カレー大學院 第2回講義「歴史学」 | カレー大學(カレー大学)のブログ

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こんにちは!カレー大學事務局 小林です。
ジメジメうっそうとした天気が続いていますが
カレーを食べてホット!スパイシー!にモヤモヤを吹き飛ばしましょう!

6月24日、カレー大學院 第2講座は少々おカタい課題「歴史学」です。
でもカレーという切り口で眺めれば、これが面白くなるものです!

今回は前回ご紹介したボウリングイベントを企画された
小原恵利子さんにリポートしていただきます。
以下、小原さんのリポートです。




※写真は世界最古のカレー粉の製品、C&Bのカレー粉です。
カレーの歴史にはよく出てきます。


第2講座では、カレーの歴史をテーマに、院生それぞれに調査する事から始まりました。
カレーの起源から近・現代までの歴史を調べてみると、
スパイスの獲得競争という面も見えてきました。

インダス文明の頃には、すでにスパイスを使用した食文化があり、
それは種族間の交易や戦争によって近隣諸国の食文化へも影響を与えていきました。

例えば、ヨーロッパの人々にとって、金と同等に貴重だったスパイス。
シルクロードを利用していたアラビア人の交易ルートに対抗して、
海路で直接スパイスを仕入れたいと考え、
ヨーロッパ人は海路の交易ルートの開拓に乗りだしました。
コロンブスやヴァスコ・ダ・ガマ等が活躍した大航海時代の始まりです。
コロンブスは、新大陸からより辛いチリペッパーを持ち帰り、
この時代からチリペッパーを使用したより辛いカレーが好まれるようになりました。
以後、スパイスの獲得競争は一層激しくなり、
東インド会社を経て植民地時代へと変貌。
18世紀には、広大なイギリス領インド帝国が成立しました。

このような社会変化は、近隣諸国やヨーロッパの食文化へと影響を与え、
各地の食文化と融合して、独自の発展を遂げていきます。

日本も幕末の開国を通して、外国の食文化に目覚めることになりますが、
開国から155年、多種多様なスパイスを使用した現在のカレーは、
日本人の食文化に取り込まれ、いまや日本食?と思われる程親しまれています。

世界史をスパイスの獲得と言う視点で見直すと、
なんておもしろいのだろう!正直な感想です。

皆で持ち寄ったカレーの歴史情報は、
各々が興味の有る視点で収集された情報で、
新しい知識として目を見張る物ばかりです。
切り口を変えれば、もっと深く探求できるテーマが見つかるかもしれません。

第2講座を終えて、
カレーの歴史は、人類の多種多様なスパイスの獲得の歴史かもしれないと思いました。
豊かな香りと刺激!スパイスの魅力に引き込まれそうです。
院生の皆さんの積極的な発表に刺激される日々…。

第3講座が楽しみです!



小原恵利子〈~おばらえりこ~〉
有限会社 アイ工房
取締役社長
朝日新聞埼玉版広告代理店
各種イベント事業、各種広告企画等を担当