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ホストファミリー体験日記

日本で海外からの留学生を受け入れるホストファミリーを始めて10年が経過。いつの間にかゲストは25人を超えました。日本は狭くて、やっぱり世界はどこまでも広い。文化の違いに戸惑い、思考錯誤しながらの留学生との生活はどうして??だらけ。そんな多文化な日常の記録です。

「ホストファミリーに温泉に誘われた。全員一緒の温泉に入るらしい。ホストファーザー、ホストブラザーは分かるけど、ホストマザーやホストシスターも一緒。僕はどうしてもそんな勇気が出ないんだけど、どうしよう?.....これって日本では普通のこと??」

.....日本でホームステイしている外国人が、ネットの掲示板に書いた質問。


普通じゃないやろ....。男子留学生がホストマザーやホストシスターと一緒の温泉に入るなんて。留学生の勘違いじゃないの?

書き込みから数年が経過している。複数の外国人がアドバイスしていたけど、日本人からのコメントはなかった様子。

「普通じゃないです。」と書きたいけど、もう遅すぎる。





フランスからの留学生が帰国して間もなく、香港から30代既婚女性が我が家にホームステイする事に。1週間の超短期。子供はいないらしく、今回独りで日本へ。共働きでかなり...というかものすごーく裕福そう....。

アジア人、既婚、同性、歳も(まぁまぁ)近い。新鮮!!超楽しい~。やっぱり親近感が違う。何だか友達と旅行している感覚。自分の家だけど、私の生活はいつもと変わらないけど、ご飯を一緒に食べたり、シャワーの時間の譲り合いをしたり、お互いの家族の事を話したり。

なぜだか分からないけど、アジア人と一緒にいると空気感、距離感がしっくりくる。欧米人がホームステイしている時は、何となくだけど、ある意味違う人種だとどこかで割り切っている自分がいる。

彼女は日本のTVドラマが大好き。勿論私よりも詳しい。私が唯一見ているドラマは大河ドラマだと言うと、「篤姫から全部見ています。大河ドラマに出てきた名所を見て回るのが楽しみです。」と。.......見習わなきゃなぁ。

1週間。すごく短かいけど、彼女はまた近いうちに日本に来そうなので、何だかいい友達になれそうな気がするなぁ。


180811
我が家にホームステイしていたフランス人の話。

彼はある日、阪神タイガースとどこか(忘れた)のチームの野球の試合を見に行った。野球に興味がある印象は受けなかったけど、そう言えば、グラウンドで学生が野球をしているのをずーっと見ていたって言ってた事もあったな。

「試合はとても面白かった。」らしい。
「あんなに幅広い年齢層の観客がいるなんて、フランスでは考えにくい。」ってさ。

聞いてみると、どうもフランスで野球は全くないらしい!
かなり驚いた。
日本の価値観ににどっぷり浸かっている自分に気づいた。
日本の常識イコール、世界の常識ではない!のを思い出した。
「ヨーロッパ全体で野球ってないと思う。」との事。

「日本で一番人気があるのは野球で、歴史も古いから幅広い年齢層の観客がいるんだと思う。サッカーは最近どんどん人気が出てきているスポーツで、若い観客が中心。」と言ってみた。
「サッカーはフランスですごく人気がある。でも、どちらかというと低所得者層のスポーツ。フーリガンがいたりして少し危険だから、僕の家族は、僕がサッカースタジアムには近づいてほしくないと思っている。」

.............................(笑)。

彼はテニスをする。彼の第一印象があまりにも典型的なテニスプレーヤーのイメージにぴったりだったので、テニスをすると初めて聞いたときはそれっぽ過ぎて吹き出しそうになったくらい。

「テニスは?」
「テニスは高所得者層のスポーツ、かな。」

スポーツの世界でも結構根強いクラス階級意識があるとみた。


120811
我が家にホームステイしていたフランス人が帰国のために空港行きのタクシーに乗って行って約30分程した頃、何気なく彼のデスクの引き出しを開けると、ハードディスクの様なものと、DVDプレーヤーの様なものが入っていた。まぎれもなくこれは忘れ物だ!

彼は休み中にも関わらず、大学からの提出物に追われていた。毎日かなり必死でそれをこなしていた様子だったので、なにか大切なデータが入っていたらどうしようと思い、とりあえず彼を乗せて空港に向かったタクシー会社に連絡してみた。彼は日本でつながる携帯電話がないので、直接連絡のとりようがない。メールを送っても、空港まで行かないとWifiはないし、どっちにしても遅すぎる。ま、空港に行く前に連絡がとれたところでどうしようもない気もするけど......。

タクシー会社の電話口の女性は、
「一度出発した車に連絡する事はできません。運転中に電話を受ける事はできませんので。」
そらそうだわな......。
「じゃあ、もし運転手さんに連絡が取れたら、でいいので、メッセージを伝えてもらえますか?」
ということで、一応事情を話して、
「何かハードディスクっぽい忘れ物があるみたいだけど、これはとても、とても重要なもの?どうしても追いかけて届けてほしいなら、とにかく連絡ちょうだい。」
ってな事を言ってもらうことにした。っていっても、追いかけても間に合うか分かんないけど......。私も今日それで1日つぶせる程暇じゃない。

でも、電話口の女性は事情を聞いて、ちょっと同情してくれた気が。
「連絡を取ってみます。折り返しお電話します。」

で、結構すぐに折り返しの電話が。
「ドライバーに連絡できましたので、メッセージを伝えました。私は英語が堪能ではないのでうまく伝わったか分かりませんが.......。どうしても必要なものではないので、届けに行く必要はないとのことです。出来れば郵便で送ってほしいと言っていました。」

例外的に動いてくれた電話口の女性に感謝。あっさり断れたのに、ここまでやってくれたのでかなり感動。「英語が堪能ではないので.....。」と言った割にはきちんとした答えを聞き出しているし。(彼の英語は相当聞きづらい。電話でよく会話できたなぁ、と内心感心。ははは。) ま、とにかく後でメールで確認しよう。と思って、丁寧にお礼を言って電話を切った。

すると約1時間後に電話が鳴った。
空港に着いた彼からだった。
「忘れ物の事でタクシー会社に電話してくれてありがとう。迷惑をかけてごめん。どうしても急ぎで必要なものではないんだけど、可能なら郵便で送ってくれたら嬉しい。」
おぉ、タクシー会社の電話口の女性は完璧だった。
上司宛にお礼のメールでも入れたい気分になったけど、電話口の女性の名前を覚えていない.....。メモっておけば良かった。


110810
今朝ついにフランス人留学生が帰国した。
しんみりした雰囲気になる事は全くなく、
毎朝の「いってきます」と全く同じ感覚で。
いつもと違うのはタクシーが彼を迎えに来た事と、
スーツケースを持って行った事ぐらい。

晩ご飯に彼が帰って来ないという事さえ
いまいちまだ信じられない。

今回は色んな意味でいつもと全然違ったと思う。
私が彼にしてあげた事は(私の感覚では)ゼロに近くて、
彼に救われたと思う事が何だかとても大きい。

彼は人間ができすぎていて、
逆に私が自分の小ささに自己嫌悪に陥ったり、
恥ずかしいと思ったり、
悔しかったり。
そしてそう思う自分がとても嫌になったり。

だからこそ、
うまく気持ちを表現できず、
伝えたい事をたくさん残したまま
さよならしてしまったな、と思う。

彼としばらく生活していると、
いかに温かい家庭で育ったか本当によく伝わってくる。
そして自分の限界まで頑張って、それをやり遂げた時の達成感もすでに知っている。

どうやってこんなコを育てたんだろうと思うと、
彼のお母さんを尊敬せずにはいられない.......。


090811