鶏出汁チキンカレー
豚出汁ポークカレー
ストロングポークキーマ
春菊と豆腐のサーグ
紅ショウガのチャトニ
キュウリのお漬物

うん、おいしいね!というカレーはたくさんあっても、毛が逆立ち体の下の方から湧き上がるような感動を与えるカレーはとても少ない。
カレーというのは、バカになりづらい食べ物なのかもしれない。知識と記憶、味覚や嗅覚に支えられるものではなくて、とにかく何でもいいからおいしい食べ物がほんとうは正しいはずだ。

ここのカレーは底抜けにおいしい。
こういう感じは、他では西武柳沢のからくらでしか味わったことがない。もっとも、ぼくはたぶん東京のカレーの10分の1だってまだ食べていないけど。

チキンカレーは、古くは天下一品ラーメンのスープのように粉舞う。もちろん食べたあとに唇はくっつく。
ポークカレーも豚骨だ。大々的なクローブが入る。
強力なスープと大量のスパイスが並立するという形は、とても分かりやすい。こんなに自分だって世界だって分かりづらいのに、もう難しいものはいらないのだ。それに、ぼくにはあまり複雑な味は分からない。

春菊と豆腐のサーグも感動するばかりのおいしさだった。春を先取りする苦味が愛おしい。
紅ショウガのチャトニとキュウリのお漬物は甘みがある。ご飯は食べ放題。

週末から40日間の食事制限が始まって、熱した油が食べられなくなる。お店のカレーはこれが最後だろう。
ほんとうによいカレーを食べられた。

豚出汁ポークカレー