手術は結局、明け方までかかりました。
病気が、大動脈弓部といって、ちょうど首と手の血管をだすとこの破裂でした。
破裂といっても血液がじゃじゃもれしてるわけじゃなく、血栓閉鎖といって血の塊で止まっている状態。
破裂といっても血液がじゃじゃもれしてるわけじゃなく、血栓閉鎖といって血の塊で止まっている状態。
手術の方法は、心臓を止めて、体温を冷やして、頭に血液を送りながら人工血管につなぎかえるというもの。
弓部置換術といったりトータル・アーチ(total arch replacement)といったりします。
弓部置換術といったりトータル・アーチ(total arch replacement)といったりします。
人工血管をつなぎかえるとこまで順調でしたが、なかなか血がとまりません。
高齢者(80歳の男性)
緊急手術
低体温(うちの施設ではだいたい27度まで冷やします)
人工心肺時間
緊急手術
低体温(うちの施設ではだいたい27度まで冷やします)
人工心肺時間
いろんなことが要因なんでしょうけど。
ものすごい量の輸血をしながら、あの手この手で血を止めようとしましたが、それでも人工血管の縫い目から血がもれてきます。
そのうち県内の血液が足りなくなってきました。
手術の途中、何回か家族説明がありました。
いろんな可能性を説明して。
家族は、もうムリをせずできるだけ綺麗な姿でいて欲しい。
という選択肢を選びました。
いろんな可能性を説明して。
家族は、もうムリをせずできるだけ綺麗な姿でいて欲しい。
という選択肢を選びました。
朝、6時頃。
手術室から患者さんをICUへ搬送。
8時になる前に永眠されました。
手術室から患者さんをICUへ搬送。
8時になる前に永眠されました。
うちの病院に緊急搬送されてきたとき、患者さんの意識はしっかりしてました。
本人に対する説明は自分がしました。
手術が必要であること、でも、心配は何もしなくていいと。
患者さんは笑顔でおまかせしますと言ってくれました。
本人に対する説明は自分がしました。
手術が必要であること、でも、心配は何もしなくていいと。
患者さんは笑顔でおまかせしますと言ってくれました。
80歳、男性。
寿命がいつきてもおかしくはない年齢です。
手術での死亡は麻酔がかかっているため苦痛は伴いません。
見方によってはきつくない最後だったのかもしれません。
家族も納得し、受け入れてくれていました(もともと危険性が高い手術であることは説明してあったので)。
寿命がいつきてもおかしくはない年齢です。
手術での死亡は麻酔がかかっているため苦痛は伴いません。
見方によってはきつくない最後だったのかもしれません。
家族も納得し、受け入れてくれていました(もともと危険性が高い手術であることは説明してあったので)。
でも、救いたかった。
自分が話したそのおじいちゃんは元気そうな人でした。
自分が話したそのおじいちゃんは元気そうな人でした。
これがクリスマスの夜だったら救えたのかな。
なんて、神頼み的なことをふと考えたりします。
なんて、神頼み的なことをふと考えたりします。