北海道羽幌町の道立羽幌病院で2月、循環器内科の30代の女性医師が、食事をのどにつまらせ心肺停止状態で搬送された同町の男性患者(90)の人工呼吸器のスイッチを切り、患者を死亡させていたことが14日、分かった。

患者の家族の了承は得ているが、北海道警は回復の見込みがないとした判断が不十分で、「安楽死」が認められない可能性もあるとみて、殺人の疑いで医師から事情を聴いている。

羽幌病院によると、男性患者は2月14日午後1時すぎ、心肺停止の状態で同病院に搬送された。
女性医師が心臓マッサージなどの蘇生(そせい)措置を実施した結果、心臓は動きだしたが自発呼吸は戻らなかった。
その直後、瞳孔散大などを確認した女性医師は、立ち会った患者の長男ら家族に「脳死状態で、回復の見込みはない。長くはもたない」と説明。
長男ら3人は一晩話し合い、翌15日「(人工呼吸器を)止めていただきたい」と強く希望したという。
女性医師は午前10時40分ごろ、人工呼吸器のスイッチを切り、約15分後、死亡を確認した。

佐藤院長は「一連の判断はすべて、女性医師個人がした。
葛藤(かっとう)もあったろうが、スイッチを切るべきではなかった」と話した。
安楽死問題をめぐっては、東海大「安楽死」事件で横浜地裁が1995年の判決で、生命短縮を承諾する本人の意思表示や耐えがたい肉体的苦痛がある-など安楽死が認められる4要件を示している。


難しい問題だ。
現在の医療では原則「安楽死」は認められていないため、一度つけた生命維持装置ははずせない。
つまり、一度人工呼吸器をつけると、元気になるか、心臓がとまるまではずすことはできない。

そのために、本人もつらい思いをしなくてはいけないこともあるし、家族も同様につらい姿を見続けないといけないこともある。

なにもしないで見届けることが幸せだと思えるケースも多々ある。
ただ、医師として命に関わっている以上、助けられる命は本能的に助けたいと思ってしまう。
ときにはそれが想像に絶する苦痛を伴うこともあるため判断はすごく難しい。


一度つけた生命維持装置は簡単にははずせない。
みなさん知っておいて下さいね。


安楽死・尊厳死についての参考HP↓
http://www.sal.tohoku.ac.jp/~shimizu/euthanasia/

東海大安楽死事件についてのHP↓
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8692/anrakushi.html