柳 広司/著「ダブル・ジョーカー 」を読み終えた。
2010年版このミス2位作品。
昭和初期、帝国陸軍内に人知れず設立されたスパイ組織があった。その名もD機関。創始者・結城中佐が教え子に叩(たた)きこんだ精神は「死ぬな。殺すな。とらわれるな」。すなわち、帝国陸軍の軍人が信奉する玉砕精神とは真っ向から対立する合理主義だった。
大日本帝国陸軍内の新たな諜報機関、風戸(かざと)率いる通称“風機関”と、既存の諜報機関“D機関”との暗闘、食うか食われるかの争いを描いた表題作・・・・・・「ダブル・ジョーカー」
陸軍軍医の脇坂が、慰問団の中に紛れ込んでいるスパイ・ハンター、暗号名「笑わぬ男」は誰なのか、その正体を突き止めようとする・・・・・・「蠅の王」
フランス領インドシナこと仏印のハノイに派遣された通信士・高林が、暗号電文がらみのトラブルに巻き込まれる・・・・・・「仏印作戦」
ベルリン郊外で起きた列車事故を機に、ドイツ情報部で伝説となっている日本のスパイ“魔術師”の影が、二十二年の時を経て浮かび上がる・・・・・・「柩(ひつぎ)」
アメリカ西海岸のロサンゼルス。バードウォッチングを楽しむ日本人、仲根が目撃した出来事。一見平凡なその光景の裏側に、スパイ同士の非情な戦いが隠されていた・・・・・・「ブラックバード」
五つの短編からなっている。