南インドではタミルナードゥ州を中心に、14日から17日まで「ポンガル」祭。新年のお祝いからまだ2週間だが、全世界共通時暦の正月より、ローカルなポンガルの方が断然盛り上がる。

 

 

 ポンガルでは、ここ一年の無病息災を祝い、これから一年の豊穣を願いつつ、コメとマメ、ジャグリー(未精製糖)、スパイスなどでつくるミルク粥「スイート・ポンガル(シャッカラ・ポンガル)」を食べる。

 

 スイートなポンガルの一例。ギーで炒めたカシューナッツやレーズンも入れる。サザンスパイスで、私が調理。

 ポンガルという料理にはもう一つあって、甘くない豆粥で、南インドを代表するカレー、サンバルやココナッツなどのチャツネをつけて食べる。朝食にぴったりの軽食である。が、ドーサやワダに比べると、日本の南インド料理ファンの認知度はかなり低い気がする。残念だ。

 

 

 

 

 ポンガルは豆粥と書いたが、私たちの想像する「お粥」とはかなり異なる。スパイスやハーブがふんだんに使われるのは無論のこと、右手指でつまめるくらいの硬さのものが多いのも印象的。

 ポンガルを含め、インドの豆粥系メニューはよく「キチュリ」と呼ばれる。やはり、日本や中国、東南アジア系のお粥よりしっかりした質感のものが多い感じだが、カレーやチャツネといっしょに食べたり、野菜がいっしょに煮込んであったりで、ストイックさや質素さはあまり意識されない気がする。

 キチュリもポンガル同様、日本のインド料理ファンに見過ごされがちな存在。サザンスパイスでは今年、キチュリにスポットライトをあて、ヘルシーなインド料理として積極的にプロモートしようと思う。乞うご期待だ。
 

《このブログを書いているときのBGM》

第2期JEFF BECK GROUPのセカンドアルバム(1972年)

冒頭の「アイスクリームケーキ」、コージー・パウエルのドラムス・イントロからシピレる。

 

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