東京都新宿区の東京医大病院で昨年3月、骨髄液を採取する検査を受けた世田谷区の男性患者=当時(76)=が約2カ月後に死亡した医療事故で、警視庁捜査一課は24日、業務上過失致死の疑いで、杉並区に住む元同病院の男性内科医師(36)を書類送検した。

調べでは、この医師は昨年3月4日、骨髄系症候群の診断のため、男性の胸骨に針を刺して骨髄液を採取する「骨髄穿刺(せんし)」と呼ばれる検査を行った際、胸骨を貫通させ、針が心臓に到達。心臓を損傷させて心臓内に血液がたまり、同4月29日に男性を死亡させた疑い。

心臓の肺動脈と右心室の境界部分に直径5ミリ程度の穴が開き、検査直後に男性の病状が急変。医師らは開胸手術を行ったが、男性は意識不明のまま死亡した。医師は一回目の採取で骨髄液を採取できず、再度、力を加減せずに針を刺したため、心臓を損傷させたという。

医師は約300回の採取経験があった。医師は容疑を認めており、今年2月に同病院を依願退職した。


ベテランであってもこんなミスが起こるんですね。
観血的な手技(出血をともなうような手技)をするときは常にリスクを考えてしなくちゃいけません。

自分は、気胸か胸水の治療(胸にたまった空気or水を抜く治療)をしようとしてトロッカーというチューブをいれたとき、誤って心臓を刺して死亡させたというミスを聞いたことがあります。
これは研修医が起こしたミスでした。

通常、心臓の近くに針や管を刺すときは、先が進み過ぎないように左手(利き手の逆の手)で針や管をしっかりと持たなきゃいけないんですけどね。

経験をつんでくると、「これくらい大丈夫だろう」っていう慢心が生じるんでしょうか?
改めて基本に忠実な手技が大事だなぁと感じました。