地球の未来は暗そうだ
科学者たちが系外惑星を研究する主な理由は、私たちの太陽系の進化について理解を深められるのではないかと期待するからだ。マンサー氏は、この微惑星はかつて地球のような惑星だったと考えているが、そうだとしたら、地球の未来は暗そうだ。
この微惑星の主星の燃料が尽きて膨張しはじめたとき(太陽に似た恒星の多くが、生涯の最後にこうなると考えられている)、主星の巨大な重力により、すぐ近くを公転する惑星はバラバラに引き裂かれて岩石質の核だけになり、その周囲を取り巻く瓦礫の円盤ができた。マンサー氏は、地球の最後も同じようになると考えている。(参考記事:「銀河系の中心に星の墓場を発見、謎のX線を放出」)
「今から約50億年後に太陽が燃料を使い果たして膨張すると、水星と金星、おそらく地球も、太陽にのみ込まれてしまうでしょう」と彼は言う。「火星、木星、土星、小惑星帯などの天体は生き残るでしょう。ただ、質量を失ったり、太陽が白色矮星になったりするので、公転軌道は大きくなるかもしれません」
米コーネル大学カール・セーガン研究所の所長である天体物理学教授のリサ・カルテネガー氏は、今回の研究には関与していないが、地球が微惑星になったとしても悪いことばかりではないかもしれないと言う。白色矮星のまわりを公転する微惑星どうしが衝突すれば、やがて融合して新たに安定した惑星を形成するかもしれないからだ。このプロセスを検討した彼女は、再形成された惑星に生命が誕生する可能性もあると考えている。
「白色矮星がさらに冷えたあとも、こうした惑星は数十億年も穏やかな条件を維持できることがわかっています」と彼女は言う。新しい惑星が誕生すると、最初は表面の水が失われるかもしれないが、彗星の衝突などにより、生命を育む水が再びもたらされるかもしれない。「高温で乾燥したゾンビ惑星の代わりに、再び生物が誕生できるような惑星が形成されるかもしれません」と彼女は言う。(参考記事:「惑星の破片をむさぼる「ゾンビ星」を観測」)
「この論文は、若い白色矮星のまわりの微惑星から惑星が形成されるしくみの解明に向けた最初の一歩になるのです」
マンサー氏は、今回の分光法を、ガス円盤を持つほかの惑星系にも適用してみたいと考えている。そうした惑星系には、惑星のライフサイクルを知る助けになる微惑星がもっとあるかもしれない。「次の微惑星を探したいのです」と彼は言う。
