コペン、アウターバッフル製作解説 | カスタマイズファクトリーNACKSのようやく書き始めたマニアックブログ

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埼玉県上尾市のカスタマイズショップNACKSです
オーディオ、モニター、LED、アクリル、アルミ、カーボン・・・
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より刺激的なものに致します

そういえばACG東北が終わった後に突如撮影をさせてもらえないかとのオファーが。


載れるものならなんでもお願いしたい自分は早く帰りたいであろうお客様にお願いして撮影がありました。



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昼間のイベントでは発揮されないLEDパワー全開です。


しかも撮影といよりビデオ撮影。


なんとこれはDVDになるらしいです。


カスタムカーの付録になるそうですが、カットされていれば映っていませんが、採用されれば自分の明らかになれていない解説付きです。


言いたいことの10%も言えていませんが、ブログでは50%は言っているつもりなのでこちらをご参考下さい・・・。


ナイトイベントでこういった車を10台くらいならべさせてもらったらどんな感じですかね。




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すでに終わってしまいましたが、コペンのアウター作業がありました。


NACKSで言えばシンプルな部分アウターです。


しかしNACKSで言えばということで、その造形はこだわるポイントがいくつもあります。


ご紹介しましょう。



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NACKSでは普通の光景、痛車の方です。


アニメも好きな自分としては痛車の方はウエルカムです。


自分のは痛車だからプロショップへ行きづらい・・・、と思われている方。


たぶんNACKSは日本でもトップクラスで来やすいショップだと思います・・・。ご用は中島までご用命ください。

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部分アウターは一体成型とは違い、別のパーツでアウターのパーツを作るために精度は重要です。


精度が悪いとパーツと内装パーツの合わせ目に隙間が出来てしまい、格好悪いです。


さらに純正のスピーカーの位置で作成しようとすると形がおかしくなることもあります。


妥協するならスピーカーの穴の位置を変えないでやるのですが、コペンに関してはスピーカーの穴の位置は16cm以上のスピーカーを入れるのであれば変えないと全然格好よくなりません。


なんで変えるのかも併せてご紹介できればと思います。


まずはアウターパネルのデザインを考えるべくマスキングします。


このマスキングの上からサインペンでデザインを書きましょう。



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この時点ではボツです。


格好良くもなんともありません。


これは内張りのラインを参考に線を引いたのですが、このパターンでは全く駄目でした。


仕方ないので違うことを考えましょう。



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ピラーツィーターはエダ君の担当です。


彼に任せておけば間違ったものは作りません。実に安定している。


後は今後どれだけはっちゃけてくれるかに期待しましょう。



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そしてデザインはいきなり決まってしまいます。


ここまで結構いろいろ考えたのですが、まず穴の位置はデザイン優先で決めています。


これはドアの鉄板側が穴位置をある程度動かしやすい形状だったためデザイン優先にしています。


デザイン優先ということでどういうことかというと、あらゆるラインとスピーカーの円が極力等間隔にあるように円の中心を決定するということになります。


スピーカーの周りのアウターパネルの幅がまちまちだとほぼと言っていいほど格好悪くなります。


しかしこれを優先すると純正スピーカーの穴位置では合わないことが多くなります。


特にコペンは穴位置が3cm以上はずれるのでインナーから穴位置をかなり変えないといけません。


鉄板を切るなどいろいろ面倒くさいのですが、格好良さと音の良さで妥協をするのならうちのような店はいりません。



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デザインの完成したパネルを複製します。


ここでは3枚必要なために長い板に直接マーキングしてカットします。



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ルーターでなんちゃらはもう何度もご紹介しているので省きます。


同じ厚みの板が3枚できました。


2枚はパーツとして、1枚は中のパネルを作成するためのベースとして使います。



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空いている穴は内径円です。


パネルになるパーツはスピーカーの外形円でないといけないのでルーターで拡大していきます。



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スピーカー外形が入るパネルが完成しました。


どいういうことかというと・・・。



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下に引いているのはスピーカーの内径円。上は外形円です。


これでスピーカーは引っかかり固定されるわけですね。



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これまたいつも通りメス型を作りますが、直線を使っているのは一辺のみです。


後は微妙に曲線なのですが、微妙に、というのが一番精度を出すのが難しいのです。


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このようにオスメス型を作るのはパネルを作る基本となります。


しかし最近は全く失敗せずに安定した精度で作成することが出来るようになりました。


昔はこんなの人間技じゃないと思っていましたが、やり続ければ凡人でも十分できるレベルです。


ただ何度もやらなければこういう精度は出せるようになりません。




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ということでパネルが完成いたしました。


円からパネルの外周ラインへの距離がある程度均等なのがお分かりでしょうか。


今回のポイントはここです。


出来たものを普通に見てもたぶん幅が均等なのは当たり前で普通にしか見えません。


しかし実際にはかなりの努力によってこれが実現されていることもあります。


今回の場合は下へ下げるだけではなく、進行方向にも動いています。


運転席で言えば左下にかなりずれました。


しかし我ながら今回はいいデザインになったと思います。



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このように斜めのラインから曲線のデザインが入っていますが、実はこのプレスラインに枠がかかってきます。


スピーカーの位置とパネルの幅を考えるとこのプレスライン上にアウターパネルの枠が来てしまうのは仕方がないことでした。


であればちょっとこだわってここをデザインの一部としてしまいましょう。





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このように枠の一部を上面だけベルトサンダーで成形します。


上面だけ綺麗に成形し、後はルーターでベアリングを綺麗にした面に当てればあっというまにラインにそってカットが可能です。



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どういうこっちゃというとこういうことです。


パネルのデザインを優先するとこのようなことをしないとスマートにアウターが出来ないのです。


こうして出来たアウターはおそらく自然な仕上がり。


しかしながらカスタムで言う自然さはそれはそれは大変な努力の上に成立していることをご理解いただければ幸いですね。





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アウターパネルはひっくり返して段つきにします。


この段つきがポイントで小さくなったサイズで内張りに穴を開ければ引っかかりが出来、パテを対して使わなくても段つき構造が作成可能です。


出来る限り薄いことが理想ですが、薄くし過ぎると枠の部分の強度が落ちることもあるので調子のよいところまで段つきにします。



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後は段つきの小さいほうで内張りにマーキングをし、このラインでカットします。


自分は普段の生活からは考えられないほど繊細にカッターで何度もなぞって切り落とします。


精度は多分これが一番高いですね。



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段つきをつけてはめ込めばこのような感じに。


さきほど枠側をけずっていたのはこのような状態にするためです。

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純正のラインとアウターのラインを融合させることでより自然さを出します。


ある程度ラインがでれば後はパテで微調整します。



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内張りは平らではないため、隙間の空くところと密着したところがでます。


パテで埋めるわけですが、削ったMDFの小口面はパテがのりづらいのであらかじめ樹脂を先に入れておいてパテとの食いつきを飛躍的によくすることが出来ます。




今日はここまでです。他にも作業写真がたまっておりますので、順次ご紹介しますのでお楽しみに。



それではまた!