」
照男がたしなめますが、これですからね😓
「千遥殿は18で結婚!」
千遥の事をきいた夕見子が興奮し始めます放置ではなく、夕見子特有の現象でしょう。
坂場も、同系統の放置をやらかします。めんどくさいけど、そこがいいのよ、キャラクター(∀`*ゞ)テヘッ
夕見子は夕食をかき乱し、寝室に戻ってきました。
千遥の絵を見て、感心しています。明美は絵が得意でないのか、自分とは違うとちょっとしょんぼりしています。彼女は彼女なりに、憧れとなつの妹の座を競うライバルとして、千遥を意識していたのかもしれませんね。本人も無意識かもしれませんが。
「そったらさみしいこと言わんでよ〜」
そんな明美を察したのか、なつが抱きつきます。
美は明らかに、実の姉である夕見子よりもなつに甘えています。夕見子には情緒ケアが期待できないのです。それはもう仕方ない
「あんたが絵描きになるのも必然か……」
夕見子は妙に納得しています。
本作は緻密な構成で、偶然や神頼みのようなことはあまりしない傾向があります
それでも、亡父のナレーション要素はあるわけです。本作の数少ないファンタジックな要素として、父の存在があると思われます。作劇上、限られた範囲で、便利すぎないように入れることはありでしょう・・・まぁ、遺伝的特性ということも考えられますけどね。
そして夕見子は、なつのグリム童話集を見てこう来た。
「随分幼稚なものを読んでるのねえ」
随分幼稚って……他に言い方ないんかーい!
夕見子にはきっと友人が少ない。これはもう、仕方のないことでしょうし、本人も諦めていることでしょう。
なつも大して気にせず、漫画映画の原作選びの一環だと答えます。
なかなか決まらないと。
短編アニメでそこまで任されると聞き、興味津々の様子です。負けず嫌いですから、闘志もあるのでしょう。
それを受けて、夕見子はこう切り出しました。
「あんたのきょうだいは、『ヘンゼルとグレーテル』だね」
深い森に迷い込んだきょうだい。
彼らは自分の家にたどりつくために、パンくずを撒いておりました。
それを夕見子はこう喩えます。
◆ヘンゼルとグレーテル=奥原きょうだい 家に帰るための道しるべとなるパンくず=絵を描くこと パンくずを食べるカラス=時の流 |
の流れというカラスに、パンくずを食べられてしまう。
そして子供は、子供でなくなってしまう。
「なつがやるなら、ぴったり。これしかないべ!」
そして絵を描く千遥の姿も映ります。
言われてみれば、私もそんな気がしてきました😅
翌朝なつは、明美の髪の毛を編んでいます。
こういう仕草に、姉妹の絆を見せています。そして夕見子はそういうことはしない。
髪型も姉妹の縁があるのかも。なつ、千遥、明美は三つ編みです。夕見子は違います。
「元気でねー、いってきます!」
そう明美を見送ったあと、千遥の残したワンピースが映ります。
なつは富士子に抱きつき、別れを惜しんでいます。
それから、照男と砂良の赤ん坊誕生を楽しみにしていると告げるのでした。
咲太郎は、照男たちにまた東京に来て欲しいと告げるのでした。
富士子は千遥のワンピースについて、こう言うのです。
「いつか取りに来てくれるといいね……」
そうです。そのためにも、ここに残さないとですね。服が大きなポイントとなりました。
ここで泰樹はこう宣言します。
「うちのことは任せろ。咲太郎、しっかりしろや!」
その言葉を受け、きょうだいは出発します――。
こうして軽トラックで柴田牧場を去り、なつの短い里帰りは終わります。
夢か、幻か。千遥がなつの服を着て、手を振る姿が見えます。
『なつよ、千遥の目にもこの風景は焼き付いているだろう――。』
そう父ナレが告げる中、なつと咲太郎は東京に戻るのでした・・・
今回の主役は間違いなく「普通を、疑えッ!」といきなり主張する夕見子です。
めんどくさいことこの上ありませんが、それも個性であり、強烈な言葉であり、今日のテーマに即したドラマ主人公であるのです。
女性でありながら、このバリバリの猜疑心で引っ掻き回す。こういう人物がよく出てきたものだと思います。
『あさが来た』のあさは「なんでだす?」が口癖でした。
しかし、それでも後半は、家事育児を期待されることに疑念を呈しませんでした。
当時のあの階級でそれはおかしい設定ですし、モデルもそうではありません。
チャレンジする女性といっても、反抗心は控えめに下方修正される――そんな朝ドラの悪い傾向はあったものです。
夕見子はメインヒロインでありません。
とはいえ、主役のなつもかなり濃く、反抗的で、夕見子の影響を強く受けた人物です。なつにも、そういう要素はあるのでしょう。
反逆精神あふれ、猜疑心があるヒロイン、いいとおもいます。頑張って!(`・ー・´)b