昨日の朝一番から東京に来ています。

この写真は、10年以上前からお世話になっている都内の人気板蕎麦店。

本日の打ち合わせの合間に立ち寄りました。

 

昨日はわりとバタバタしていて、

コンビニのお弁当で簡単に済ませたのですが、

せっかく東京にいるのだから…ということで、

久しぶりの訪問になりました。

 

明日からは2日間、横浜にて1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座を開催いたします。

 

2日ともにやや余裕のある会場をご用意できたので、

各日10名様の定員で学びを深めていきたいと思っています。

ご参加くださる受講者の方々、どうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、今回の記事ですが、

論述試験でも面接試験でもテーマになることだと思います。

 

(ケースに入り込み過ぎないように)

と言われるなど、

事例指導者の役割を担う方は考え込んでしまうことがあると思います。

 

ケースについて

(どうしたら良かったのか?)

(他にどんなやり方があるのか?)

など、事例相談者の求めがそこにあるのに、

ケースに入り込み過ぎないようにするということが、

今ひとつ腑に落ちないと感じることがあるのではないでしょうか。

 

実はこのお話しは、そもそものその方の日頃のキャリア支援面談のあり方をあらわしているのかもしれません。

 

クライエントから

(これでいいのかわからない)

(どうすれば良いのだろうか?)

と相談され、その現象や事柄にとらわれ、

アドバイスをしようとしているシーンは頻繁に観察されることです。

 

つまり、ケースに入り込み過ぎないようにするということ自体を考えている時点で、

実際にはそれを意図して意識している、

すると、目の前のひとに集中できていないのではないかと考えることもできます。

 

これは私を含めたこの業界での講師の役割を担う者の表現による影響もあると思います。

 

また、ケースに入り込み過ぎないようにすることの意味が、

自然体でのモードとして備わっていない、

もしくは、

そうした次元でのモードになれるようにすることを学習者自身が求めていない…

というか、その感覚自体がわかっていないのかもしれないのです。

 

たとえば、事例相談者が「どうしたらよかったのでしょうか」と問うたときに、

事例指導者はその問いに対し「どうしたらよかったのかを一緒に考えましょう」と返すことがあります。

 

これは一見、共に考える姿勢を示しているようでいて、

実はその問いの背景にある

「なぜそう思ったのか」

「その問いが生まれた文脈は何か」

に目を向けることなく、表層的なやりとりにとどまってしまうこともあるのです。

 

事例に触れながら目的に沿っていく、

というのは、まさにこの「問いの背景」に目を向けることだと考えています。

 

つまり、事例相談者がその問いを発するに至った背景や、

そこにある価値観、経験、思考の癖などに丁寧に触れていくこと。

それが結果として、事例相談者自身が自らの支援のあり方をふりかえることにつながり、

目的に沿った学びになるのだと思います。

 

そのためには、事例そのものに入り込むのではなく、

事例を通してその人の支援観や姿勢に触れていく視点が必要です。

 

これは、単に「入り込みすぎないように」と自制することではなく、

もっと自然なかたちで、事例を素材としてその人の支援の本質に迫っていくということです。

 

このような視点を持つことで、事例指導者としての関わり方も変わってきます。

 

事例相談者の語りをただ受け止めるのではなく、

その語りの奥にある「その人らしさ」や「支援者としての成長の芽」に気づき、

それを丁寧に言語化していく。

 

そうした関わりが、

結果として「ケースに入り込みすぎない」状態を自然に生み出していくのではないでしょうか。

 

明日からの2日間の横浜での講座でも、こうした視点を大切にしながら、

事例に触れ、目的に沿っていく学びの時間を受講者様とともに創っていきたいと思っています。