試練

不安定狭心症で緊急手術をしたおじいちゃん。
高齢者で心臓の機能もだいぶ落ちていたから術後の治療も大変だった。

人工呼吸器管理、中心静脈ライン、スワンガンツカテーテル、ＩＡＢＰ、ＣＨＤＦ・・・いろんなチューブにつながっている。

それでも治療のかいあってか、少しずつ回復の方向に。
ＣＨＤＦをやめ、ＩＡＢＰを抜き、スワンガンツカテーテルも抜去。
血圧の薬もほとんどきれて、人工呼吸器もあとわずかではずせそう。

そんなときにかぎって事件は起きる。

ここ数日、意識レベルが下がったような気がする。
鎮静のクスリは使っていたけど、話しかけると反応はしていた。
なのに鎮静のクスリきって一日たったあとにも目が覚めてこない。
いや～な予感。
その日は祝日だったけど、緊急で頭部ＣＴとりました。

あっ・・・。
思ったとおり脳出血の所見。
視床出血の脳室内穿破。
脳神経外科にコンサルトしたけど、保存的に様子をみる（何もしないで様子をみる）ことになった。

つい数日前に血小板が２０００まで下がるイベントがあった。
ＩＴＰ（特発性血小板減少性紫斑病）の疑い。
それが原因だったのかなぁ。
せっかく血小板の数も増えてきてたのに・・・。

神様ってのがほんとに存在するのであれば、なんでこんな仕打ちをするんだろう？
これ以上、なんの試練を乗り越えればいいの？
はがゆい気持ちでいっぱいになる。


「意識が回復しないことはない。」
今は脳神経外科のその言葉を信じて治療を続行している。