今日は朝イチの飛行機で羽田空港へ飛んできました。

横浜行きのバスに乗るところです。

今朝の羽田空港は過ごしやすい気温です。

半袖で来たのですが、少し寒いかも。

これから企業様の研修、

明日は大学院のゼミの予定があり関東に来たのですが、

明後日のお昼間には福岡に戻る予定です。

さて、

今回のブログでは前回までの記事に引き続き、

１級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験の問５について検討してみたいと思います。

なおここで取り上げる事例問題はCVCLABのオリジナル事例です。

下記の通り事例をご案内いたします。

https://ameblo.jp/cvclab/entry-12935541976.html

問5　問4で挙げた事例相談者Ｂの問題だと思うことの中から優先するもの一つを取り上げ、事例指導（またはスーパービジョン）における具体的な指導内容を記述せよ。

ここで問われている「優先するもの」とは何を指すのか、

これは指導者の態度などとして顕著に現れるポイントにもなるのかもしれません。

この事例では、事例相談者Ｂ自身が振り返りの中で「気になっている」と描かれています。

Ｂは「具体的な解決策を見出すことができず」

「助言がいけなかったのではないか」

と自らのかかわりに疑問を持っている様子です。

これはすでに専門家としての内省の入り口に立っている状態にあるのではないかと感じます。

つまり、Ｂ自身が「何かがうまくいかなかった」と感じている部分に焦点を当てることで、

学習者としての動機づけが自然に生まれやすく、

学びにつながりやすいと考えます。

こうしたことを「優先するもの」として捉えることもひとつなのでしょう。

また、上記にお示しした問題点は、

キャリア形成支援者としての基本的な力ともいえる

「相談者の語りを深く聴く」

「背景にある意味や感情を読み取る」

「その上で適切な助言を構築する」

というスキルに直結しているのかもしれません。

これらは、

キャリアコンサルタントとしての専門性の基盤であり、

ここを強化することはＢの今後の支援全体の質を高めることにつながります。

さらに、事例記録の中でＡが

「俯きながら自信のない表情を浮かべた」

「次回面談に現れなかった」

という反応を示している（記録にしている）ことからも、

Ｂの助言がＡにとって十分に受け止められなかった可能性が考えられ、

支援の継続性に影響を与えた重要な場面であるのかもしれません。

このように、Ｂ自身の気づきと動機づけがすでに芽生えている点、

支援者としての基本スキルに直結している点、

そして相談者Ａとの関係性に直接影響した場面である点等から、

優先して取り上げることについて、

事例指導の目的に最も合致する点として検討したいものです。

例えば、ひとつの解答の表現内容として、

語りの背景にある価値観や感情の文脈を十分に読み取らず、助言が一般論となり相談者視点の問題の共有が不十分である点を優先。

Ｂが面談時にどのような意図で助言を行い、どのような反応を期待していたのかを振り返り、非言語での反応を観察している要点を事例から肯定的に取り上げる。例えば「建設業界に限った話ではない」という助言が、どのように受け取られた可能性があるかを考え、Ａの反応（俯き加減の表情や沈黙）を手がかりに、Ｂ自身の言葉の意図の伝わり方を想像する視点を育む。

Aの語りに含まれる価値観や感情の背景を理解する「相談者の言葉の選び方」「感情の揺れ」「非言語的な反応」などに注目する重要性を確認。

Aの語りからどんな意味づけを行い、支援の方向性を構築していくかを、具体的な場面を用いて検討。

この過程を通じ、Ｂが「相談者の語りを深く聴く」ことの意味を実感し、今後の支援において、助言にとどまらず、相談者の内面に寄り添う姿勢を育むことを目指す。

上記解答例の特徴ですが、

問題点を絞り「助言が表層的、一般的だったこと」に焦点を当てていることです。

またＡの反応を手がかりに、Ｂが自分の言葉の届き方を振り返るよう促していたり、

語りの意味づけや非言語情報への注目など、支援の質を高めるための基本的な視点を整理して提示していることです。

読者の皆様はどのように感じられたでしょうか。

もうひとつ私の考えに変化をつけて書いてみます。

相談者の内的照合枠を理解し、相談者視点での課題の共有度を上げることを優先する。

Aの深刻な表情や話し方、自身のない表情など非言語の情報を記録している点で、状況がイメージしやすいことを伝え、Aが将来に不安があったことを改めて振り返る場面作りを得る。

業界で長年にわたり活躍してきたとする語りから、Aがそこで語る意味をBに問いかけながら、Aがどんな内面や感情を抱いているのか、その枠組みをA視点で考えてみる。これによりAの自己イメージ自体を共視するイメージをもつ。「建設業界に限った話ではない」という助言が「励ますつもりで助言した」ことにつながっているか再評価。

「他業界でも同じ課題がある」「若年層への過度な苦手意識」等、B自身の見立てが先行した支援傾向に気付くタイミングで上記優先点を共有。そ　この気付きを他面談に置き換えた際、どこに意識することが重要か、課題がなんであるのかを双方で改めて明確化し継続的な振り返り機会を提供する。

この例の特徴は、内的照合枠（フレーム）という概念を用いて、

相談者の語りの意味を深く捉えようとしました。

つまり、非言語情報の記録に着目し相談者の状態をイメージする力を育てる指導ポイントがあります。

また、励ましのつもりで行った助言が、実際にどう伝わっているのかを再評価するよう促し、

キャリア形成支援者としての言葉の選び方に対する感度を高める意図があります。

さらに、Ｂの視点や価値観が、この支援にどう影響しているかを自覚してもらい、

他の面談への応用可能性を示している点があります。

前者の例は、設問に忠実で論点が明確なため、

試験としてみたとき適合性があるのかも…。

ただ、事例指導者としての深い問いかけや応用展開が控えめだと思います。

後者の例は、事例指導者としての問いかけの質を意識して書いてみました。

Ｂの内省と成長を促す構成として効果的なのかもしれません。

いかがでしたか？

これが正解とか不正解とかではなく、

また、試験に対して点が取れるとか取れないではなく、

自身の指導レベルキャリアコンサルタントとしてのあり方、

自分が指導者としてどうありたいのかを、自分なりに自分らしく表現していくことが本当に重要なのだと考えています。

どこをみて日頃から訓練を重ねているのか、

これは本当に大事なことになるように思います。

真にそれができることで１級は合格できるはずです。

人に何かを言われて自分の軸が揺れていくこともおかしなことではなく、

その自分らしさでいいではないかと自覚できる、

自分自身を本当に愛することができているのかが大きなポイントなのだと考えています。

ご一緒に学びを続けてまいりましょう！

１級CC論述「練習問題①」問５の考え方