インド最大級の都市の1つであるコルカタを訪れたことのある方なら、「ロール」のおいしさをよくご存じかもしれない。

 

 ロールは別名、カティ・カバーブ、カティ・ロールなどとも呼ばれる。スパイスでマリネしたチキンやマトンの炭火串焼きであるカバーブを、生タマネギのスライス、刻んだ青唐辛子や香菜、コリアンダーやミントのチャツネなどといっしょに、無発酵薄焼きパンのパラーターでくるむのが基本的なスタイル。

 実際には、カバーブをさらに香味野菜やスパイスで炒めるもの、カバーブではなくマトンやチキンのスパイス煮込みをくるむもの、キャベツの千切りなどもくるむもの、仕上げにチリソースやマヨネーズをかけるものなど、いろいろなロールがある。溶き卵で仕上げるエッグ・ロールやベジタリアンのロールも人気だ。

 北インドのイスラーム系ストリートフードの傑作で、特に東インド、コルカタの名物として昔からインドのグルメに名高い。

 近年では、デリーやムンバイ、チェンナイなどにもロールのおいしい店ができ、インド全国各地で楽しめる(ムンバイ発祥の「フランキー」も、美味なロールとしてインドのグルメにはよく知られている)。

 

 日本では、かつてコルカタがカルカッタと呼ばれた時代、つまりは、日本からの直行便がデリーとカルカッタに降りるのが圧倒的で、結果、多くのいわゆるバックパッカー系旅行者がカルカッタからインド入りしていた時代、ロールは密かにとりわけ現地滞在経験のあるインド料理ファンに人気があった。

 それが、カルカッタ人気の衰退とともにロールもマイナーになり、今では、日本のインド料理ファンにはあまり語られることがなくなった。そんな気がする。

 

 私は1980年代に初めて行ったカルカッタでロールに出会い、以来ずっとロールのファンである。一時は、できることなら、日本初のロール専門店を始めたいと本気で考えていたくらいだ。

 

 昨年秋、サザンスパイスの料理教室でも、はじめてロールをレッスンした。カルカッタ仕込みの本格本場のスタイルでうまくできたが、私としては、いい足りないというか、伝えきれていないことがあった。

 

 そこで今月29日日曜日、再びロールのレッスンをすることにした。今度は前回より的を絞り、より細かく指導する。

 

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 来月以降も最重要アイテムとして、ロールをプロモートしていく。乞うご期待。

 

 私の大好きなコルカタ「BADSHAH」のチキン・ロール。

 

《このブログを書いているときのBGM》

RICK DERRINGER『ALL AMERICAN BOY』(1973年)

 今聴いても全然古臭くないのはさすが。ブルージーさがないのが、この人の魅力だろう。1曲目はおなじみの名曲。

 

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