最近CLOに関するニュースが良く流れてくる。投機的等級の会社に対するレバレッジローンが1.3兆ドルと金融危機時のサブプライムローンと同様に膨らんできているというニュースがあった。デフォルト率と回収率を低めに10%、30%と見積もったとしても7%の損失で、高格付けトランシェまでは食い込むような事態にはならないとは思うが、いずれにしても昨今のマーケットを考えると注視しておいた方が良いかもしれない。ただし、これはCLOの投資家が損失を被る影響というよりは、米国経済に与える影響の方が重要に思える。

 

ここまでCLOのサイズが拡大してきたということは、多くの会社が、高いレバレッジと比較的緩いコベナンツで、CLOからの資金調達に依存しているということを意味している。もし環境が悪化してCLO投資家が再投資を控えれば、こうした会社の資金調達に多大な影響が及ぶというのが主な論調である。ただし、CLOの償還が本格化するのは2024年以降とまだ先の話なので、今すぐに危機が訪れるわけではないだろうが、こうした会社がCLO投資家の動向まで気にしながら資金調達計画を練っているかどうかが懸念される。

 

ここで思い出すのは今年初めにニュース等によく登場した日本のCLO投資家の動向である。日本の投資家の動向は当然ドル調達コストに依存する。したがって、ドル円ベーシススワップの動向がCLO投資に大きな影響を与えることになる。同様に欧州投資家もCLOをの大きな買い手だが、こちらもユーロドルベーシススワップの動向に依存する。Bloombergニュースでも日本の投資家がレバレッジローン投資に占める割合が1/3(AAAのCLOに関しては半分から3/4)を占めるようになったため、USのハイリスクローンマーケットの行方は日本の投資家次第というような報道があったと思う。

 

こうなると米国経済を揺るがす事象として、通貨ベーシス拡大によるドル調達コストの上昇、デフォルト率の上昇(Buy and Holdの日本の投資家を不安にさせる程度の)、日銀の政策変更による金利上昇による日本の投資家の国内回帰と、日本発の要因がいくつかあるようにも思える。昨日も日本の金融政策が市場に対する最大の脅威というニュースがロイターに出ていたが、来年は日本の動向に注意が集まる年になるのかもしれない。