カレータナカの発達障害 考察まとめ
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発達障害かどうかを定義するのは困難

 

 発達障害の特性を持っていても、社会に適応できている人はたくさんいる。発達凸凹(発達の優れている部分・劣っている部分)があるが、「障害」とみなす必要がない人が実際かなりの数いる。

 

発達障害の特性との付き合い方

 

 自閉症スペクトラムの人たちのイメージは文献だけでイメージするのは危険。大事なのは当事者にとって必要な支援が何なのかということ。

  

 乳幼児期対人関係が希薄で、こだわりが強く、集団参加もうまくいかず、大人の指示に従わないということがよく言われる。 

 

 大事なことは上記の問題は大人の視点から子どもも見ているにすぎず、問題行動についてどうしてとりあげられるかと考えると、周囲が困っていることが大半だという理由が大きい。

 

 実際小・中・高等学校など学齢期では、集団行動が苦手で、空気を読まない言動をしたりして、クラスメートや教師から白い目で見られたり、いじめの標的になったりするケースがある。

 

 発達障害についての議論は学齢期で完結しているケースが多いが、大事なのは思春期以降についても当事者は特性を抱えたまま生きて行かなくてはいけないし、社会はそこまでクローズアップしてはくれないということだ。

 

思春期以降の生きづらさ

 

 学齢期については周囲の視点中心だったが、思春期以降は自己肯定感の低下うつになりやすい、不安性障害などの精神状態になる。といったことも新たな問題として浮上してくる。学齢期を過ぎると周囲ではなく、当人が困っている問題になっている。

 

 重要なポイントは発達障害の人たちは、周囲の人間からは困った子どもだと見られがちだが、本当に一番困っているのは当人であるということである。

 

発達障害支援について

 

 当事者を「普通の人」に近づけようとする支援方法は危険。過去の支援や指導で強い行動修正を強いると、その時の経験を思い出して、「自分はダメな人間である」と感じ、自信を喪失してしまうケースも少なくない。思春期以降で自己肯定感が低い人の中には、他人の不適切な干渉も大きな原因と考えられている。

 

 できないことを修正することが大事ではないとは当然言えないが、むしろ目標は、早期に発達障害を発見して、それぞれの特性に応じた個性的な人生を歩んでいけるようにサポートすることが大切。

 

発達障害の特性をもちながら胸をはって世の中にでていける人に育てばそれでいい。この発想こそが発達障害支援においてベースにしなくてはいけない考え方なのだろう。

 

自閉症スペクトラムの特徴

 

《乳幼児期》

 

人と物を分け隔てない母子関係に特別な意味はない。愛情や共感に乏しいので愛着関係を育てることが大事という訳ではない。大事なのは信頼関係を築くこと。当人にとってわかりやすい法則を示してくれる大人が大切。愛情という抽象的なものではないというのもポイント。

 

人の命令に従う動機がない…言うことを聞かない難しい子どもだと捉えられがち。本当のところは、情報伝達・共有そのものに感心がほとんどないということ。

 

視覚刺激への志向性がきわめて高い…注意の対象が限定的。他の児童との共通点が少ない。予定通りの状況では問題はないが、予定外の状況になるとパニック状態になる。

 

興味関心のあるものへの過集中…逆に言うと興味のないこと未体験のことを想像することが困難。

 

《思春期》

 

対人コミュニケーションは理念が先行する…例えば、世界飢餓について憂うが、目の前で転んだ子どもに手をかそうとしないなど。人が思いやりを持つことが大切という理解はあるが、現実には対応できないこともある。

 

・自発的な協調性の出現については知的な遅れがない場合は小学校後半から中学生ぐらいが目安。コミュニケーションについても自分が少数派だと理解するケースもある。

 

・一般的に5歳で挨拶ができないと問題があるとされているが、発達障害、主に自閉症スペクトラムの人は臨機応変に挨拶だきないことが多い。ただ、それは仕方のないことで、無理に挨拶を教えることはしない方がよい。当人が身につけるモチベーションがない時におしつけても習得することは非常に困難

 

挨拶をするという習慣を見せることは大切だが、当人の成長段階にあわせて教えていくという姿勢が大切。最終的に自信を失って行動すること自体消極的にならない為にもできることを当人のペースにあわせて増やしていくということが大切なのだろう。

 

それぞれの段階にあわせた支援体制

 

・第一段階 (日常生活水準の支援)

 発達障害当事者の特性や生活のことをある程度理解している必要あり。幼稚園、保育園の先生、学校の教員、職業安定所の職員

 

・第二段階 (専門的水準の支援)

 心理学や教育学の専門知識が必要。各地域の発達障害者支援センターなどの支援の場が広がっていくことが必要。

 

・第三段階 (高度な精神医学的水準の支援)

 精神医学的診断がなければ始まらないケース。複雑な問題があり、薬物療法も必要となるケース。

 

社会全体としてそれぞれの段階に応じたプラットホームを作っていくことが大切で、それぞれの活動のフィールドで支援の輪を広げていくことが求められているのだろう。