北海道、帰りの電車
北海道の話、
いきなりセントレア(中部国際空港)に帰ってきた話からです。
最終日は家に帰るだけだったので、
「折角だから、名古屋に出て地元で上映してない映画を観て帰ろう」と
そのまま名古屋方面に行ってしまおうと決めていました。
電車が到着して直ぐに乗車できたので、出入り口付近の1番隅に座りました。
このときは、対面式の窓側に、内側に向き合って座るタイプの電車でした。
結構、混みあって出発。
1つ目の駅で、80歳くらいのおじいちゃんが、右手で杖をつきながら乗車してきました。
混んでる電車を掻き分け入って来ましたが、ちょっとフラッとしたように見えました。
ちょうど、自分の前に来たし、目が合ったので、席を譲ろうと立とうと思い、ちょっと腰をあげました。
すると、おじいちゃんが、杖を持っていない左手で、
おっさんの右手をギュッと掴んで、
「ありがとう、ありがとう。座っててくださいな。直ぐに降りますから。譲ってくれる気持ちは頂きました。
本当にありがとうございます。だから、座っててくださいね。」
と、おじいちゃん。
「あっ、はい」
と言って、腰を下ろし、自分はちょっと下を向いてしまいました。
自分が対応しきれてないのと、おじいちゃんが気を使ってくれた優しさと・・・・・
ちょっとどうして良いのかわからなくて、下を向いてしまいました。
でも、下を向いてちゃー、おじいちゃんに申し訳ないし、
おじいちゃん、下車するときに挨拶しようと思いました。
5分後、次の駅でおじいちゃん、降りるようです。
おじいちゃんは
「ありがとうございました。」とニッコリ。
こちらも、「どういたしまして」と微笑みました。
おじいちゃんは、電車から下車しましたが、やっぱりフラフラしてました。
さようなら、おじいちゃん。
その後、ちょっとウルウルのおっさんでした。
そういえば、
小学生の頃のことを思い出しました。
遠足で駅まで歩いて、電車に乗って豊川稲荷まで行きました。
自分達(きっと)にとって初めて乗る路線でした。
クラスのみんなで電車に乗って座っていると(席は満員)、老夫婦が乗って来ました。
小学生にとって、先生に「席を譲ろう」と言われていたものの、電車に乗って初めての体験でした。
友達と「どうする?」、「でも、恥ずかしいよ。」「言ってよ」「・・・・」
あーでもない、こーでもないと言っていたら、駅を1つ越えました。
頭の中で、早く席を譲らないと・・・・と焦ってきます。
で、思い切って
「どうぞ、座ってください」
と友達と2人で立ち上がり、席を空けました。
すると、
「終点!終点!」
と車内放送が・・・・・。
ガ-ン。
老夫婦に、「ありがとうね」と言われて、電車は止まりました。
小学校の時のちょっと恥ずかしい思い出でした。
担任の先生は、ちょっと離れたところに座っていましたが、寝たふりして見守ってくれていました。
自分達の自発的行動を見ていてくれました。
そんな事も、思い出しつつウルウルしちゃいました。