ネパール、その3 | 畑とポストカードと旅と

ネパール、その3

ポカラにて


ポカラ空港からガイドブックの地図を見ながら、ペワ湖方面へ。

宿は決まってなかったが、ダムサイドの日本人バックパッカーが多いといわれている「スルジェ、ゲストハウス」へ行くことにした。

行き当たりばったりで、満室なら他に行くという感じで「スルジェ」に行って見た。

ゲストハウスはネパール人の兄弟に任されていた。

元々「スルジェ」は日本人の登山家の人がネパール人の奥さんと始めたゲストハウスだった。


ちょうど2階のツインが1室空いており、ポカラ滞在は「スルジェ」に決まった。 (ツインといってもタタミ1畳ほどのベットが2つあるだけだったが、それで満足だった。寝袋は持参していた。)

他の滞在者は日本人だけだった。アジア長期旅行者、学生卒業旅行者、ネパール長期滞在者など、偶然ここで出会った人達だったが、みんな旅を楽しんでいる人達ばかりで、すぐに溶け込むことが出来たのが、良かった。


1階食堂はレストランになっており、ホテル以外の日本人も良く来ていたので、情報交換の場としていいゲストハウスだった。


食事はバルバードだった。豆の煮込みとタイ米だ。タイ米は臭いに癖があったが、すぐに慣れて美味しくいただいた。宿主は日本人が多いと、ラーメン風ヌードルなんかも作ってくれた。


ここに来て良かったのが、朝、3階部分の屋上に行くと、ぐるっとポカラの街を見渡せたことだった。

行って3日間は雲って見えなかったが、

4日目の朝、快晴。

ヒマラヤ山脈のマチャプチャレがドーンと姿が現れた。

イメージとしては山の上にまた山がある感じというか、今まで空があると思ってたその場所が山だった。

その大きさや形に圧倒され、一瞬でこの風景が好きになった。


滞在者はこの屋上で、朝チャイを飲んだり、短波ラジオを聴いたりしながら、山を見て過ごした。寝袋持って屋上で朝まで過ごし夜明けのマチャプチャレを見たりする人もいて、みんなそれぞれの旅を楽しんでいた。



日中はレンタルサイクルを借りて、オールドバザールに行ったり、チベッタンキャンプ、なんとかホールという滝、に行ったりした。メイン道路から離れ、農家の人達の仕事をみたりしてた。牛も人も道を歩き、道の分岐点にある大きな菩提樹の木の下でゆっくりやすんだりした。


お腹が空いたら、スルジェゲストハウスの横で「モモ」を食べた。バフ肉(水牛)の餃子だ。これにみんなハマリ、入れ替わりにみんなで行って食べた。注文があってから、皮をこね始めて具をつめて作ってくれたので、新鮮、出来立ては本当に美味しかった。


ペワ湖を挟んで、ダムサイド、レイクサイドがある。ペワ湖の水力発電で電気を賄っているが、発電量が少なく、1日ごとに夜になると停電、送電を繰り返していたので、夜遊びたい人は1日ごとにダムサイド、レイクサイドを行ったり来たりしていた。 (停電時ゲストハウスは、ろうそくだ。)


ある日、レイクサイドのボート乗り場で釣りをした。

釣り道具は旅の道具として日本から持っていった。エサは川釣り用のパックを持っていったが、そのエサでは全く釣れない。


それを見ていたネパール人のおじさんが「それはダメね。これで釣りなさい」と、パンのかけらをくれた。

それで釣ってみたら、小さい魚が釣れた。

(ネパールではネパールの釣り方でないとダメなんだなあ)

ありがとう。


次の日は、ダムサイドの川岸で釣りをした。土手に腰掛けて、兄とおっさんで2本の竿を出した。

しばらくしたら、1人のネパール人の少年が釣りを見にきた。

ちょっと離れた所でニコニコしながら、じっと見ていた。こちらもニコっとして会釈した。


すると少年の友達が5,6人やってきた。英語が話せる子供がいたので、あれこれ話をしてみた。なんか楽しい気持ちだ。

兄がネパールの歌を教えてと言ったら、「いいよ。」と1度みんなで歌ってくれた。

ペワ湖で聞くネパールの歌は、すごく心に響いてきた。


次はいよいよ歌を教えてもらう番だ。

がんばって歌わないとと、1小節ずつ、ゆっくり歌ってくれた。真似して歌ったがネパール語の発音が悪いらしく、笑われてしまった。口の形を真似して発音しても、ダメだった。

何度歌っても、歌にならず断念した。

でも、ありがとう。凄く楽しい時間だった。


薄暗くなったので、子供たちは帰っていったが、最後に1番最初に来た子供が残ったので、

釣った魚(小さくて10センチくらいのビテという魚、10匹くらい)をあげた。

食べるらしい。




翌日、釣った近くで魚を揚げた子供に会ったら「美味しかった」といってくれてた。

こちらも、食べてくれて「ありがとうね」といって握手した。


そんな感じでポカラの滞在は過ぎていった。

「スルジェゲストハウス」でカトマンドゥー行きの長距離バスを予約して、今度はバスでカトマンドゥーに戻るのでした。




ここポカラで体験したことが自分の海外旅行好きにしてくれた。

ネパールで普通に働く人を見て、話したりしたことがいい経験になったし、圧倒される自然を目の前にした。

ヒマラヤ山脈、マチャプチャレ、ペワ湖、、、世界には自分の知らない世界がいっぱいというか、自分が知らないことばかりなのだ。

今の自分に感謝しなけけば。自由に世界に行ける環境にいるのだ。

もっと、世界を知りたい。そんな気持ちになった、ポカラの日々だった。