山下清 | 畑とポストカードと旅と

山下清

10月8日、9日と用事があって、東京に行った。久しぶりの「おのぼりさん」だ。

朝早くの新幹線で行ったが、雨まじりの曇りで、いつも楽しみにしている富士山が全く見えず残念だった。


いつも人に酔ってしまう東京を駅の看板頼りに歩きまわり、地図見ながら目的地に行くと言う感じで8日の用事を済ませた。


3時頃から時間が出来たので、行きたかった上野公園の国立科学博物館に、愛知万博にあったと言う「シアター360」を見に行く。

インターネットで調べたときに、入場料600円と書いてあったので、シアターを見るのに1回600円かと思って行ったが、国立科学博物館の入館料が600円で、シアターは無料だった。


愛知万博は1度も行ったことが無かったので、シアター360はニュースくらいでしか知らなかったが、友達が

「東京に行くなら体験してきたら」と薦めてくれたので、体験したということだ。


8分と言う時間だったが、おもしろい。映像が足のしたから、頭のてっぺんまで全部がグルグル映し出されて、立っているのに浮遊感でクラクラしそうだった。凄いものがあるもんだと感動してしまったので、時間をあけて、もう1回見てきた。


国立科学博物館は今、ファーブル展をやっていたが、常設展示品のコレクションが膨大で、面白かったので常設展示品だけで、満足してしまった。


満足の国立科学博物館だった。



この上野公園内には、いろいろな施設がある。国立西洋美術館ではムンク展をやってたし、上野動物園、西郷隆盛像などがあるが、上野の森美術館で「山下清展」をやってたので、見なきゃ損かも。と閉店まで1時間しかなかったが入館することにした。


入館料800円だったが、そんなに安くていいの?ってくらいに良かった。


山下清。裸の大将で、最近はドランクドラゴンの塚地くんが抜擢され話題になったところだ。

作品は昭和12年頃の彼が16歳頃の線画から、学校で貼り絵に出会って、才能を発揮していく過程がわかり易く紹介してあった。彼の心の変化も良くわかる。


昆虫画、風景画から、人物画へと幅も広がっていく。

個人的に「花」の貼り絵に心奪われた。

凄いのである。

原画を目の前にしてしまうと、ただ、そこに立ち、絵の中に吸い込まれてしまった。

それほど、素晴らしかった。


有名な「花火」や「トンネル」も素晴らしい。

日本のゴッホと言われ、ヨーロッパを旅しながら仕上げた作品や、キャンバスを陶器に変え、皿やツボにも描いた作品にも目を奪われる。

油絵も良い。


才能が溢れている。

ゆっくり見ていたが、時間がなくなってったので、ちょっと駆け足で見て回った。

今回の紹介作品の数が、結構たくさんだったし、お客さんもゆっくり列になって、入り口から出口まで並んでいたが切れ目なく並んでいた。満員だ。


山下清さんは、昭和46年くらいに亡くなった。

「最後の一人旅に出かけた」と紹介してあった。



「昭和」という自分が生きている同じ時代を生きた「山下清」。

自分とはまるで違う素晴らしい才能を持っているが、素朴な「山下清」に親近感が沸いて、またまたファンになった。


美術館に行って、原画に出合うことの素晴らしさを確認できた、「山下清展」でした。


(帰りに、作品のポストカードを買ってきました。)