300万のカレーレシピ!! | JDcafe (ジェイディカフェ)

JDcafe (ジェイディカフェ)

札幌東区で「黒いルーカレー」のお店をやってます。

こんにちは!黒カレーのJDcafeです。

多忙な日が続き、久しぶりの更新です。


今日、カレーを仕込みながら ふと思い出しました。

黒カレーが自慢の当店、JDcafeですが過去に黒カレーの
レシピが他人の手に渡りそうなった事がありました。

盗難ではなく、売買です。飲食業界では珍しくありません。


御存じの方も多いかと思いますが札幌二条市場の近くに
「南蛮居酒屋 潮騒亭」という店があります。

その店では「黒のちょいカレー」なるメニューが非常に
人気があり、広く世に知ってもらおうと、誕生したのが
黒カレーの直営店、JDcafeなのです。

つまり潮騒亭とJDcafeでは全く同じカレーを提供してる
わけです。

その潮騒亭での出来事。

ある日、常連の食品会社の社長さんがいつものように取引
先のお客様を引き連れてご来店。

この社長さん、黒カレーが大のお気に入りで連れのお客様
が美味い!美味い!と連呼しながら食べる姿を見て御満悦。


ここまではいつも通りなのですが、この日は少し違います。

「ウチでも作りてぇな、コレ。イカ墨だろう?」

「惜しいですね。桃屋のごはんですよ。」

「甘さは?リンゴと蜂蜜、ザラメか三温糖か?」

「クヌギの樹液だったと思います。」

もう、テキトーです。

スパイスは?肉は?煮込み時間は?辛味は?


相次ぐ質問に、切り返すのも面倒くさくなり思わず、

「わかりました社長、ウチのカレーのレシピ 300万で
どうですか?」


もちろん、これ以上の問答は無用の意味です。


「ったく!商売人やのぅ、あきまへんわ!」


一同、ドッと笑ったとこで終わりかと思いきや、終わらない
のが約一名。東京から出張で来た、どこぞの社長さん。

「マスター、本当に300で売ってくれるの?」

(ンなもん、冗談に決まってんじゃねーか!)

「え?えぇと…、そう!大変なんですよ、ウチも。別れた女房
と8人の子供たちの養育費とか…ね」

「うん。わかった。ちょっと待ってて。」

おもむろに電話をとりだす社長さん。

「わ、わ!冗談です、冗談!子供8人もいないですし(゚Д゚;)」


まぁまぁという事で、周りの方々も助け船を出してくれて、
レシピの話は無かったことに。

件の社長さんには丁重に詫びたうえで、なんとか御理解して
いただきました。


申し上げるまでもなく、レシピというのは店の財産です。
正式な売買ともなれば書類も交わしますし、一度手放した
レシピでの商売は許されません。


軽々しく売り買いを口にした私を戒める演技だったのかも
しれません。

ちょっと反省しつつも、実際に目の前に帯封の束か゛3つ
置かれたらどうでしょう?


潮騒亭からはカレーのメニューは削除され、JDcafeの存在も
今日の仕込みも無かったかも…などと出来上がったカレーの
味を確認しながら思いました。

次は500万から行ってみるか!(笑)


皆様のお越し心よりお待ちしております。

住所 札幌市東区北21条東1丁目3-1
   JDcafe (11:00~15:00)水曜定休