2代目フィットに乗り込んで、まず目に付くのが上部が広大なダッシュボード。


旧型のNewビートルを思い出します。


「なぜこんな無駄なスペースが?」

と一瞬思ったのですが、これは無駄ではありません。


短い全長でキャビンスペースを最大化すべくスカットルをギリギリまで後ろにする一方、空力向上を図ってフロントウィンドウ下端をノーズ付近まで伸ばした結果でしょう。


しかしそう理解しても、貧乏性の私はこのスペースが気になって仕方がありません。


「もっと窪みを作って色々な物が置けるようにすれば…」


と思いますが、ダッシュボード上に物を置くのは危険ですからね。



グラスエリアが広いので開放感がある一方、自分の体がむき出しになっているようで不安感もあります。


そういえばかつて友人が所有していたシビックも「むき出し感」が気になったことを思い出しました。


ホンダはグラスエリアを広くしてある車が多く、設計上の特徴なのかもしれません。



ウレタンのステアリングは断面が楕円形(刀の柄みたいな感じ)で握りやすい。


エンジンのレスポンスはまずまず。可もなく不可もなし。


ハンドリングもごく普通で、ホンダ車だからと期待すると少し当ては外れます。


グラスエリアが広いデザインゆえか、ボディ剛性はイマイチでフロアが若干ブルブルと震えます。

まあさほど気にならないレベルですが。


この時点でデミオ(スカイアクティブエンジン搭載車)の試乗を済ませていたのですが、正直言って差があまり感じられませんでした。


エントリークラスとしては、あまりとんがったところを出せないということなのでしょうか?


まあ娘の通勤用としては何の文句もないだろうということで、見積もり(結着ではない、とりあえずの)を貰って帰りました。



ところでこの時の車選びでは実にたくさんの店を回り、カタログをもらい、営業マンに話を聞きましたが、試乗をしたのはフィット、デミオ、スイフト、パッソの4車種だけでした。


ディーラーに行くと必ず試乗と見積もりの提示を勧められますが、一応見に行ってるだけで実際には候補として考えていないモデルもたくさんあり、無用な期待を持たせても申し訳ないとの考えから、本当に買ってもいいかなと思った車種だけにしたのです。


客なんだから気にしないという方もたくさんおられるでしょうが、ここで遠慮してしまうのは自分も営業だからというのが多分にあります。



試乗をして最終候補を絞り込んだのはまさに猛暑の7月で、小排気量車にとってはつらい時期です。


エアコン全開でも大した冷房効果は得られません。

これは仕方ないところでしょう。


しかしそれを差し引いてもパッソは選べないと思いました。

少なくとも1,000ccエンジン車は。


エンジンが非力でスロットルレスポンスが鈍く、ステアリングの中立付近が曖昧すぎます。


パッソのメインターゲットは若い女性から主婦で、実際に乗っている人を見ていても同様です。


なのであえてアクセルとハンドルの切り始めをダルにしているのかもしれません。


しかしこれでは片側二車線以上の交通量の多い幹線道路で怖くて右折ができません。


クルマ作りがちょっと間違ってるんじゃないかと思いました。