電子カルテのモニターは通常、医師がよく見えるように配置しているため、患者さんからはよく見えなかったりしますよね(たぶん)。
ということは何を私たちがカタカタうっているのか、謎な人も多いかもしれません。
基本的には紙カルテ時代も電子カルテ時代もカルテに書いていることは同じはずです。
ただ、紙カルテに比べると、私の場合なんかはタイプするほうが早くて楽なので、その分多くの情報を電子カルテに入力しています。
カルテの書き方を習ったのはいつだったでしょうか。
医学生の頃だったのか、研修医の頃だったのか。
随分前すぎてはっきりとは覚えていませんが、基本はSOAPに合わせて書いていくと習いました。
SOAP(ソープ)とは・・・
1.S(Subjective):主観的情報
・・・患者さんの話から得られた情報を記載します(情報の受け取りかたは人それぞれなので、できるだけ患者さんが実際に話した内容を正確に記載することが正しいと言われています)。
2.O(Objective):客観的情報
・・・診察した結果、検査をした結果から分かったことを記載します。
3.A(Assesment):評価
・・・主観的情報、客観的情報からえられたことをもとに、考えられる診断名や現在の問題点を考察して記載します。
4.P(Plan):計画
・・・治療方針や治療計画、今後の予定などを記載します。
ということで、私が自分の電子カルテにどういうことを書いていたかを例として書いてみたいと思います。
ちなみに、私の使用していた電子カルでには、SOAPの蘭の上に#欄があったので、そこに診断名や術式をいれていました。
#:
#1.不安定狭心症
#2.高血圧症
#3.2型糖尿病
#4.慢性閉塞性動脈硬化症
【術日】2020-01-10 【術式】Off-pump CABG(LITA-LAD、SVG-OM、SVG-14PL)
*退院サマリーは2020-01-30に作成。
【かかりつけ医】○△循環器内科 ○△先生
S:
ときどき胸の傷が痛みます。他は変わりありません。
O:
身体所見
BP:134/67、P:68、SpO2:98%
胸部正中切開創は上部に肥厚性瘢痕あるも前回診察時と著変なし。
圧迫にて創痛の悪化なし。
他、両下肢の創部に異常認めず。
心音:no murmur
採血結果
軽度腎機能障害(Cre:1.5)認めるも悪化傾向なし。
HbA1c:6.7%
血糖のコントロールは良好。
他、特に問題認めず。
心電図
HR:67、sinus rhythm、明らかな不整脈なし
胸写
CTR:52%、肺野に異常認めず、胸水(ー)
A:
術後1年が経過。
創痛はあるも鎮痛剤内服でコントロールはできている様子。
経過は概ね安定。
内服はかかりつけ医に処方してもらっている。内容に変化なし。
P:
次回外来は半年後(2020-07-07)。
採血、心電図、胸写をフォロー。
こんな感じです。
なるべく誰が読んでも分かる文章にしたいのですが、漢字変換で時間を取られることがあるので、英単語や略語も医療従事者が頻繁に使うものは使用していました。
そして検査もれがないように、備忘録としてなるべく多くのことを電子カルテに残すようにもしていました(ドタバタしているときなどはオーダーもれがあったりするので)。
時間にゆとりがあるときは、外来の前日に、患者さんの前回受診時のカルテを確認し、当日何を診るべきなのか簡単に予習しておきます(このときにたまにオーダーもれを発見したり、外来看護師さんからオーダーもれを指摘されたりしてました)。
当日は、検査結果がでそろってから外来診察するパターンが多かったので、患者さんを呼ぶときにはSとP以外のところは概ね記載済みにしておき、実際診察したあとにSと診察結果を追加して、患者さんの希望を確認したあとPのところの次回外来日と検査の予約をオーダーしていました。
よくおじゃましているブログで電子カルテの話題が出てたもので勝手に記事にしてみました。
何か病院ネタで気になっていることがあれば気軽にメッセージ下さい。
気が向いたら記事にしてみます