富士山をなめてました。番外編
富士山下りに、分岐点で間違えて、
父と甥っ子4人が、須走り口に下りてしまうというハプニングはあったものの、
無事に富士山に登って、帰りのミニバスの中、
ホッとした父は、積んであったクーラーボックスの中の缶ビールを呑んでいた。
ちょっとほろ酔いで、父は話し出しました。
「じいちゃんは、もう、ダメかと思ったよ。」 (孫たちに話してます)
「体中疲れきって力が入らないし、一歩も歩けないと思った。」
須走り口を下って来たが、何処までも砂と砂利の下りで、
ヒザの負担も大きく、力が入らないし、踏ん張りも利かない。
父は、足腰疲れ果て、言葉も出ない状態だったようだ。
ゆっくり、ゆっくり歩いていたのだけど、もう、一歩、歩けば踏ん張り利かず、
ズルッーっと滑って転び、起き上がって、また一歩で、滑っては転んで、
体力的にも気持ち的にも、折れそうになってしまったそうでした。
「もうダメだ!と思っていたら、甥っ子長男がリュックサックを担いでくれた」
「甥っ子長男が、1人で2個もリュックを持ってくれたから、じいちゃんは下って来れたんだよ」
と孫の甥っ子長男を、涙目になりながら褒めてあげた。
疲れきって、もう歩けないと思った父を救ったのは、
立派に成長し、心優しい孫だった。
「じいちゃんも頑張るぞって、最後まで歩けたよ」
頼もしい孫だし、じいちゃんも嬉しさいっぱいだ。
良かった、良かった。
高山病や道に迷ったりと、楽な富士山登山ではなかったけど、
帰りのバスの中は、みんな笑顔で、いい思い出が出来ました。
富士山に登って、本当に良かったと思う、おっさんです。