トップページにもあるように、再び楽器をやろうと思ったのは関西で有名なあるファイナンシャル・プランナーのセミナーを受講したことがきっかけです。


私自身もファイナンシャル・プランナーの端くれですが、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会会員のFPは、資格維持のため所定の単位を取得することが義務づけられています。単位になるものには色々あるのですが、最もポピュラーなのは単位認定されたセミナーを受講することです。


もう何年も前の話ですが、いちのせかつみさんという、関西で活躍されている著名なFPのセミナーを受けました。テーマはリタイアメント・プランニング(老後の人生設計)でした。


配られたレジュメに2つの円が描かれ、円周に沿って1から24の数字。つまり、24時間の時間割を記入するためのものです。


講師 「まず、昨日の一日を書いてくださーい。」


えーと、昨日は…などとブツブツ言いながら、全員スラスラと書き込んでいきます。やがて書き終えた頃を見計らって、


講師 「では次に、皆さんが65歳(になったとき)の一日を書いてみてくださーい」


え?65歳のとき?定年後だから、仕事には行かないんだよな。朝起きて、朝ごはん食べるだろ、それから散歩でもするか?うーん毎日散歩するのか?オレ。午前中は後で考えよう。じゃあ次、12時に昼メシ。昼メシのあとは…。うーん何するかな。ここも後だな。じゃあ晩ごはん、と。ここからは今と同じだ。テレビと風呂とインターネットかな。


ここで行き詰ってしまいました。朝食・昼食・夕食の間が決まらないのです。するといちのせさんは…


講師 「皆さんどうですかー?書けますかー?」


そして


講師 「書けないでしょう?朝ごはん食べたらテレビ、お昼ご飯食べたらテレビ、晩ごはん食べたらテレビ、じゃありませんか?」


そのとおりじゃん。


講師 「いいですか、65歳になったとき一日をどう過ごすか、それを今から考えるのが皆さんのリタイアメント・プランなんです。」


ショックでした。アンタの未来はこうなっちまうぜ、と目の前に突きつけられた気分でした。


それまでも、「オレの趣味って何だろ」と時々考えてはいたのですが、このとき真剣に趣味を見つけなければならない、と思ったのです。