以前も中小企業の事業承継について書いた。
今回は視点を変えて、最近の事業承継について書いてみる。
中小企業の経営者に伝えたい事だ。
まず一言で表現すると最近の事業承継を取り巻く環境は酷い。
事業承継は国としても課題だ。
その為、経済産業省も対策を打っていると思うが、中身は単に丸投げに思える。
また、M&Aの仲介会社も以前書いたように流行りの商売になっていて殆ど中身が無い。
まだ、ろくに世の中の事も分かっていない若い営業マンがDMでアポを取って営業に向かう。
そして経営者相手にまともな話も出来ない。
さて、今回最も言いたい事は・・・ファンドについてだ。
中小企業の事業承継を大義名分としているファンド会社がいて、経産省からの助成金も受けている会社もある。
おそらく経産省は金だけ出して何もチェックしていないと思われる。税金なのに・・・。
もし事業承継を考えている中小企業の経営者の方々がいたら声を大にして言いたい。
つい外部を頼ってしまいがちだが、会社の中から後継者を出すのが一番良い。
おそらく10年程度は教育としての準備期間が必要になるだろう。
それでも外部から社長を連れて来るより数十倍も良い。
また、どうしても内部から後継者を出すのが難しい場合は社長候補を採用しても良いが、
少なくとも3年は社長にせず、管理職として働いてもらうのが良いと思う。
中小企業は社長が何でもやるのが当たり前。
おそらく創業社長は、そうしたはずだ。
それなのに、会社の事を良く分かっていない人間に、いきなり社長を任せても絶対うまくいかない。
万が一、上手くいくとすれば、100人に1人程度の確率ではないか。
今、日本電産、ソフトバンク、ファーストリテイリングなど創業社長の大企業でも
後継者が見つからない。なぜか?外部から連れて来るのが一番の原因だろう。
とにかく、ファンドは百害あって一利なし、だ。
結局、ファンドは買って、利益を乗せて売るだけ。
しかも買った後に何もしない。というより出来ない。経験も知識も能力も無いから。
買う前に話していた事など守る事も無く、すぐに売る。
これは実際の体験談。
役人は何も責任を感じておらず、適当な仕事しか出来ないんだなぁ、と呆れる今日この頃だ。