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 最近、「パリテ」という言葉をしばしば目にするようになり、どういう意味なのか調べてみますと、どうやら「同等」を意味するフランス語(parité)のようです。それなら現代物理学でいう「CP対称性」のPであるパリティparity(空間反転)と同類の単語で、理系に人間にとっては後者のほうが馴染み深いかもしれません。

 それはともかく、パリテとは選挙で候補者を男女同数にする政策の意味で用いられており、女性が社会進出しやすくするための手段のひとつといえるでしょう。

 今回の参院選における候補者は女性の割合が過去最高といわれていますが、各党別に女性候補者の割合を見てみますと、自民党が相変わらず男性優位(女性14.6%)で低調なのに対し、立憲民主党では女性がほぼ半数(女性45.2%)に達しているのが目を引きます。

 

 立憲民主党は女性候補者の割合が高いのみならず、とても活きが良く、古臭い政治家体質から隔絶した今風かつ一般社会人風のセンスを持ったクオリティの高い新人たちが続々と登場していることも注目されます。新しい感覚を頑迷固陋なオールド永田町に持ち込もうとしているそのような新人たちを、私はニューウェーブ候補者と呼びたいと思います。

 まあ私はそれほど毎日選挙にかかりっきりというワケではなく、比例区を含めた全国各地の参院選候補者を熱心にチェックしているワケでもありませんが、ただ何となくぼーっと生きていても否応なく耳目に飛び込んでくる魅力あふれる候補者たちが少なからずおりまして、前に書いた「れいわ新選組」を除くと、それはやはり立憲民主党に多いようです。

 

 選挙区が違うために直接投票行動に出るわけにはいかず、街宣を直に聴く機会もないけれど、私が日々密かに応援電波を送っている候補者は何人もおりまして、中でもとりわけ推し度の高い二人を今回は取り上げてみたいと思います。

 

 

亀石倫子(かめいしみちこ)

立憲民主党 大阪選挙区

 

  亀石さんは北海道小樽市に生まれ、東京女子大卒業後札幌の情報通信会社に入社。その後結婚に伴い、2000年に同社を退社し、大阪に拠点を移しました。

 2005年に大阪市立大学法科大学院に入学し、2008年に司法試験に合格。法律事務所に所属して弁護士活動を開始しました。これまでに担当した刑事事件は200件以上にのぼりますが、なかでも有名なのは2017年の奈良県警GPS捜査憲法違反事件(主任弁護士として最高裁大法廷で違憲判決)、クラブ風営法違反事件(最高裁で無罪確定)、タトゥー彫り師医師法違反事件(大阪高裁で逆転無罪判決)などです。

  表現・職業・プライバシーなど、憲法が保障する国民の権利や自由を守るために、彼女は刑事弁護士として国家権力と対峙してきましたが、多様化するライフスタイルのなかで複雑化する社会に対して、数多くの法律がすでに適合しなくなっていることを弁護士活動を通じて痛感してきたため、人々の暮らしを守り、ひとりひとりが自由に生きるために法を整備し直すべく、立憲民主党より今回の参議院議員選挙に出馬しています。

 

  これまでに亀石さんが担当した事件としては、奈良県警が容疑者捜査のためにGPS装置を違法に使用した件で、最高裁大法廷で違憲判決を勝ち取った裁判が最も有名で、「刑事弁護人」という著書にもなっています。

  しかし、私にとってより印象的だったのは、平成24年に大阪の老舗クラブ「NOON」が風営法違反で摘発された事件で弁護人を勤めたことです。風営法は、「設備を設け客にダンスをさせ、かつ飲食させる営業」を「風俗営業」とし、事前に公安委員会の許可を得なければ営業できないとされていますが、大阪府警は平成22年頃よりこの規定を盾に、公安委員会の許可を得ずに営業している「クラブ」を次々と摘発し始めました。

 戦後の混乱期に制定された時代遅れの法律を現在の「クラブ」に恣意的に適用して無意味な取締の強化を図る警察に対し、無罪を主張する被告の弁護団に彼女は加わり、最高裁まで争って最終的に無罪判決を勝ち取っています。また、タトゥー彫師に医師免許が必要だとする、明らかに馬鹿げた一審判決に対する控訴にも彼女は関わり、大阪高裁で無罪判決を得ています。

 

  これらの事件を見ても分かるとおり、彼女は市井に暮らす一般の人々の中でも、やや周縁に属する人々に強いシンパシーを抱いているようです。選挙公約を見ても、選択的夫婦別姓導入はもちろんのこと、同性婚賛成、養子縁組・里親制度の拡充、ナイトカルチャー支援など、通常の政治的視点から見逃されがちなマイノリティの人々に対する心配りが感じられます。選挙スローガン「自由に生きちゃダメですか」にはそんな彼女の姿勢が表れているようです。

  亀石さん本人は、背はやや高めで顔が小さく、見た目にはとても華奢でチャーミングです。声はソフトでやや低めですがとても聞き取りやすく、講演や演説を聴いていると詩の朗読を聴いているような心地よさを覚えます。それでいながら彼女が語る言葉の中には、何者にも怖じず臆せずに自らの主張を貫き通す芯の強さも感じられます。

 

 法律とは、私たちの自由な活動を縛るものというイメージがあり、また実際にそのような面もあるのですが、本来は私たちを強者や権力者らによる不当な圧迫から守ってくれるものであると私は考えます。なぜなら、どの法律も憲法の下にあるからです。しかし、権力者は時代とズレてしまった法律のスキを突いて私たちに圧力をかけてくることがあります。ですから、亀石さんのように現代社会の実情を知り、社会のマイノリティまで視野に入れる立法者が国会にはぜひとも必要だと考える次第です。

 

 

石垣のりこ(いしがきのりこ)

立憲民主党(野党統一候補) 宮城選挙区

 

 石垣さんは宮城県仙台市に生まれ、宮城教育大学卒業後、1998年にエフエム仙台に入社。以後、ラジオアナウンサーとして人気を集めますが、2019年に宮城県選挙区より参院選の野党統一候補として出馬しています。

 地域放送局のアナウンサーだった彼女は、これまで県外の人々にはほとんど無名の存在でしたが、今年5月に正式に出馬表明をすると、ツイッターなどのSNSを駆使した選挙戦術を展開し始め、瞬く間に全国にその名を知らしめました。

 党の方針とは独自に消費税の廃止を主張し、対立候補に直接討論を挑んでは鋭い舌鋒でベテラン議員を圧倒するなど、その果敢で一歩も後には引かない戦いぶりが評判を呼び、選挙区内のみならず、他県からも熱烈な支持者を得て今回の参院選の注目の的となっています。

 

  小柄でスリムながら、気合の入った顔つきで選挙区内を駆け回り、アナウンサー出身らしい滑舌の良い早口で小気味よく政策をまくしたてる彼女の姿は、同じ選挙区の先輩である鎌田さゆりさんが撮影した動画で毎日、というか日に何度もツイッターを通して全国に配信されており、すでに日本中に多くのファンを獲得しているようです。

 彼女は優秀なスタッフに恵まれているようで、選挙活動のはしばしに人々の心を掴むための細心の工夫がなされているのが目に付きます。凛々しい表情で正面を見据えた上の写真からして、内に秘めた沸き立つ闘志を感じさせ、つややかなショートヘアがまるでヘルメットのように見えてくるではないですか。

 頭の回転の速さと度胸の強さも相当なもので、公開討論会においてベテラン与党議員に対して引けを取らないどころか、政策面でも議論においても明らかに優位に立ち続けたほどの逸材ぶりでした。

 

 純白のスーツに身を包み、宮城の街や村を元気いっぱいに走り回り、地元の人々と交流する彼女の身体から発散されるポジティブなエネルギーは私たちにも活力と勇気を毎日分け与えてくれます。選挙が終わり、その姿がネット上で見られなくなるのが残念に思えるほどですが、彼女はきっと国会に活動の場を移して、溌剌と活躍する姿を見せてくれるに違いありません。

 

このフライヤーがとてもカッコイイ!

 

 

 この他にも立憲民主党には、東日本大震災における福島原発事故後に誰よりも精力的に東京電力の姿勢を問い続けているおしどりマコさん(比例区)、「筆談ホステス」として有名な聴力障碍者の斉藤里恵さん(比例区)、LGBT当事者として活動を続ける増原裕子さん(京都、野党統一)、元朝日新聞記者でメディアの堕落を糾弾する山岸一生さん(東京)など、魅力あふれる候補者が数多くおります。

 また、他党では共産党のたつみコータローさん(大阪)やベテランの仁比そうへいさん(比例)、それに忘れちゃならない小池晃さん(比例)らも見事に当選を果たすことを切に願っております。

 

(前回の続き)

 

反逆のコンビニオーナー:三井よしふみ(比例代表)
@reiwamitsui 

 

 元コンビニオーナー。

 明治大学を卒業し、三井住友銀行に入行。東京外為事務部を始め、ロンドン支店や国際総括部等各部所を経て早期退職後、高齢化社会で地域に密着した仕事を目指して千葉県内でセブン・イレブンを開業しました。

 ところが、大手コンビニフランチャイズチェーンの現場は予想に反して過酷な労働搾取の現場で、事業主として契約したにもかかわらず、毎日の売上金送金の強制、理不尽に高額な仕入れ価格、24時間365日休みなしの営業義務などの悪条件に低賃金や慢性的な人手不足が重なり、加盟店のオーナーたちは次々と体調を崩していきます。しかし仲間たちとともにコンビニ加盟店ユニオンを立ち上げ、本部に待遇改善や説明を求めてもまともな回答は得られず、多額の損害賠償を請求されるために辞めたくても辞められない状況でした。

 2014年9月、朝日新聞のインタビューでコンビニオーナーとしての苦境を赤裸々に語り、「戦うコンビニ店長」として知られるようになると、それを問題視したコンビニ本社から2016年4月に契約解除の通告があり、わずか2週間で閉店を余儀なくされました。
 その後、事業主という名目で無限大の労働を強いられ、本社からの搾取に苦しむコンビニオーナーたちの状況を改善させるべく、他国にはあるが日本のみが持っていないフランチャイズ規制法の制定を実現させるべく活動を開始しました。
 「勝ち組・負け組」という価値観のもとに、巨大企業が労働者たちを非人道的なまでに搾取する現代社会に反旗を翻し、「競争から切磋琢磨へ」をスローガンに、壊れてしまった日本の心を取り戻すべく、れいわ新選組から三井さんは立候補しました。
 

 

進撃のエコロジスト:辻村ちひろ(比例代表)
@chi3deyansu 

 

 環境保護NGO職員。
 辻村さんは環境保護団体職員として、世界自然遺産小笠原諸島の自然保護問題や、リニア中央新幹線による自然破壊、辺野古の埋め立て、国立公園での地熱開発、森林を破壊するメガソーラーなど、自然との共生とはいえない各地の保護問題の解決のために活動をすると同時に、自然環境保全法や、種の保存法など環境に関する法律をよりよくするためのロビー活動にも力を入れてきました。
 自然環境を保全することは、ただそこにある自然を守ることではなく、そこにくらす人たちの暮らしを守ることであり、「自然保護とは、人と自然の繋がりを守ること」だと彼は述べます。「景観は、歴史文化の繋がりを表したもの。それがなくなるということは、地域の自然、歴史文化がなくなること」であると彼は主張します。

 無駄な公共事情と環境開発により犠牲になっている弱者たちの立場を守り、「日本1個分の暮らし」すなわち持続可能な循環型社会を目指し、人と自然が正しくつきあうための環境政策を推し進めるべくれいわ新選組から出馬しました。
 

 

マネーのドラゴン:大西つねき(比例代表)
@tsune0024 

 

 元J.P.モルガン銀行資金部為替ディーラー。
 上智大学卒業後、、シアトル大学で政治科学を専攻し、J.P.モルガン銀行資金部為替ディーラーとして金融の最前線で活躍した経験から格差、貧困、環境破壊、戦争、病気などの多くの社会問題の根本に必ずお金があり、その発行の仕組みが原因となっていることを見抜き、巨大な搾取構造と化した現代の金融資本主義を根本的に変えるために株式会社インフォマニアや政治団体フェア党を設立し政治活動を開始しました。
 れいわ新選組の経済政策の支柱となるMMT理論、すなわち「政府の借金は国民の財産」であるという財政金融の仕組みを明快かつ理路整然と語るスピーチが多くの人々に驚きを持って迎え入れられています。彼は資本主義の限界を見据え、アメリカの「オキュパイ・ウォールストリート運動」やフランスの「イエロー・ベスト運動」などと連動する、これからの日本経済が向かうべき道筋を明確に指し示します。

 現代企業はコストを人間の作業活動に関わるものとしか計算していませんが、例えば石油や森林が地質学的時間の中で今ある状態にまでたどり着いた経緯をコストに含めるなら、自然資源を手当たり次第に採取し、安い労働力で製品を作り、消費者に高く売ることで資本家が利益を得るという資本主義経済システムが早晩行き詰まることは確実だと彼は述べます。

 また、税制に関しては、現在日本の分離課税(株式の売買や配当で得た利益)が最高20%であるのに対し、所得税の最高は55%に設定されており、なんの価値も生み出さない金融活動に比べて実際の労働が税制上は不当に低くみなされている現状を指摘し、1年以内の株式保有に対して高率に課税することを提言しています。
 私たちの経済の常識を次々と覆し、世界的に限界を迎えた資本主義経済を超えた未来への政策をキレの良い言葉で語る大西さんは、れいわ新選組の強力なブレインとなっています。
 

 

全身麻痺の万能人:ふなごやすひこ(比例代表 特定枠1)

 

 全身麻痺ギタリスト。
 株式会社アース副社長。
 ふなごさんは拓殖大学を卒業した後、酒田時計貿易株式会社に入社し、商社マンとして活躍していましたが、1999年、41歳のときにALSという神経難病を発症し、次第に麻痺が全身に進行。2002年には呼吸筋麻痺により人工呼吸器を装着、嚥下困難のために胃ろうを造設。現在は歯で噛むセンサーを用いてPCを操作して創作活動に携わり、意思伝達装置「伝の心」を用いて講演活動も行っています。また、立正大学文学部哲学科においてゼミ生の卒業論文の指導を行い、会社経営に携わり、音楽演奏デバイスを用いてギター演奏も行うなど、八面六臂の活動を続けています。


 ALS(筋萎縮性側索硬化症)という病気について簡単に解説しておきますと、これは神経系の病気の中でも「変性疾患」と呼ばれる原因不明、進行性の難病の一つで、主として脊髄の側索と呼ばれる領域にある脊髄前角細胞が徐々に変性萎縮していきます。

 神経系においては大脳前頭葉の一次運動野に身体の運動に関わる神経細胞(ニューロン)が存在しており、この運動神経細胞から軸索と呼ばれる長い繊維が出て脳幹から脊髄を下行し、脊髄前角において二次運動ニューロンにシナプス結合します(上位ニューロン)。この脊髄前角細胞から更に軸索が伸びて四肢の骨格筋に至り(下位ニューロン)、神経筋接合部を介して大脳から来る命令を筋肉に伝え、その命令を受け取って筋肉が意志に従って動くという仕組みになっています。

 ALSはその脊髄前角の二次運動ニューロン(下位ニューロン)のみが特異的かつ進行性に障害される病気です。ですからまず初めに手足の筋肉の力が落ち始め、次第に歩行ができなくなり、車椅子状態となります。両手の筋力も徐々に落ちて、腕を持ち上げたり物を掴んだりすることもできなくなります。病気が進行すると呼吸筋も麻痺して人工呼吸に頼らなければ呼吸ができず、水や食物を飲み込むこともできなくなるので胃ろうを造設してそこから栄養補給をするしかなくなりますし、もちろん言葉をしゃべることも不可能になります。
 しかしこの病気には「4ない症候」というのがありまして、認知症・眼球運動障害・感覚障害・褥瘡の4つは最終段階に至るまで出現しません。

 運動神経のみが侵されますから、感覚は正常に保たれており、また自律神経機能も障害されませんから褥瘡、つまり「床ずれ」もできにくいのです。眼球の意志的運動(随意運動)を支配する神経核は大脳のすぐ下にある中脳という部分にあり、神経細胞の変性はここまで及びませんから末期まで眼球運動のみは保たれます(顔面筋の運動を司る顔面神経運動核や舌・咽頭喉頭の運動に関わる神経核は中脳より下部にあるため、こちらは障害されます)。ですから進行したALSの患者さんは眼球の動きに反応するセンサーを備えたデバイスを用いて自分の意志を伝えることができるのです。また、大脳から脊髄前角に至る上位ニューロンもほとんど障害されませんので、知的機能も健常人と同様か、むしろより優れた患者さんも少なくありません。
 

 ALSについて長々と書いたのは、ふなごさんの能力について知ってもらおうと思ってのことです。ツイッターなどを見ますと、「重症障碍者に国会議員が務まるわけがない」などという、極めて愚かしい意見を平気で述べている馬鹿者を見かけたりするのですが、国会議員の仕事がどんなものか、そしてALSがどのような病気か少しでも分かっている人ならば、そんなツイートは恥ずかしくてできないはずですからね。
 適切な介助さえあれば、彼のこれまでの活動実績からみても、○山アホ高なんかの数百倍は有能な議員となれるに違いないと私は思っています。
 

 

怒りの肝っ玉おっ母:渡辺てる子(比例代表)
@teruchanhaken

 

 元派遣労働者・シングルマザー
 女性労働問題研究会運営委員
 レイバーネット日本運営委員
 ラストは「てるちゃん」の愛称でれいわ支持者たちから大人気の「最終兵器彼女」渡辺てる子さんです。
 渡辺さんは武蔵大学社会学部を中退後結婚しますが、25歳のときに2人の幼い子どもを残して配偶者が失踪し、シングルマザーとなります。そればかりでなく、彼女は下のお子さんを出産した直後はホームレス状態であり、生まれたばかりの赤ちゃんを抱えて寒空のもとで野宿をしなければならないこともあったそうです。

 仕事をしようにもどこもまともに雇ってくれる所はなく、保育園の給食調理や保険営業等の職を転々とし、途中母子心中を考えたほど追い詰められた時期もあったそうですが、40歳を過ぎてからようやく派遣の仕事に就きました。

 彼女は仕事をしながら独学で勉強を続け、いくつもの資格を取得しましたが、大学中退という学歴や子持ちのシングルマザーという立場から、いつまでたっても正社員になれず、2017年には16年以上働いてきた派遣先企業から一方的に雇止めを通告されます。二人のお子さんはすでに独立されているようですが、現在は認知症のお母さんの介護もされているそうです。

 まさに本人の言う通り、「貧困のエキスパート」である彼女ですが、その後女性労働問題研究会やレイバーネット日本の運営に携わり、主としてワーキングプアの労働者やシングルマザーの女性を代弁して社会に対し積極的に発言していくようになりました。
 弱者の犠牲や悲しみの上に成立する見せかけだけの経済的繁栄を批判し、生活保護も受けられずに餓死した人がいる中で、永田町で2000万円の飲食代を使って平然としている与党有力政治家たちを激しく糾弾する彼女の魂のこもったスピーチは、まるでシャウトするゴルペルやブルースの女性シンガーのようであり、その姿を現場や動画で観た人々のハートを鷲掴みにし、ソウルを熱くたぎらせています。

 

 

 以上、れいわ新選組のかた破りで、人間的な魅力あふれる10名の候補について、2回に渡って書いてみました。もちろんまだ書き足らないこと、言葉足らずのこと、もしかしたらちょっと勘違いしていることも多々あろうかと思いますが、今の私にできる範囲で精一杯書いたつもりです。

 来る7月21日(日)の参議院選挙では、ぜひ国民の大きな支持を受けて、この素晴らしい10名全員が当選してほしいと願っています。れいわ新選組に幸あれ!

 

(公式ツイッターより)



 

 いよいよ参院選投票日まで1週間を切ってしまいました。

 前回の記事に書いたとおり、私は山本太郎の街宣を生で聴いて大いに感銘を受け、以後彼と彼の立ち上げたれいわ新選組に注目し続けているのですが、7月初旬に発表された9名の候補者たちが、いずれも太郎さんに負けず劣らず個性的で魅力的な異端者ばかりでしたので、夜毎に彼らの動画やツイートをチェックしては驚いたり呆れたり笑ったりしております。

 とはいえ、ほとんどのメンバーが今回の参院選で初めて知った人々ですので、まだその経歴やキャラクターを十分には把握できていないのですが、もうあまり時間もありませんので、太郎さんを含む10名の候補者を「れいわ十勇士」と名付けて、できる範囲で人物紹介をやってみたいと思います。

 

 

情熱のカリスマ:山本太郎(比例代表)‎

 

@yamamototaro0 

 10代の時に芸能界入りし、様々な作品に出演して俳優として高い評価を得ていましたが、2011年3月の東日本大震災をきっかけに反原発運動を開始し、2013年7月に東京選挙区より参議院議員選挙に出馬して見事当選。その後小沢一郎らと活動をともにし、2016年10月より自由党共同代表となるも、政党の枠組みに縛られない自由奔放かつ国会の常識をくつがえす言動で世間の注目を浴びてきました。
 しかし、常に弱者の視点に立ち、政治の欺瞞と怠慢と傲慢にNoを突きつける一貫した姿勢が次第に人々の支持を集め、2019年4月、ついに単身独自の活動に踏み切り、草の根政治団体「れいわ新選組」を立ち上げて国政選挙に挑みます。
 彼が同士として選んだ驚くべき仲間たちは次の9人です。
 

 

琉球の嵐:野原ヨシマサ(東京選挙区)

@victory51565059 

 沖縄創価学会壮年部。
 20代で創価学会に入信し、30年以上も熱心な信者として活動してきましたが、自公連立の下で「大衆とともに語り、戦い、大衆の中で死んでいく」という公明党の立党精神が損なわれていることに憤りを覚え、2018年の沖縄県知事選挙で与党候補を推す公明党の方針に公然と反旗を翻し、玉城デニー現知事の応援に立ったことで全国的に注目を浴びました。
 今回の参院選では「善人の沈黙を続ける」心ある創価学会員の目を覚ますべく、山本太郎の東京都選挙区を引き継ぎ、同選挙区で立候補している公明党党首の山口那津男に戦いを挑みます。

 安保法制、共謀罪に賛成し、池田大作創価学会名誉会長の平和思想と真逆の方向に進んでいる公明党とその執行部の変節を厳しく批判し、党を平和福祉というヒューマニズムの原点に立ち戻らせるべく、また沖縄の民意を無視して強硬に辺野古新基地建設を進める政府を糾弾し、日米安保協定の下でそのマイナス面を一手に押し付けられている沖縄の現状を国民に広く知らしめるべく、日蓮仏法の平和思想を共有するれいわ新選組に、創価学会員のまま参加しました。
 東京での街宣現場では彼を支持する創価学会の三色旗が打ち振られ、「山口那津男とガチンコ対決」をすべく大胆にも信濃町の創価学会本部前で行うなど、本気の戦いが繰り広げられています。
 素朴な雰囲気の中に熱い情熱を秘めたその言動に、多くの支持が寄せられています。
 

 

鋼の匕首:はすいけ透(比例代表)

@1955Toru 


 元東京電力社員で、2002年に日本原燃に出向し、燃料製造部副部長として核廃棄物再処理(MOX燃料)プロジェクトを担当、2006年に東京電力原子燃料サイクル部部長(サイクル技術担当)に就任し、日本の原子力発電の政策と現場に彼は深く関わってきました。同時に北朝鮮による日本人拉致被害者の蓮池薫さんの実兄として拉致問題においても精力的な活動を行ってきましたが、北朝鮮に対して強硬姿勢を取り続ける「家族会」や「救う会」主流派としだいに意見の違いが大きくなり、2011年には家族会を退会しています(東電は2009年に退社)。
 その後、原発問題と拉致被害問題の裏を知り尽くした男としてフリーの立場から鋭いコメントを発信し続けており、2015年に出版された著書「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」の中で、安倍晋三を拉致問題を政治的に利用してのし上がったと糾弾し物議を醸しました。また、原発問題に関しても、原子力関連業務に長年携わっていた経験から、福島第一原発事故を当事者の目線で分析、考察し、原発の危険性とその廃止を世間に広く訴えています。
 知的でクールな雰囲気ながら、ツイッターでは「原子力ムラ」による被災地対策の欺瞞を暴き、自民党塚田(忖度)一郎が弟の薫さんを「被害者の声を訊きたい」と訪ね、最後に薫さんに向かって「一体いくら欲しいんですか?」と言った驚愕の事実を暴露し、「理不尽なことには、暴力以外で身体を張り阻止します」と熱血漢ぶりを見せる彼は、必ずや安倍政権と与党の急所をえぐる鋼の匕首となるでしょう。
 

 

越境する魔術師:やすとみ歩(比例代表)

‎@anmintei 

 東京大学東洋文化研究所教授。

 京都大学大学院経済学研究科より経済学の博士号を取得し、博士論文『「満洲国」の金融』で第40回日経経済図書文化賞を受賞。その後名古屋大学助教授、東京大学助教授、東洋文化研究所准教授を経て現職に至るという、すごい経歴の持ち主です。しかし私は経済学に関してはまるっきりの素人ですので、彼の専門領域に関しては解説できませんのでカンベンな。

 前にも書きましたように、私はれいわ新選組の候補者のほとんどを今回の立候補で初めて知ったのですが、その中でも一番のけぞったのがこの安冨歩(あゆみ)さんでして、雨宮処凛さんのネットマガジン「れいわ新選組、怒涛の当事者候補大作戦!!の巻」において、「隣にいる山本太郎が常識人に見える」と適切にも評されたほどの異次元候補です。

 選挙運動が始まると、さっそく馬(ユーゴン君という綺麗なセラピーホース)を連れて東京の街を闊歩する、音楽を奏でながら子どもたちと戯れる、銀座の歩行者天国で通行人に仕込んだダンサーたちにいきなりマイケル・ジャクソンの「スリラー」を踊らせるなど、まるで街なかに楽しい祝祭空間を立ち上げるような、実に自由気ままな活動がネット上で評判になっています。

 

 安冨さんの深遠な思想を紹介するのはとても私の力量の及ぼところではないのですが、まあ現在理解できていると思える範囲で申しますと、彼は現代の都市の生活空間は記号化されてしまい、私たちの生活はシステムに支配されてしまっていると主張します。システムとは単に安倍政権というのではなく、安倍総理も麻生副総理もそれに操られる傀儡でしかないような、私たち個人にはとても到達不可能な仕掛け、すなわち国民国家です。そのシステムが私たちに子供から大人に育っていくうちに強迫観念を植え付け、大人たちはそれに脅されて生きていると言います。安倍総理や麻生大臣が平気で無茶苦茶なことをやり続けるのも、彼らがその強迫観念に怯えているからだと安冨さんは喝破します。

 それというのも、安冨さん自身、進学校から一流大学に入学し、一流企業に就職し、学問の道に転身しては若くして名誉ある賞を獲り、東大教授にまで上り詰めながら、そのキャリアを通して生の実感を得ることなく、キャリアアップするたびにただ「生き延びることができた」と一時的な安堵感を覚えるのみで、「どんなに登り続けてもゴールの見えない断崖絶壁を、一人、延々と登り続ける孤独と不安」を抱えつつ、「挑戦することをやめると気が狂いそうになる」ために「たびたび沸き起こる自殺衝動に長らく悩まされてきた」からです。

 安冨さん自身を脅かし続けてきた強迫観念は、両親から植え付けられた「兵士となって国のために死ねる男らしさ」であり、離婚とそれに伴う両親との絶縁をきっかけに彼はその正体に気づき、さらに2013年から始めた「女性装」によりその呪縛から開放されました。

 ですから安冨さんのメインとなる主張は、私たちのような怯えに突き動かされる大人たちを作らないために、システムの洗脳から「子どもたちを守れ!」ということです。そして記号化された都市空間を異化するために、東京の街に馬を連れ、音楽を奏で、歌い踊る選挙活動を行っているのです。

 また、国会議員としての使命を果たす準備もすでにできており、2002年に刺殺された石井紘基衆議院議員の遺志を引き継ぎ、議員が権限として持つ国政調査権を駆使して日本の財政支出、特に特別会計の調査を行う意向を述べています。

 

 女性と男性、大人と子供、アカデミズムと大衆文化、人間と動物等々、さまざまな対立概念の間に引かれた境界線を気ままに乗り越え、システムの呪縛によりいつの間にか生きづらくされている私たちの思考に風穴を空けて自由な風を吹き込ませてくれる安冨さんについて書き出すと面白すぎてホントにキリがありませんので、後はご自身でチェックしてみてください。

 

 

車椅子の熾天使:木村英子(比例代表 特定枠2)

@eikokimura

 全国公的介護保障要求者組合・書記長。
 全都在宅障害者の保障を考える会・代表。
 自立ステーションつばさ・事務局長。
 木村英子さんは生後8ヶ月の時に歩行器ごと玄関から転落し、頚椎を損傷。以後、脳性麻痺も加わり首から下が麻痺した状態となり、6歳のときに養護施設に入所し、高等部卒業までのほとんどの時期を施設と養護学校で過ごしてきました。しかし19歳のときに施設を出て自立生活を始め、今日までさまざまな人の手を借りながら地域で暮らしてきたそうです。

 現在の社会で重度障碍者が自立して生活をしていくのがどれほど大変なことか、私たちには想像も及びません。彼女は自ら障碍者政策を学び、仲間とともに障碍者運動に携わり、1994年に東京都多摩市に「自立ステーションつばさ」を設立しています。

 「生産性ではなく、いかに、存在しているだけで人間は価値があるかという社会を実現するために政治がある」というれいわ新選組の思想のもとに、今回の参議院選挙に立候補しました。それには福祉政策の改悪により、高齢の障碍者が介護保険の枠組みに入れられて十分な介護が受けられなくなり、生活が危機にさらされているという現状を自らの手で変えたいという木村さんの強い意志が働いています。
 雨宮処凛さんの記事からの引用ですが、とても良い話があります。

 会見で、彼女は現在の障害者施策の問題点に触れつつ、「自分の身体をもって、政策を変えてもらいたい」と語った。また、その後の太郎氏の発言も印象的だった。
 木村さんは、自身が出馬することによって、太郎氏が「障害者を利用してる」というバッシングに遭うのではないかと心配していたのだという。これに対して、太郎氏は一言、言った。
 「上等です。障害者を利用して、障害者施策を進めようじゃないか」

 れいわ新選組は比例区特定枠、すなわち比例区候補者名簿のうち得票数にかかわらず優先的に当選が決まる枠組みに木村さんと、後の述べるふなごやすひこさんの2人の重度障碍者を充て、山本太郎自身は非拘束名簿の比例区から出馬するという作戦に出ました。これはまさに太郎さん自身が述べた言葉通りでして、現実的にほとんど選挙活動ができない2人を比例区で優先し、1人か2人は確実に重度障碍者を国会に送り込もうというとても優れたやりかたです。

 現在バリアフリー化がほとんど進んでいない国会施設に重度障碍者の国会議員が誕生すれば、施設構造の見直しや介助者の付き添い方等に関するルールの変更が否が応でもなされざるを得ませんし、「私たち抜きに私たちのことを決めないで」という障碍者運動のスローガン通り、当事者自身による障碍者政策が作られることになるからです。

 しかし、一方ではかなりの得票数が取れなければれいわ新選組の中心である山本太郎は議席を失うことになるという、背水の陣ともいうべき作戦ですので、自分の議席を保つことよりも、大事な同士を国会に送り込むことを優先した山本太郎の侠気に感じ入った次第でした。
 

(続く)


*参考:マガジン9 雨宮処凛がゆく!第487回:れいわ新選組、怒涛の当事者候補大作戦!!の巻
https://maga9.jp/190702-2/

 


*「障碍者」という表記について:

 木村さん自身は自らの経歴やツイートで「障害者」という表記を使っており、雨宮さんの記事もそのままの表記にしてあります。私自身もこれまであまり気にせずに「障害者」という表記を使っていたのですが、木村さんやふなごさんの記事を読んだり動画を見ているうちに、「障害者」という表記がなんだか「障害物=邪魔物」と同様に思えたり、「害」という文字が「害虫=悪い、損害を与える虫」を連想させるようになってきましたので、その表記を使うのがなんとなく心苦しくなり、自分の文章では「障碍者」という表記を用いています。もっと良い言葉があればいいのですが。